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【完結】死後の世界は人手不足 【ビルドアップ版】―鍛えなおして、オレが帰ってきました―  作者: 井上 正太郎
第2章 空手家、異世界冒険者になる
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11.牛も人間もバーベキューだ!

第11話

 牛も人間もバーベキューだ!




 ゴブリンの頭は悪いが、あることを知っていた。


『肉は焼くと日持ちする』ということを!


『だったら、殺してから焼くのでなく、焼き殺せば、簡単なのでは』とゴブリンは思った。

 ゴブリンに、焼き具合などわからない。

「だから、牛舎ごと燃やせば良いのだ」と言っている。




 焦げて美味くなくなるだとか、消炭なるとかは考えてはないようだ。


 おそらく、『人間も同じだろう』とも考えていた。


 『家ごと燃やせば、人間もこんがり焼けて、日持ちする肉が出来るのだろう』と考えていた。


 名付けて、“人間バーベキュー”だ!




 さて、1軒目の牧場の牛は、すべて頂いた。

 次は、隣の牧場だ!


 牛も人間も焼き殺す"焼肉作戦”だ!


 そして、ゴブリン達が、移動を開始した時、それを後方で見守るゴブリンロードが一体いたのだった。



 その頃、ゴブリンが"焼肉作戦”を仕掛けてくるとは知らないおやっさんは、おカミさんとリコを天井裏に隠した。



 また、この地区は、ゴブリンに包囲されていることは、オレたちは、ゴブリンの数で理解した。

 助けも呼びに行けないようだな。


 そして、オレたちは、次に刃物をかき集め、棒をかき集めた。

 しかし、包丁にナイフ、箒、すべて数が足らない。


 こんなときに武器になるアイテムの一つである"鋤”が牛舎の中だ。今、外に出ると襲われる。

 焦りで、男達の背中に嫌な汗が流れる。


 しかし、おやっさんは、何故か落ち着いていて、今ある武器を分配するようだ。

 この落ち着きはなんだろうか?


 だが、一つ問題が起きた、なんとオレには武器が回らないではないか。


 すると、オレは武器は諦めて、言い放った。

「おやっさん、万年筆はある?」と聞いた。皆は、困惑していたが、構わず「万年筆だよ」と繰り返した。


「あるよ。待って」と、おやっさんは引き出しから、万年筆を取り出した。

 見たところ、金属製の胴体のものと木製のものがあったが、オレは、二本とも借りることにした。 


 良い万年筆だが、返すことはないと思う。

 すまないが、無いと思う。



―――しばらくして。


 ゴブリン達は、おやっさんの牛舎に近づいていた。今回は牛も人間も燃やして、保存肉にする予定だ。



 さて、ゴブリン達は、こう考えていた。 


 建物に火矢を放てば、燃えて中の牛はバーベキューになると。

 では、火をおこし、火矢を作ろうではないか! キキィー!

 ゴブリンは、煉瓦が燃えないといったことは考えないようだが、牛舎には多くの草があり、火矢が飛び込むと大火事になる可能性は高いため、牛達はピンチだ。




 ゴブリン達が、一斉に火をおこし始めた。

 その灯りがおやっさん達の目に入った。


 「ヤバい」と言ったのは、誰だっただろうか。




 おやっさんは、決意したのだろう。


 自分の牧場、家族を守るため、飛び出していった。包丁を箒に縛り、即席の槍を持ち吶喊する。


 即席とはいえ、ゴブリンにはものすごく有効たった。体力的には、人間とゴブリンは、大人と子供ぐらい差はある。

 しかも、リーチのある箒に刃物を付けているのだ、ゴブリンの短い手足で剣をふるっても、箒の方が長いのだ。


 おやっさんが、アッと言う間に3体のゴブリンを始末した。

 この活躍は、シンジとレイに勇気を与えた。

 そして、シンジとレイもおやっさんに続いた。


 包丁とナイフに箒で格闘した三人。

 これが意外にもゴブリン相手には有効であった。

 三人一組で対処すれば、後ろに回り込まれることが無かったので、単独行動より楽に戦闘が可能だった。



 その三人がゴブリン相手に格闘している頃、空手三段位の蒼井は、何故か、闘いもせず石を集めていた。


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