34/53
ズドーン!!!
『間に合って!』
チヒロは必死に走りながら自らの持つ〔才能〕の間合いを測った。
女の子との距離はまだ50メートル近くある。少なくともあと20メートルは距離を詰めなければチヒロの力は届かない。
『あと少し!』
あと20歩、あと15歩、あと10歩。
そして、
バチン!
あと5歩というところで鉄骨を止めていたワイヤーが切れた。鉄の槍が女の子へ向かってバラバラに降り注ぎ、
『あんなにバラバラじゃあ・・・!』
チヒロがギシリと歯噛みし、それでも少しの希望に賭けようとした。
瞬間、
ズドーン!!!
「・・・え?」
疾走するチヒロをすら置き去りにして、右肘から千切れた包帯と爆炎の尾を引く少年が駆け抜けた。




