7.話は進む。
朝日が綺麗だ。。。
頭が痛い。
まるで二日酔いのようだ。
目の前には酒場の親父さん。
酒場の隅でモップ掛けをしている俺。
そう、昨日は随分飲ませて貰ってらしい。
らしいというのは俺自体が覚えていないからだ。
そんでもって、支払うお金が無かったので気がついたらモップとバケツ片手に酒場の掃除をしている。
部屋ではリーネ様ご一行がまだ熟睡中。
「お金は連れが払う!」
と親父を説得するがツケはきかないらしい。
うぇ。吐きそう。
数人の男女が酒場に入ってきた。
よく見ると小さい子供が先頭でグチャグチャ言ってる。
糞餓鬼のグループのようだ。
あいつら、いつ寝てるんだ?
餓鬼のキンキン声は頭に響くので関わらない様に隅っこに移動。
しかし、餓鬼に見つかる。
「あー!!昨日の冴えないおっさん!発見!!」
あー!昨日の糞餓鬼だ!発見された!!
「ねね!なにやってるの?!もしかしてお手伝い?そうだよねーオジサンみたいな役立たずは掃除しか出来ないもんね!」
「ちょ!お前直球すぎ(笑) たしかに昨日は何もできなくて足ガタガタ震えてただが(笑)」
ドキュンが指差しながら笑い転げる。
あああー何なんだよ!もぉ・・・。
「オジサン、何しにここにいるのかな?!あ、ウェイターか!じゃあ水持ってきてよ!ほら、早く!僕、お客だよ?」
「お前、いじめ過ぎ(笑)」
どうやら、ドキュンのツボに入ってるようだ。
「・・・あら?朝から豚がヒンヒン言ってると思えば、貴方達じゃないの?なにか面白い事でもあったのかしら?」
リーネがネグリジェ姿で2階から1階に降りてくる。
ちょ・・・お前、いつそんな高そうな物、買った!?
リーネの姿を見た糞餓鬼は豚らしくヒンヒンいいながら、お菓子をリーネに献上している。
お菓子を糞餓鬼から受け取ると、そのままこちらに来て、一言。
「・・・豚、あなた、とてもお酒臭いわ。すぐにでも水浴びしてきなさい。」
チラ、と親父の顔を見る。
すぐいって来い!の合図を確認。
すぐさま、建物裏の井戸に向って走った。
井戸から水を汲むとそのまま、頭から水を被る。
バチャ、と音と共にすこしは酔いが醒めた気がした。
「おはようさん。」
後ろから声を掛けられた。
声の主を確認すると、いかにも強そうな男の人が椅子に座っていた。
「昨日は、色々面白い話ありがとな!」
「はぁ・・・」
まったく覚えていない。
誰だこの人。
「ところで、儲け話が一つある。乗ってみないか?」
男が立ち上がりこちらに近づいてくる。
背高っ!
3メートルくらいあるんじゃね?
「なぁに、警戒しなくても平気だよ。話だけでも聞いてくれ。」
こっちまで来て、男は井戸に腰を掛けた。
「半年後に大きな祭りがこの街である。その中でも、奴隷市が最大のイベントでな。お前には奴隷商人として出て欲しいんだわ。」
ん?
「肩書きと資金は俺の所が出すから問題なし。儲けた金と投資資金はお前の好きにしてもらって構わない。」
急に、なに言ってんだこいつ?
「な!こんないい話中々無いぜ?どうよ?」
どうよ?と申されまして・・・旨い話には裏がある。
「怪しすぎる。お前が出れば事足りるんじゃないか?」
一言、怪しい。
「まぁー急にこんな話させられても困ると思うんだけどね。俺にも事情があるんだわ。」
「事情・・・ね。」
ろくな事情じゃないだろ。
へんな事に巻き込まれる前に退散するのが、吉だな。
「じゃ、俺、掃除の続きしなくちゃだわ。」
ひらひらと手を振り、その場を後にしようとした。
酒場の勝手口には黒を身に纏った忍者が一人、道を塞いでいた。
・・・なに?忍者?笑うトコ?
