6.町へ
第6話
町へ
辺りが薄暗くなってきた。
朝靄の中、身体を起こし、辺りを見渡すも四足動物はなく、静かな空間が広がっていた。
寝袋から出て、昨日、戦闘のあった辺りを見に行くと、人型の連中は、なんと緑色の身体に額に小さい角があるゴブリンであった。
「ゴブリンか! 初めて見た」
四足動物がいなければ、『ゴブリンどもに、寝込みを襲われていただろうか?』と思うと、『野営も、どうすれば良いものか?』と、オレを悩ませるのであった。
ただ、気になったことと言えば、四足動物はゴブリンを食いに来たのでは無いということ。
明らかに殺しに来ている。
ゴブリンどもは、食われていない。
首を噛み切られただけだ。
まあ、『まずいらしい』というのは、生きていた世界の常識のラノベ等のなのだが、実際どうなのだろうか?
1体は顔面を潰されている。こいつは、あの尻尾でビンタを食らった奴だな。
朝飯にしたいが、血の匂いを嗅ぎつけた獣に襲われるかもしれないので、ここを離れてから朝飯にしようと思い、直ぐ様、出発した。
そして、スケルトンにゾンビに続き、ゴブリンがいるという事は、ここが異世界なのだろう。
感染症で命を落とし、異世界転生でもしたのだろうか。
はたまた、死後の世界だろうか?
まあ、天国に、ゴブリンは似合わないな。
そうして、1時間ほど歩き、朝飯にした。
食後のお茶は、そろそろ、玄米茶は遠慮したいところだが、しばらくは仕方がない。
町に付けば、“雁が音”あたりが買えるかもしれないな。
何といっても“雁が音”は、脳の若さを保つことのできる緑茶なのだ。
町までは、さらに1時間歩き、この世界に来て、初めて、この世界の人間を見た。
しかし、町には、期待したガンマンはいなかった……
まあ、その町は、村よりは大きく、都市よりかは小さい。そんな感じか?
道は舗装はされていなかった。
街に着いたはいいが、オレにはカネがない。
あの山小屋にはカネはなかった。また、有っても人のゼニを頂くつもりもないが。
なので、手っ取り早くゼニ儲けをしたいのだが、異世界でゼニ儲けといえば、ハンターやら、冒険者やらになるとか、ギルド登録するとか、その辺りだろう。
さて、冒険者ギルドは、どこだ?