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五才の時河原でシロツメクサで指輪作ってさ
「唯ちゃん、僕と結婚してくれる…?」
無邪気な笑顔で言ってくれた言葉が。
中学生生活、残り一ヶ月の私には。
まだ余韻に残ってしまう。
高校生になることを受け入れられたことにより、卒業シーズン到来というか。
私立高校を受けた私は、
公立の高校の受験を受けない。
なので、ちょっと勉強が疎かになる。
携帯小説を書きはじめて一ヶ月。
まだ使い方も分からないまま、
文章を打ち込む。
先生に文才あるよと言われて調子に乗り、
打っている現在。
小説のほとんどは恋愛もの。
怖いものや過激なものは苦手なヘタレ。
でもこの時間が好き。
だって君を思い浮かべて考えることが出来るから。
パソコンを前に、パソコン用眼鏡をかけ、
サイトを開く。
コメントも多くはなく、
妄想を発散する場所になっている。
そして夕方、隣の家から流れるギター。
一つ一つ、音を優しく紡ぐメロディ。
聞き惚れながらキーボードを打つ。
あなたはきっとニコニコしながら
ギターを弾いていることでしょう。
だけど、「うまいね、和弥くん。」なんて
絶対言わない。言えない。