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バックトゥーザフューチャー

「あ?」

「え?」



 それぞれに反応して円藤と正義が見上げた先には。



「どけって言ってんだよ」



 金の三つ編み、フェアリーテイルを肩にかけた色黒の巨漢、ドリルの〔才能保持者〕不和が立っていた。

 だから、



『校内にモンスターが!?ここは日本だぞおおおお!?』



 一瞬で錯乱状態となった正義は内心で泡を食いながら叫び、目と口を大きく開いてガクガクと震えた。

ついで円藤が肉声で言った。



「不和、さん?」



 そして不和がどんな人間か詳しく知っているらしい彼の反応は早かった。

 不和が「お前誰だよ?」と言っている間に。



「なんかすんませんんんんん!」



 彼は消えるような光速でその場を去った。冷静になってこの状況を理解した正義は、



『二人っきりにしないでくれえええええ!』



 とさっきまで恐ろしかった相手が立ち去ったことに悲鳴を上げた。さらに恐ろしいことに、



「お前、昨日の」



 不和がジッと正義を見てそう言った。



『覚えてらっしゃいましたあああああ!というかなぜここにいいいい!?』

「あ、その・・・昨日は、すみませ・・・」



 正義は内心でそう叫び、裏返った声音で謝罪、汗をダラダラ流した。

 するとこんな時に限って冷静な思考が働き、正義はゆっくりと黒板に視線を向けた。縁之下正義の名前の隣、そこにあった名前を確認する。サーッと正義の頭から血の気が引く音。

 そして、



「よろしくな?ああ、英語で言うなら、バックトゥーザフューチャーか?」



 含みを持った凶悪な笑みを浮かべた巨漢が肩にかかったフェアリーテイルをかきあげて、



『誰か僕を昨日の朝まで連れてってくれナイスチューミーチュウウウウウウ!?』



 間違った英語を反射的に訂正した正義の右隣の席に腰を下ろした。


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