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父と子





 状況は間違いなく最悪だった。

 ぐらりと平衡を失いながら真っ暗になった視界に何とか踏みとどまり、フェムトが慌てて駆け寄るのを制す。

 唇が切れるほど噛み締めて、アシュは何とか酸素を吸い込んだ。




(クソッ! 完全に俺が抜かったってわけだ、タヌキ親爺め……)

 ロード=ギスタフ。

 妻のみならず跡取りと娘までを一夜にして失ったジエンが、養子として遠縁から貰い受けてきた男。

 彼とは一度だけ面識があった。

 あれは確か、スエンニの下町にルルーが迷い込んっでしまったとき。

 「義弟に会わせる」という父の手紙を受け取ったときだ。


 当時は何故あんなろくに情報すら持っていない鈍臭そうな男を送り込んだのかさっぱり理解できず、嘲りと共に全く警戒もしないまま放り出してしまったが、今となってみれば「会わせる」という行為そのものがあの男の目的だったのだろう。

 ルルーの髪はもちろん晒していない。しかし“砂”――――アムーラ・アジャンタに寄越していた影からの報告によれば、顔かたちの認識だけはあるロードはフクロウ最大の特徴である白銀の髪ではなく、あえて年の頃と瞳の色だけで各街に名簿を作らせていたのだという。そんな力技が押し通されるとは思ってもみなかったのは間違いなく自分の慢心。

 なまじアシュの警戒を得ていなかった分、妾探しという貴族道楽の一つにすんなりと紛れ込み、――――結果この様だ。

 恐らくジエンはあの後アークに戻ってきたロードに、あれがフクロウとアシュだと囁いたのであろう。


 あの男らしい駒の使い方。

 智略奸計をもってその名を世に知らしめてきたギスタフの人間としては、手本のごとき鮮やかな誘導。

 手のひらで踊らされていたのはアシュの方だったのだ。




「………ロード・ギスタフは、主様に対し並々ならぬコンプレックスがあると聞き及びます。今屋敷への潜入は控えた方がよろしいかと。それにこの屋敷……カセリア家にまで類が及べば、我々はアークでの足場を失うことになりかねません」

「お前に言われずとも、それくらい分かっているよ」

 今は抑えろ。言外にそう告げる老臣に手紙を握り潰しそうになるのをなんとか堪えた。


 きっと腸が煮えくり返るとはこういうことを言うのだろう。他の男のもとに彼女がいるのかと思えば真っ黒に爛れた臓腑ごと嘔吐いてしまいたくなるほど腹立たしい。叶うなら今すぐにでも、喉を掻き切って殺してやりたいとさえ思った。

 もしこの場で救いがあるとすれば“狐”とまで呼ばれた冷徹な合理性と、この失態の原因がひとえに己の慢心故との自覚が、走り出そうとする心を辛うじて引き止めていたことだったろう。ダレンシスの母譲りの激情をギスタフの父譲りの理性が引き止めているとは皮肉なことだ。


(考えろ、考えろ………)

 思考を止めるな。

 冷静さを失っては駄目だ。余計なことは切り捨てて思考だけに熱量をすべてつぎ込んで回転させろ。

 今のアシュは薬師でなく執政官の一人としてこの場にいるのだ。下手に拗れて外交問題になれば、取り返せるものも届かなくなる。

(これは運が良かったんだ。タイミング的にルルーと俺がこの島を訪れたのはほぼ同時期。となれば俺がこの島に滞在していたことで島の落下は止まっている。あの男がまだルルーをフクロウと勘違いしている可能性は高いとみていい。現状況でフクロウを探し直すのは危険を伴うし、あの子の安全は今は少なくとも保障されているはずだ)

 だが、たとえそうだとしても、彼女の安全がいつまでも続くとは思えない。脱走という前歴を持つ反抗心ばかりで都合も外聞も悪いフクロウなど、事が終息し次第消される可能性の方が高いのだ。

