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我慢してね?
縁之下正義の幼馴染、虹村チヒロはおもむろに赤と黒のチェック柄のスカートを少年の側で脱いだ。
ストンという音がして、背後の正義がビクリと身じろぎした気配。その反応が可愛いいらしく、チヒロが四方を壁に囲まれた狭い空間の中、悪戯っぽい笑みを滲ませた声で言う。
「なんか、恥ずかしいね?」
「う、うん」
緊張した正義の声が返り、チヒロは益々少年をからかいたくなった。だから出来るだけ背を向けた正義を刺激するように衣擦れの音を立てて上着を脱いだ。チヒロの正面に位置する姿見が、下着姿になったチヒロを映し出す。
水滴が玉になって転がりそうな艶のある白い肌。
太すぎず細すぎない脚線がつながるくびれた腰。
数日前の朝、男子高校生達を釘付けにした白玉のごとき胸が谷間を作る。
そして、
「私がいいって言うまで、我慢してね?」
チヒロは少し恥ずかしそうに頬を染めてから、自らを覆う最後の布地を取り払った。
だから正義はついに内心で叫んだ。
『この状況に耐えられるわけあるかあああああ!』
ランジェリーショップの試着室、その閉じられたカーテンの前で周囲の女性客から痛い視線を浴びながら。




