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【完結】死後の世界は人手不足 【ビルドアップ版】―鍛えなおして、オレが帰ってきました―  作者: 井上 正太郎
第2章 空手家、異世界冒険者になる
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17.アニーの火炎魔法

17.アニーの火炎魔法

 



『しまった!』という表情のアニー。


 火がくすぶっている木剣は、ファイヤーシューターの追尾機能を誘導してしまったようだ。




 それを好機と捉えたオレは、間合いを詰めるが、木剣を蹴り、二人の間に位置することを怠らなかった。


 アニーは、「小賢しい!」と“バースト”で木剣を吹き飛ばし、ファイヤーボールを発した。

「ファイヤーボール、五連発ッ」とアニーが叫ぶと、<シュパッ、シュパッ、シュパッ、シュパッ、シュパッ>と音を発し、ファイヤーボールが、オレを目がけて飛んできた。


 しかし、アニー目がけ走り出していた蒼井が、ファイヤーボール五発を交わせるとは、誰も思っていなかった。

 だが、しかし。


 オレは、空手三段位である。


 正拳突きの連打をファイヤーボールに打ち込んだ!

 

 正拳突きの連打を食らうと、ファイヤーボールは削られるように霧散していった。


「このまま、アニーのところまで駆け抜ける」と、言わんばかりに走るが、次の瞬間、アニーの身体は変態していた。



 なんと、全身を炎の鎧で武装していたのだ。

 当然、掴むところなどありえない。


 ローブや衣服が燃えないのは、耐熱魔法でも使っているのだろう。

 本人も熱そうな素振りは見せていない。酸素不足でもなさそうだ。



 そして、魔法使いが接近戦が出来ないというのは、このアニーには当てはまらない。


 アニーのロッドから、“ファイヤー”が放たれる。


 その“ファイヤー”も避けにくいよう、横に振り払うよう放たれた。


 射程範囲と威力は落ちるも、避けにくい撃ち方だ。


『こいつ、戦闘馴れをしているな。だが、しかし!』


 オレは、アニーの炎の鎧が護っていない部分、足首めがけて足払いを放った。




 オレのブーツは、アニーの踝の上にヒットし、アニーは豪快に崩れた。


 そして、アニーの眼前には蒼井の拳が止まっていた。




「そこまで!」と試験は終了を告げられた。




 蒼井とアニーの目線が合い、しばらく見つめ合う形になるも、蒼井からサッと身を引いた。



***

 


 オレは、ざわめく会場を後に、控室に戻った。


 そして、先ほど作り置きしておいた緑茶を飲む。


 冷めて常温になっていて、飲みやすい。

 麦茶以外で冷やすなら、緑茶だろう。ほうじ茶は冷やすと、なんだかほっこり感がなくなる。


 紅茶にはアイスティーというものがあるが、アイスティーにはアイスティーの作り方があり、ホットの紅茶が冷めたから、アイスティーではない。ミルクティーもしかりだ!


 それ専用の入れ方があるのだ。


 その点、緑茶の守備範囲は広い。高温から低温まで、バッチリとうま味を確保して、飲みやすい。




 まあ、オレがそんなことを考えているうちに、休憩時間は、アッという間に過ぎ去って行くのであった。



 次のオレの相手は、誰だ?



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