 かといって影の者に奪還させるにしても真正面から乗り込む訳にもいかないし、向こうも因縁深き狐を狩り出すべく厳戒態勢を敷いて待ち構えているだろう。

(陽動でも何でも、ロードの注意を逸らすことが出来れば………)

 短期間でいい。

 ギスタフ一族の動きと影響を鈍らせることが出来れば。 





「――――フェムト」

「はい」

「もう一度ロキを呼んできてくれるか。寝ていてもかまわん、叩き起こせ」

「かしこまりました」

 恭しく一礼をして老執事は部屋を辞した。

 再び静けさを戻した部屋に、ぱちりと熾きの炎が爆ぜる。

 外の雪はもう止んでいた。


 ――――これは賭けだ。

 最悪の状況下で振られる賽はある意味最凶であり、またある意味ではアシュにとっての悲願。

 後世、多くの歴史家たちを悩み唸らせ、また楽しませたこの男の名を、英名悪名共に最も轟かせる一つの事変。彼が辿り着いた解はいわばその前哨ともいえる策であった。

 この青年の不思議な精神構造は、その人間離れした集中力にある。

 明らかに不利な状況においてさえ完璧に事態の客観化を図り、ついには己の命さえ要素の一つとして即座に選別する。もはや非人間的集中力といっていい。

 また彼という一個人の特性は、極めて合理的思考と並列して「この状況を愉しんでしまう」ところにあった。

 考え付いたこの策をロキが受け入れる保証はない。それどころか執政官の多くがそうであるように自己中心的あの男ならアシュを裏切り、売り渡すくらいのことは簡単に出来るだろう。

 故に、賭けだ。

 政治的状況、人格、その他あらゆる要因をもって織り込まれた最大期待値を求め、そして確率論の賽を投げる。

 手前の人生を賭け、負けていった者たちをアシュはスエンニでいく人も見てきた。その愚かしさも嫌というほど知っている。自分が自分の下手で死ぬのはいい。あの子が笑っているのなら、一人で死ぬくらい怖くも悲しくもない。嘘偽りなく確かにそう思っていた。

(…………なんだか、なぁ)

 何もかもを彼女に賭してここまで来た。

 惚れた女には笑顔でいて欲しい、それだけだった。

(今になって、やっぱり君が泣いてくれたらいいのにって思っちゃうんだよねえ)

 

 不安と恐怖と絶望に真っ黒に視界を塗りつぶされながら。

 憤りと殺意に吐き気を堪えながら。

 ただ死にゆく自分のためだけに流される涙があるのなら、それはきっと彼女の心を砕き散りばめたかのように、どんなにか美しいだろう。まるでこの手の中に突き放したはずの彼女が、もう一度戻ってきてくれたように思えるだろうか。

  本当に身勝手で、ロクでもない夢だ。 










 ◇◇◇◇








「――――例えば時が戻り今をやり直せたら、」



 たっぷりとした紫煙を燻らせ、男は疲れたように吐息を滲ませる。

「マリアは今も俺の隣にいてくれたかね?」

「………無理じゃないかしら」


 曰く、彼女の記憶に残る限りの俺は、仮定の話をあまりしようとはしなかったのだという。チェスで幼い息子相手に大人げなくいびり勝っていたときも「本当にそれでいいのか?」と聞くことはあれ「こうすれば良かったのにな」とはただの一度として口にしたことはなかった。

「お父様はどうやったってお父様だもの。お母様がダレンシスの秘史を伝えたように、お父様はギスタフ家の掟に逆らえなかった。お互いさまよ、お父様の過去を貶めるものではない。………愛情とはまた別の部分に根付いてたって、それだけだったのよ」

