〔不良部〕・部長予定!
静寂が満ち、
間が空き、
突然、
「ブハハハハハハ!嘘だろお前ええええ!」
背後で不和が爆笑した。
『だ、だって本当に知らなかったんだもんんんんんん!』
正義の言葉は無理もなく、最初に青山が現れたとき、彼は気絶していたのだ。
どうやらあの時有頂天だったチヒロは正義が青山の名前を知っていると勘違いしたらしく、常に〔彼〕と呼んでいた。青山のことを聞いたときも、チヒロが急に不機嫌になったおかげで正義は青山の名前を聞き忘れていた。そして少年はこの期に及んで律儀にその問いを口にしてしまったのだ。
だから、
『やべええええええええ!怒ってる!これ完全に怒ってるよおおおおお!』
能面のような無表情になった青山を見て激しく怯えた。そしてそんな彼をよそに、
「・・・私の名前が聞きたいのなら、私を倒した後で生徒手帳の2ページでも見るがいい!」
同時、青山の肌が隅々まで黒ずんでいき、硬質な光を夜空に晒した。
青山の〔才能〕、〔鋼鉄の素肌〕の顕現だった。
それを見た正義は、
「行きます!」
左手で右腕を腰ダメに固定し、青山に向かって〔駆動〕した。風圧で顔が歪むが、構わず渾身のタックルを繰り出す。ドシン!と2人の身体がぶつかり衝撃と激痛が正義を襲った。
しかし、
「え?」
ロケットブースターはまだ噴射している。だというのに、
青山の身体が微動だにしない。
想定していたとはいえ、あまりのことに正義は、
『やっぱりこれじゃあ』
そう思った瞬間、
「終わりか?」
青山の黒鉄の豪腕が振るわれ、正義の身体が木の葉のように吹き飛んだ。尻餅をついた正義が眩む頭に手をやって立ち上がり、
「不和くん!?」
「貴様!?」
青山の腰に不和が飛びついていた。
そして、
「まかせろ!」
「お前は!?」
「俺か!?俺はなあ!」
不和が叫んだ。
「俺はお前みたいな〔腐ったヤツ〕をぶっ潰す男!」
大きな声で、
「〔不良部〕・部長予定!アンラッキーフェイス様だあああああ!」
「不和君それ直訳で不運な顔面だよおおおおおおおおお!?」
「何ぃいいいいいいいいいいいいいいいい!?」
自分の顔面に残念な評価を下した。




