102.英雄と執事
102.
英雄と執事
ヤマモトは、やる気のようだ。
しかし、時田のステッキで殴られたタンクと弓手は、動けなかった。
リタイヤだ!
それには、他のメンバーが驚いている。
それは、自分達よりタフなタンクが一撃なのだから。
動きの速い時田に対し、ヤマモトは槍なのだから、少し距離が欲しい。
だから、初手はこうなる。
「ウィンドエッジ!」
タッタッタッタタタッ! と時田が駆ける。
そこに、ウィンドエッジが追いかけるように、放たれる。
ウィンドエッジが壁に当たり、切れ目が入る。
ヤマモトもわかっているのだろう。
こんなジャブで倒せる相手ではないぐらいは。
だから、間合いを詰めて槍の届く中間距離にしたいから、前へ動き出した。
時田のステッキが振られる。
それを槍で受けるヤマモト。
これは、近接戦闘の間合いだ!
ヤマモトが時田を蹴り飛ばし、間合いを広げる。
この様に、二人が決定打の無い戦闘を繰り返していた頃、空中のオレたちは、鎌鼬合戦をしていた。
ハッキリ言って、鎌鼬、つまり、ウィンドエッジという見えない凶器が飛び交う中、ここにいるのは生きた心地がしない。
すると、キャンベルは足の爪でオレの右肩を襲ってきた。
つい、オレはキャンペルの脛のあたりを“交差受け”で、掴んでしまった。
「ヤバイ。反対の脚を捕まえないと」と思い、両足を掴んだ状態になった。
「えい、ままよ」とオレは横綱の背中から、ジャンプした。
プロレスで言う、パワーボムだ。
キャンペルは風魔法で上昇しようとしているが、横綱が風魔法で相殺している。
「このまま、イケぇ」
ドスーン!
キャンペルは後頭部を痛打し、気を失った。
「上手いもんじゃな」
「ふふふ、そうね」
「いや、お前さんじゃよ。ミサキ」
「ふふふ。それ以上言うのは野暮よ」
一方、時田とヤマモトは一進一退の互角の攻防に見えたが、大きく時田が下がった際、ヤマモトにチャンスが生まれた。
「超電磁な竜巻きぃぃ」と、必殺技を出すらしい。
特殊なトルネードが時田を襲った。
そして、空中で時田を拘束したのだ。
「どうだ、動けまいぃ」
「ははは、面白いこと言いますね」
「なに?」
「『動けまい』とは、こちらが身体を動かせない時に言うセリフですよ」
「それは……」とヤマモトが何かを言おうとした際、起きた。
「はぁぁぁ、フン」と、時田が気合を入れた際、拘束が解けてしまった。
それを見ていたオレたちは、
「もう、魔人の時代じゃ」
「ああ、もう帰ろう」
「帰って寝ようか?」
「そうねぇ。帰れるのなら帰りましょうねぇ」
「ワォン」
と、好きなことを言いまくっていた。
次回の空手家は、実は!
ラストは、もうすぐ!
次回もよろしくねぇ!
ブクマもよろしくねぇ!