 道徳とは、そんなものだろう。

 正しいとか間違ってるとかではない。ましてや人格や愛情とはまったく別次元で存在するもの。

 淡々とそんなことを言う娘に、ジエンは苦笑した。


「……俺は、ちゃんとお前たちを愛せていたのか?」

「多分ね」

「そうか」

「でなければ、あの子もあれほど憎まなかったと思う」

「………そうか」

「ええ」

 昔から真っ直ぐに背筋を伸ばして立つ娘だった。

 いつの間にか女になった娘は艶やかな長い黒髪と瞳以外、本当に母親の生き写しだ。綺麗になったな、と心の中で呼び掛ける。マリアと同じ、惚れ惚れするほどいい女になった。

 葉巻の火を揉み潰したジエンに、彼女はてきぱきと飲み物を用意しながら適当なテーブルにつくように勧める。

 マノンの港でも若く美人の女将と美味い飯を食わせることで知られた“黒猫亭”。その看板女将の後ろ背を眺めながら、ここへ連れてきた張本人、のんびりとリュートを調律する古い昔馴染みにジエンは向かい合うように席を取った。


「縁とは不思議だな。まさかお前が屋敷を訪ねて来るとは思わなかったよ。カーヒル」





「いやだね、年ってのは。こうしているとどうにも時が戻ったように錯覚してしまう。……何もかもがとても懐かしい」

「過ぎし日のことは皆等しく美しくなるものです」

 呑みますか、と差し出された毒々しい色合いの酒瓶を丁重に辞す。恐らく度数も見た目に違わず凶悪であろう。ザルというよりもはや枠と言われたこの男のペースなんぞにつられると、大して強くもないジエンなどものの数杯で潰されてしまう。

 持参の酒をぐびりと美味そうに呑み、カーヒルはもう追憶でしか会えない女を追うように目を閉じた。

 相変わらず、妙な色気のある男だ。

 年はジエンとさほど変わらぬというのに、吟遊詩人という刹那的な享楽がそう見せるのだろうか。目じりに淡く浮かんだ皴だけが、この男の歩んできた数奇な時間を示しているように思われた。

「お前はあまり変わらないな」

「そうですか?」

「女たらしは相変わらずなんだろう?」

「その通り。お父様にしては鋭いじゃない」

「ちょ、何を言ってるんですかレミィ? 私は案外一途なタチなんですよ……方向性が人より多いだけで」

「はいはい。世間の目をはばかる恋も辛うございますね」

「待った待った待った。君、まだ何か盛大な勘違いしてませんか?」

「やだ先生、私応援は出来ませんけど影ながらずっと見守るって決めてるわ。だから安心して?」

「やっぱりまだその妙な誤解続いてるじゃないですか!!!」

 カーヒルが慌てたように言い募り、レミィはそんな彼の様子にくすくすと笑いながら身を捩じらせて逃げる。

 ………本当に、縁とは不思議なものだ。

 マリアと結婚してからほとんど行方知れずになっていたカーヒルが連絡を寄越したあの日。かつてマリアの親友だった――――本心は友情だけだったかは知らないが――――この男がマリアの子供たちを拾い、ここまで育て上げたというのだから世間は存外狭い。




 ジエンには、自ら下界に突き落とした二人を迎えに行く資格はなかった。

 父と呼ばれるつもりもなかった。だがせめて行く先困らぬように、陰ながら支えられればと思っていたが、カーヒルはこの際きっぱり手を切れと言った。

 どんなに聡くともグリフもシアナも、まだ親の庇護下で守られるべき柔らかな精神を持つ子供で。あの出来事は彼らの心に深い傷を負わせた。プライドの高い彼らがその傷も癒えぬうちに父を受け入れられるわけがない、今は待て、と。

 とりわけ幼かったグリフは、父親を恨むことで何とか心を支えていたような有り様だった。

 強いように見えて、あれはとても繊細だ。儚いほど鋭く透明に、時を重ねるにつれ硬質になってゆく。


 だからジエンは「嘆く者(アシュ)」を受け入れた。

 生きていてくれればそれでいい。もしこの喉まで届くなら、望むように復讐させてやるつもりだった。迎え撃つために策も弄した。

 父子のコミュニケーションとしては些か歪んだ形なのかもしれない。

 「どうすれば良かった」なんて差し戻しの許されないゲーム。

 それでもジエンにとってはそれが最後の糸で、その糸が途切れた瞬間、マリアもろとも共に過ごした過去が無かったことになってしまうような気がしたのだ。


「今日お父様を訪ねたのは、愚弟のことよ」

「ああ………執政官の地位を追われたと聞いたよ。うちのロードも道連れにしてね」



 知らせが入ったのはほんの二日ほど前だ。

 スエンニの実質ナンバーツーにあったロキという男が、第三王子に取引を持ちかけたのだという。

「“天涯の月”を盗みその秘密を明かしたアシュの身柄と引き換えに、ギスタフ(うち)の追い落としか」

「相変わらず耳が早いですね」

「あれだけ大事のなりゃあ、耳に入らねえほうがおかしいだろ」

 そう、青二才の首一つに今やアークでの勢力図は大きく塗り替えられようとしている。

 とうとう相打ち覚悟で、切り込んできやがったと思った。

 アークの秘宝“天涯の月”。その盗難というパンゲア史上最悪の失態は、これまでは存在すら疑われていたものを皮肉にも証明してしまった。

 スエンニ商工連の創始者の一角、ダレンシスの裔、ギスタフの鬼子。「アシュ」の存在は、抱えた知識のみならず今や闇に葬り去るにはあまりに巨大になり過ぎた。絶対的王政の復興を掲げる“金の矢”に、かの身柄は劇薬となるだろうことは想像に難くない。ましてやジエンの忠心を疑うジェレミア=フォビアーニがこれを機にギスタフ家の勢いを削ぎに来ぬ訳がなく。

 スエンニとの交渉は今やアークの生命線だ。ロードは私兵をいたずらに動かしたなどの咎で謹慎中だが、いずれ適当な罪状を重ねられ身動き取れなくされるだろう。狩人を気取ってフクロウを捕獲したまでは良いが、追い詰められた狐の捨て身の反撃に屋敷がバタついている間に、それも攫っていかれたらしい。

 万事休す。ほんの一週間足らずの間のあっという間の出来事にジエンですらろくな対応が出来なかった。いや、まさか息子がそこまでするとは正直思っていなかったのだ。

 アシュ――――“狐”が、この先生きてアーク島を出ることはないだろう。

 ジェレミアがどう動くつもりかは知らないが、あれは元々生粋の軍事畑の人間だ。まだしばらくは睨みを利かせることも出来ようが、もう十年もすれば海千山千の商人たちが巧いこと王子の周囲も挿げ替えてゆくことだろう。すでに四大公爵家でも優れた官僚を輩出する文の家として名高いカセリアは、尻尾こそ出さねどこの先の彼らとの交渉を視野に入れて動き始めている。

 ギスタフ家の力も大きく削がれ、時流は商人たちへと緩やかに傾いてゆく。

 かつて島から追い落とされた小さな少年の呪いは、その言葉の通りになろうとしている。そう、これはまさにグリフの――――



「復讐、って思ってるんでしょう?」

 香りを楽しむようゆっくりとグラスを揺らし、娘は父であるジエンでさえハッとするほど艶やかに笑った。

「………違うのか?」

「あれから何年経ったと思ってるの。確かに三年前まではそれで正解だったかもしれないけど、私もあの子もいつまでも子供じゃられないわ。いつか大人になるって忘れているんじゃない」

「……それは……」

「今日お父様をお呼びたてした本題に入りましょうか」 

 ふう、と呆れたように溜息を吐いたシアナはおもむろに立ち上がると、店の二階、彼女の居住スペースへと誘った。

 公爵家の屋敷とは比べ物にならないほど狭いが、綺麗好きのシアナらしく、はたまた飲食を扱う生業ゆえか隅々まで掃除とワックスがけの行き届いた清らな廊下を進む。

「………あの子ね、フクロウの娘に惚れちゃったのよ」

 やがて一つの木の扉の前に立つと、ぽつりと、まるで世間話でもするかのようにシアナは呟いた。

「……はぁ? ……え、誰が?」

「グリフよ」

「え、――――…………ええええええ?」

 母譲りの発想力と時折見せる子供らしからぬ聡明さ。けれどその才を国のために生かすことなく恨みと呪いの言葉を吐き散らし、落ちていった息子。

 穏やかに淡々と世を去る類の人間ではないと思ってはいたが、まさか恋やら愛やらに生きるなんて、そんなまさか。

「だから言ったじゃない。私たちはいつまでも子供じゃいられないって。……あいつも色恋の一つも覚えてくるわよ」

「あのグリフが……」

「まあ驚きますよね」

 ぽんと慰めるようにカーヒルに肩を叩かれたのも気づかぬほど、ジエンは動揺していた。


「じゃああいつ、フクロウを(・・・・・)奪い返す(・・・・)ためだけに(・・・・・)のこのこと手前の首を差し出したってのか……?」

 だとしたら、あまりに馬鹿すぎる。

 復讐も何もかも全部放り出してたった一人の女のためになど、らしくないどころの話ではない。女に入れあげてこれじゃ、ただの大馬鹿野郎だ。

「木乃伊取りが木乃伊って言うの? 満を持して盗み出して、自分から離れられないように優しくして、そしたら今度は自分が嵌っちゃったってんだから、世話ないわよね」

 理不尽だと言わんばかりに肩を竦め、シアナは今頃牢で転がっているだろう弟を笑った。

「本当に馬鹿な子だわ。……でも、あの子はあの子なりに自分の答えを出したのよ」

「……復讐は……」

「そんなもんとっくにどっか飛んじゃってるわよ。あの子が今戦ってるのは、アークとフクロウの(しがらみ)を絶つため。惚れた女の憂いを絶つためよ。――――いつまでも『復讐』に囚われてるのは、むしろお父様の方じゃない?」


 頭を、殴られたような気がした。

 次いで襲い掛かるのは足元の床がすこんと抜け落ちたような、行き場のない浮遊感。

 『復讐』は義務ではない。報われぬ理不尽も悔しさに費やされた日々も、それはみな『アシュ』だけのものでありジエンのものではない。だから『アシュ』が手放すというなら、それは彼自身の意志でジエンに口を挟む理由はないのだ。

 だからこの遣る瀬無さは、ただの我儘。

 妻を引き渡したあの日。貴族としての義務と言い聞かせるには自分が許せなかったジエンはただ、第三者からの「許さない」という呪いの言葉に救いを得ていたのだ。

 戻ることはないと分かり切った節理の中で、息子の怨嗟に満ちたその強い瞳に「間違った選択」を思い続ける救いを勝手に得ていただけなのだ。

 時は戻らない。そう、誰よりも理解していたつもりだったのに。


「あのね、お父様に会わせたい人がいるの」

 ドアノブを握り、シアナは最後の確認をするように振り向く。

 ここまで言われれば流石に扉の向こうに待つ人物が誰か、ジエンにももう分かっていた。

「あの子の答えを、受け入れてやって。……そして願わくば、あの子の幸せのために少しだけ手を貸して欲しいの」

 自分は国のためにたった一人を切り捨てた。

 けれど息子はたった一人のために国を叛いた。

「………いいのか? 俺は確かにもう内政に関わることない気楽なおっさんだが、一応あいつに仇なすお貴族様の筆頭だぜ?」

 自嘲気味に、けれど警告を込めて口の端を吊り上げるとシアナはきょとんとした表情でカーヒルと顔を見合わせ、扉を開いた。

「ええ、構わない。彼女はもう(・・)フクロウじゃないから」








中途半端なんで一回切ります。

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