一千回のありがとう
さらに、
「くそおおおおおおおう!だが行くぞ!ラグジュアリィドゥリルアンカァー!」
不和がそう叫ぶと同時、彼の足元で凄まじい粉塵が上がる。足のドリルが回転し、不和の身体がどんどんと地中に潜り、下半身が完全に地面に埋没する。
何かを感じ、不和を振り払おうと青山が暴れだす。
そして、
「今だ!なんでもいいからぶちかませ!」
不和の叫びに、
『今しかない!』
正義はそう思い、言った。
「リクエスト!チャージ・シークエンス!」
正義が走り出した。
同時にロケットブースターから電子音声の声が漏れる。
「ボイスコマンドコンプリート。カウントダウンスタート。10、9、8」
全力疾走する正義は、昔から何一つ変わっていない。
「おい鉄くず野郎!?よく見ろ!?」
7、6、5、
弱くて、臆病で、ネガティブな正義のままだ。
「何を言って!?」
4、3、2、
だがそれでも彼は、人類史上初めて、〔第七の貸与条件〕をクリアした男。
「あれが良い奴だ!死ぬほどのな!」
1、
そして正義はその言葉を聞いた。
「行け!セイギ!」
〔運命〕を与えてくれた彼女の声を。
だから正義は言った。
ついさっき全てを語り終えた彼に、彼女が言ったのだ。
『〔中学生時代、心からのありがとうを千回受ける〕』
それが〔第七の貸与条件〕なのだと。
『失敗しても向き合おうとする正義は間違ってない。その〔才能〕はセイギの優しさの結晶』
だから、
彼女は笑った。
『私を変えてくれた〔ヒーロー〕の力よ』
だから、
「ありがとう!」
そう、
優しい正義がそこにある。
だから、
「〔点火〕!!!」
正義はそう叫び、青山の胸に右手を押し付けた。
同時、
ゴオオオオオオオオオオン!!!
〔通常噴射〕の数倍の出力を持つ〔蓄積噴射〕のエネルギー、爆炎と煙の翼が開放された。
「うおお!?」
堪えようとした青山の身体が後ずさり。
「のおおおおおおおおお!」
さらに一歩を踏み込み、正義が彼を押し込んだ。そしてついに耐え切れず、
「うおおおおおおおおお!?」
青山の鋼鉄の身体が凄まじい速度で吹き飛び、轟音と共に奥に聳えた体育倉庫へと突っ込んだ。




