表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/111

108.猛攻

108.

 猛攻


 ブラッドリーの右肩は、相当にダメージを受けたようだ。


 なので、ここでブラッドリーは、起死回生の大技を使うつもりだ。

「地獄の炎ッ」と、言う前にリードが止めさせた。


 いつの間にか、ブラッドリーの横に来ていたリードが、ブラッドリーの左手を抑えて止めさせていたのだ。

「リード様、何故?」

「味方まで焼く気か?」


 ふん、つまり、「儂を焼いたら殺す」ということなのか?

 魔物など、いくらでも召喚出来るのだろうから。


 そして、二人の魔人が並んだこの隙に、オレたちは、一斉に二人の魔人の顔目掛けて、黒いオイルを投げつけた。



 目を白黒させているのは、ヤマモトとその部下の魔法使いだ。



 この薄暗いところでも、ゴーグルにサングラスを外さない。

 その訳は、やはり、強烈な火炎は自分達にもダメージがあるのだ!

 特に視力に!



 当然、顔を真っ黒にされ、怒りの魔人である。


 ブラッドリーはゴーグルを外し、舌打ちした。

「リード様ッ」

「好きにしろ」


 それを聞いて、ゾッとしたのは魔物たちだ!

 一斉に逃げ始めた。


 この大広間に混乱が生じた!


「うぉー、喰らえ」

「喰らうのはお前だ。毒堀の敵」

 オレは横綱の風魔法に乗り、

「烈風、高速上段突き!」を放った。


 ブラッドリーは、右肩を負傷し右腕は使えない。

 左腕は高く上げていたので、突きの連打を受け切ることが出来なかった。


 ブラッドリーの喉元に高速上段突きが突き刺さる。


 だが、ブラッドリーは、ふっ飛ばされだが、まだ生きている。


「しぶとい」



 そこに割って入ったのが、リードだ!


 サングラスを取った顔は、流石に魔人のエライさんだ。

 鬼より恐ろしい顔だ。


 オレは、サッと立ち退き、残心を取った。

 また、それがリードを苛立だたせたようだ。


 そして、リードが軽く指を弾くと、猛烈なファイヤーが襲ってきた。


 だが、今回もオレは無事だ!

「耐熱ヌンチャク!」と言うと、ヌンチャクを回転させ、ファイヤーを無効化していた。


 おそらく、見えていないが、ミサキの幽霊もオレを冷やしてくれているんだろう。


 ビリーは耐熱ナイフの投擲で、横綱は風魔法で支援している。

 毒堀のトンデモ武器が欲しいところだが、トドメはオレ一人でやるしかない。


「行くぞ! これがオレの奥の手だ。ツバメ返し」


 そう!


 ツバメ返しと言うと、佐々木小次郎の物干し竿と呼ばれる刀からの一撃をイメージするが、ここはヌンチャクの回転技の名前なのだ。

 

 回転させているヌンチャクを、頭上と足元の二箇所に分散させた。

 リードの足元へヒットした。

 すると、リードを大きく後退させることに成功したのだ


 イケるかもしれない。

 あのヴィーナスの丘を火事にした火炎を出す前に始末しないと!



***



 蒼井め!


 このままでは、俺の十年の苦労が、水の泡だ。

 

 そんな事を考えていたのは、ヤマモトの部下の魔法使いだ。


 ヤマモト様が、ここで勝利して、「さすが英雄」という称賛を受けないと、ここまでの俺の苦労が……


 しかし、ヤマモトは右肘から下は、もう無い。闘えるとは思えない。

 だが、ヤマモトは「左手だけでも風魔法は使える」と、言い立ち上がった。

「お、お供します」



***



 ミサキは、焦っていた。

 いくら幽霊たちが、リードを捕まえやうとしても、パワー負けしてしまう。

 

 それに、ファイヤーを放たなくても、すごい熱を発している。


「ウルフちゃんが、風で冷却していても汗が止まらないわ」



 そこに、意外なハンターが突っ込んできた。

 重装歩兵だ!


 フルプレートのジョニー以上に、重装備なハンターだ!


 ガシャンガシャン、ガシャンガシャンと、音を立て突っ込んできた。


 なんだ?


 ファイヤーを、まともに食らっているが、大丈夫なのか?

 おい!



 次回の空手家は、蒼井隼人、死す!

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