意味が分からない。
「お前にしか頼めないんだわ。頼むよ。事情は追々話すから。」
屈強な忍者が腕を組んで、こちらをにらみ続けている。
逃げ場ないのね・・・。
そう。
受けるしかないのね。
諦めて、彼の儲け話にのる事にした。
もうやだぁ。元の世界に帰りたい。。。
承諾した後に酒場に戻ると、ホクホクが顔の親父が出迎えてくれた。
何でも支払いは既に、忍者が済ませてくれたようだ。
リーネが朝からお肉をほおばっている。
こちらに気がつくと、すっごい鋭い目つきで睨まれた。
え?俺何かした?
心当たりはない。
「待たせたな。」
黒い髪の美女が俺に話しかけてきた。
ど、どちら様で?
「さっきあっただろ?主人にお前を案内するよう言われている。早く行くぞ。」
覚えが無い。けど、美人なのでついていく事にした。
酒場から出る直前、殺気を感じたが気のせいだろう。
今日は黒髪の美女と一緒にデートへ出かける事にした。
外には、馬車が待っていた。
馬車に揺られる事、10分少々。
町外れの大きな屋敷の前に着いた。
少し、古ぼけている。お化け屋敷みたいな雰囲気だ。
黒髪美女が「こい」といったので、おっかなびっくりついて行く。
門を鍵で開け、中庭に入る。
手入れがされているようで意外と綺麗だった。
屋敷の玄関扉前についた。
「今日から、ここがお前の商館だ。中に、必要な物は全てある。大事に使え。」
鍵を渡されて、黒髪美女は馬車に戻ろうとした。
「ちょちょちょちょ!なになに?どんな展開だよコレ?説明希望!」
「説明も何も、主人の命で、今日から貴様は奴隷商人になったのであろう?場所と資金は用意した。後は自分で考えて動け。私は期待していないが、主人は期待している。結果を出せ。以上だ。」
「意味分かりません!!!ナビゲーター希望!」
「・・・わかった。私も暇ではない。一人、置いていく。好きに使うがいい。」
「わ!ありがとうーって、ちゃうわー!!!」
俺のつこっみを無視するように黒髪美女はその場を後にした。
残されたのは俺一人。
ひとまず、屋敷でも確認するか。
はぁ。。。気が重い。
受け取った鍵で屋敷の扉の鍵を開ける。
ギィギィギイと重たい音を鳴らしながら、扉を開けた。
「初めまして、主様。私は貴方様に仕えるよう指示を受けたものになります。未熟者ですが、これから宜しくお願い致します。」
・・・この邪悪に乱れきった世界に、女神が舞い降りた。
この世界はまだ、俺を見捨てていない!!!!
屋敷の中には、ピッチピチのメイド服を着た、金髪碧眼のナイスバディーの少女と大量の金貨の山が俺を待っていた。
特に少女は凄い。今まで見てきた誰よりも輝いて見える。
その上、俺の事をきちんと、ご主人様としてみている!この上ない!!!
この世界に来て!よかった!!!!!
一人、歓喜満ちている俺。
「主様?どうかなされましたか?」
「お、おぅ。何にもない!何もなされてませんよお?」
「どうか。ご指示をお願い致します。何か分からない事があれば、お答えいたしますが・・・」
マジかわいい、一先ず、分かり合う為にも、お風呂いこうか。
鼻の下を伸ばしながら、美少女に、にじりよる姿は誰が見ても変態だろ。
だが、今、この場には俺と美少女のみ!
周りの目なんて気にしてたらプレー出来ないもんね!!!
欲望という名のリミッターが一つ、又一つと切れていく。
「?」
純粋無垢なその顔が、快楽に歪む様をみてみたいッ!
もう止められる者は誰もいないし、何も無かった。
ルパン三世顔負けの服脱ぎテクニックで美少女へダイブする。
顔を、胸を服の上から触りもみあげていく。
少女の顔が快楽に歪む
下部に手を持っていきききききき・・・・あれ?
にぎにぎ
凄く、馴染み深い物が美少女の股間に・・・付いている。
ア・・れ・・・?
「あ、主様・・・?」
女神だと思った彼女が・・・・。
もう何も信じられなくなってしまいました。
二日酔いがぶり返してきたようだ。目の前がぐにゃぐにゃになり。
意識がそこで途切れてしまいました。
も、もう・・・かえりたい。