表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/53

神さん

 そして、昼時の現在。〔偶然〕の邂逅。



「あ~ぁ。意外とすんなりイッちゃったねぇ?」



 病院の廊下で、ワンピース姿のネシンは緊張した面持ちで制服のスカートを揺らすチヒロにそう言った。

 だから、



「やっぱりアナタが全部?」



 チヒロは不満そうな彼女に問いかけた。

 すると、



「せいかぁ~い」



 ネシンが笑った。



「不和くんとセイギくんを揉めさせたのもぉ、サンマちゃんに催眠かけた私の仕業ぁ。青山くんがチッヒーとセイギくんに何か仕掛けるように今年から生徒の個人情報流したのも私だしぃ、モールで鉄骨落としたのも私ぃ~」

「・・・」

「あとはなんだっけ?去年チッヒーについた嘘は知ってるんだっけ?セイギくんに自信を取り戻して欲しいから、彼に〔才能〕をあげてって言ったチッヒーに、わかったぁ、って言ったんだよねぇ~?」

「その時には、セイギはもう条件をクリアしてた。条件の内容まで、後で勝手に白状した」

「あ、もう言ってたかぁ!なぁんだ~、もっと上手くやればよかったかなぁ?だって必死なチッヒーも可愛いしぃ」

「悪趣味ね、〔神さん〕は」

「それは言わない約束でしょぉ?でないとぉ・・・」



 チヒロにネシンが近づく。



「セイギくん、殺しちゃうぞぉ?またモールで会った時みたいにぃ、人質にしちゃうぞぉ?」



 ネシンは笑っていた。

 何の害意もなく、ただ楽しさから笑っていた。

 〔神〕を睨み、〔神〕に目をつけられたチヒロは、しかし一歩も引かなかった。

 そして、



「う~ん!その顔見れたから、セイギくんのお見舞いはもういいやぁ~!」



 ネシンはそう言って踵を返す。

 だからチヒロは聞いた。



「どうしてこんなことを?」



 ネシンはそれに振り返りもせず答えた。



「〔神〕だからぁ?」

「・・・」

「あぁ、でもでもぉ、セイギくんはいつか私を〔無視〕するかもねぇ?」

「どう、いう?」



 そこでネシンが振り返った。

 そして、



「だってそのほうが面白いじゃぁん!?もっと歪んでくれたほうがぁ」

「セイギが歪んでるっていうの?」

「だって、ねぇ?〔死前界(しぜんかい)〕には、直線って存在しないのよぉ?だったらセイギくんのあのまっすぐさってぇ、摂理を曲げたぁ、歪んだものでしょぉ?」



 チヒロは狂気の笑みを見た。

 だから、



「そんなことにはならないよ」

「ええぇ?そうかなぁ?」



 チヒロは応えた。



「セイギはどんな悪質なボケでも、面倒なボケでも・・・」

「・・・」

「絶対に、ツッコむから!」

「あ、そう。まあ、仲良くやってねぇ~?」



 興味を失ったネシンの姿が掻き消えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