表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/53

わかってない

「ホ、ホントに俺・・・ごめんなさい!」



 不和が稼いでくれた時間で校舎裏にまで回りこみ、座らせたチヒロを介抱していた正義に円藤はそう言った。



「お、俺、脅されて!あの風紀委員に!だから、不和さんと縁之下くんを利用して、虹村さんを潰せって・・・」



 言葉は尻すぼみになり、しかしそれは正義の予想が当たっていたことを明らかにした。

 だから正義は言った。



「僕は君を許せない」

「は、はい」



 正直に、自分の気持ちを。



「だけど今は逃げて」



 どこまでも優しい言葉を。



「でも・・・」

「いいから、行って!」



 押し殺した大声で円藤が怯む。後ずさりし、闇に消える。

 そして2人は向き合った。

 互いになんと言っていいのかわからず、少しの沈黙が空気を支配する。

 そして、



「僕は、戻る」



 正義が立ち上がり、不和の下へ戻ろうとする。

 だから、



「駄目だよ」



 チヒロが言った。



「行っちゃ、駄目だよ。セイギは関わらなくていいの・・・」

「・・・どう、して?」



 背中を向けた正義が疑問を返す。堰が壊れたようにチヒロの想いが溢れ出る。



「わかってるでしょ!?私が間違ってたって!〔結果〕が大事なんだって、いつも偉そうにセイギを叱って、追い詰めて、〔否定〕して!1年ぶりに会ったら、いきなり手のひら返したような態度とって!こんな〔結果〕を招いて!私、私は・・・」



 口からは怒声、瞳からは涙が出ていた。



「セイギにとって・・・害なんだよ」



 正義に言ってきたこと、正義が信じてきただろうこと、それら全てを〔否定〕する言葉。

 〔否定〕してきたことを〔否定〕する言葉。

 そして少しの時間が過ぎて、



「もう、私に巻き込まれないでいいの」



 チヒロが苦渋の言葉を吐いた。

 そして、正義は応えた。



「わかってないよ、チヒロ姉は」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