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【完結】死後の世界は人手不足 【ビルドアップ版】―鍛えなおして、オレが帰ってきました―  作者: 井上 正太郎
第2章 空手家、異世界冒険者になる
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10.ゴブリンアタック

第10話

ゴブリンアタック




 ゴブリンは頭が悪いが、悪知恵が働く。


 悪知恵が働くが、頭は悪いともいえる。



 仕事が終わった。この日は、3人の従業員と経営者こと、おやっさんとおカミさん。

 そして、蒼井隼人の6人で、食事をすることになっていた。


 シャワーを終えた頃には、テーブルに料理が並べられており、おやっさんは、新しいワインが開けられるので、なんだかウキウキしているようだった。


 全員が揃い乾杯で食事会は始まった。



 従業員の1人、リコは若い女の子だ。

 何やら、獣医になりたいらしく、子供の頃から動物が好きらしい。

 他の男二人も同じで、動物が好きらしい。


 そう言われると、別段、動物好きでもないオレは、気分が落ち着かなくなってきた。


 また、男2人のうち、シンジは「農業は観光になる」とも言っていた。

 牛乳からアイスクリーム等を自分で作ったり、体験型観光農業を考えているらしい。

 おやっさんも、フムフムと聞いていた。



 もう1人の男、レイは黙って聞いているだけで、自分の中の何かを見せることはしなかったが、無いわけでもないのだろう。

『雄弁は銀なり、沈黙は金なり』といった感じだっだ。




 楽しい時間は、過ぎるのが早い。


 アッという間にお開きとなった。



 しかし、皆、明日もここで仕事なのだから、空いた部屋に泊まるようだ。


 従業員が泊まることは珍しい事ではなく、仔牛の出産等、徹夜仕事もあるからだ。


 おカミさんが、リコを部屋に連れて行ったようだ。


 シンジとレイは、もうしばらく飲むようだ。となると、おやっさんも黙ってはいない。


 おやっさんが、手にしているワインについて、講釈を始めた。皆、ほどほどに酔が回っているようだった。


 しばらくして、オレは、席を立ち、台所で水を飲んだ。


 酔を覚ますためだ。

 とはいえ、たいして飲んではいないが、ここ最近、ゴブリンが徘徊しているようだし、不覚を取りたくない。


 今日中に、宿舎に帰るつもりなのだ。



 すると、やけに他の牧場の犬が吠えている事に、皆が違和感を感じた。


 次の瞬間、ガシャーン!


 ガラスが割れる音がした。


 かと思えば、丸太が落ちた音もした。


 ゴン、ガタゴト……




 なんだ?と言わんばかりに、おやっさんが窓から外を見ると、隣の牧場を無数のゴブリンが襲い、牛達を殺していた。


 ゴブリンにとって、牛の図体はデカイ。

 とても運ぶことが出来ないが、殺してしまえば、暴れない。

 細かく切り刻めば、1人で運べるよう小さくできる。骨などは要らないのだから捨ててしまう。




 それを見たおやっさんは、一気に酔が覚めた。


「ゴブリンだッ!」


 おやっさんも従業員達も、驚きのあまり理解できなかった。


 何故、今、ゴブリンが?


 ゴブリンが牛を襲うのは深夜で、今は、まだ日が沈んでから大して時間は経っていないはずだ。


 しかも、あんなに大勢で襲ってくるなんて、今まで、精々、5、6匹だったのに。

 そう、まだ、深夜ではない。


 しかし、ゴブリン達は決めていたのだ、『今日、すべての牛を頂く』と!


 


 すべてなのだから、とても時間が掛かる。


 ので、早目に襲撃したのだ。ただ、それだけのことだ。



 すべてだから、逃してはイケない。だから、この辺りは見張りを立てて、誰も出入り出来ないようにしているのだ。




 そして、ゴブリンどもは、『邪魔な人間も殺しても良い』と決めていた。


 次回の空手家は、何故か、隼人は戦わない!

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