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ある脇役の英雄譚  作者: 小元 数乃
王都動乱編
35/46

8話

「そこから先のことは、よく覚えていません……。ずっと松明のゆれる明かりを頼りに、薄暗い地下を過ごしていたくらいしか……」


「そうか」


 そんな話をしてくれたリリナの顔色はとてつもなく悪く、体は震えていた。暗い地下での生活を思い出し、その恐怖に震えているのだろう。後ろでは、そんな彼女に気付かれないようミランダが口の動きで、診断結果の報告をしてくれる。


『さすがに人質ですから、食事は定期的にとらされていたのか、体の衰弱自体は大したことありません。ただ、まだこの年齢の少女が、たった一人で地下の牢獄に閉じ込められるのは酷だったようで、精神面でやや異常が見受けられます。さっきの記憶の混濁については、恐らくそれが原因かと』


 そんな診断結果をきちんと認識したヴァイルは、ギリッとホゾをかみながら目を閉じ、今は城壁の向こうにいるであろうこの少女の兄に向かって罵倒を浴びせる。


――事情があったのはわかったし、お前が全面的に悪くないのは理解したが。


「妹をこんな目に合わせたのは、テメェの不手際だ」


――甘んじて、こいつの怒声を浴びる覚悟はできているだろうな。と、ヴァイルは静かな怒りを燃やした。


 そして、ヴァイルは目を開き、


「よくわかった」


「っ!?」


「よく頑張ったな。えらいぞ、リリナ」


 カタカタと震える彼女の頭に、ポンとやさしく自分の手を乗せた。それはよく、お転婆すぎて両親や兄に怒られた彼女が泣いていた時、ヴァイルがしてやった慰めの仕草。


 それだけで、まるで手品か何かのようにリリナの震えは収まり、


「あ……ヴァイル兄様」


 昔のように縋る瞳でヴァイルを見つめ、


「ゲイル兄様……悪くないの。悪いのは全部あの四天王なの……だから」


 たすけて。と、か細い声で、震える声で、彼女は自分の願いを幼馴染の頼れる兄に託してきた。


 そんな彼女の声に、ヴァイルは自分の行いが恥ずかしすぎて、顔向けできないと逃げてきた故郷の村の人々と、初めて向き合う覚悟をする。


――俺はもう、親父やお袋……村のみんなに顔向けなんてできないどうしようもない罪人だけど、


「妹分の願いをきけないほど、終わっているつもりはない」


「っ……」


「リリナ」


 ヴァイルは小さく、昔の何も知らない無垢だったころの子供のように、リリナに笑いかけた。


「お兄ちゃんに任せろ。本物の兄貴より頼りになるぞ?」


「――っ!!」


 その言葉を聞いたリリナは、瞬く間に涙腺を決壊させ、


「うん……うん!! ヴァイル兄様……ありがとう!!」


 昔のように、礼を言ってくれた。




…†…†…………†…†…




「なるほど……。つまり貴様はシスコンだったと」


「あ、あれぇ? た、隊長……なんかすごい不機嫌そうじゃありません」


 ケッ……。と、ようやく作戦本部のテントにやってきたヴァイルの報告を、この作戦の指揮、総監督をとっているサーシャは、不機嫌そうに聞いていた。


 その傍らでは、


「あ~あ。旦那なにしてるんですか」


「大将がなかなか帰ってこないうえに、医療班のテントに入っていったって目撃情報だけ入ったから『もしかして城壁の向こうで悪質な虫に刺されて毒を!?』って、滅茶苦茶心配していたんっすから、サーシャ隊長」


――そうなのかっ!? と、普段の態度から自分の心配なんて微塵もしてくれそうもないサーシャの珍しい態度に、ヴァイルが小さく目を見開いた瞬間!!


 勢いよく振り回された長いサーシャの足が、机を飛び越えアルフォンスを強襲。情け容赦なくその顔面を打ち抜き、アルフォンスの体を錐もみ状に回転させながら吹き飛ばす。


「ありがとうござますっ!!」


 吹き飛びながらお礼を言うアルフォンスの姿はとても気持ち悪かったが、これ以上ふざけると顔を真っ赤にしたサーシャの蹴りがこちらにも飛んできそうだったので、ヴァイルはその発言を自粛した。


「あ、あの……城壁警備隊っていつもこんな感じなんですか?」


「なかなかアットホームだろう?」


「『物はいいよう』って言葉知ってます? アリサみたいな人たち」


 その勇者の発言に、ヴァイルたちは一斉に苦虫をかみつぶしたような顔をし、よく自分たちの部隊に遊びに来ていた勇者の友人にして、現《騒乱の魔女》の顔を思い出した。


――やめてくれ。あいつと一緒にされるなんてとてつもなく不愉快だ。と、内心でヴァイルが吐き捨てていると、脳内に浮かんだ彼女の顔が『ちょっとそれどういう意味よ!?』と食って掛かってきたので、ヴァイルは慌ててその顔を頭の中からかき消した。


 そんな過程を踏んだのはほかの城壁警備隊でも同じだったのか、受け身も(わざと)とらずに床にたたきつけられ、ビクンビクンと震えながら「あぁ、もっと罵ってアリサちゃん」と不穏な声を上げるアルフォンス以外は、すぐさま表情を引き締め貴族街と王城奪還作戦の話を始める。


 この場にいるメンバーは、ヴァイルを入れてたったの五人。


 少数精鋭と言えなくもないが、正直な話、戦争で役立てそうな上層部はこの程度しか残らなかった。


 まずこの作戦の指揮を執るのは城壁警備隊総隊長――サーシャ・トルニコフ。今回は王と奪還の旗印となるために、王族の名前を名乗るので、彼女の名前はサーシャ・テンペスタ・リ・スカイズとなるわけだが、誰もそんな名前は覚えないうえ、本人ですら母親の遺言書を発掘してようやく思い出せたくらい誰にも覚えられていない名前だったので、いっそのこと国名をトルニコフに変えてしまうかという冗談交じりの本気の話がされていたというのは城壁警備隊だけの秘密だ。


 続いてあげられるのは、この会議の書記のようなことを自ら進んでやっている東門警備隊体長。《萌える》ロベルト・マッケンディー。どこからどう見ても少女にしか見えない桃色の短い髪をした幼女なのだが、実際は30越えたおっさんである。


 続いて上がるのは、床に倒れ伏して危険な痙攣を繰り返すドM(ヘンタイ)――アルフォンス・クラーシタニア。本当ならばこの国随一の大貴族である《アスラロード公爵家》の長男として名前を名乗らないといけないのだが、自他ともに認める絶縁状態だそうなので、今回は適当にでっち上げた苗字のまま参戦だ。


 続いて、地下道の中で死線を潜り抜け何とか命をつないだ黒髪の少女――勇者・結城未来。いちおう勇者としてこの会議に席を並べてもらっているが、彼女はまだまだ実力不足ということがこの一件でわかったので、実動してもらうことは決してないだろうというのが城壁警備隊全員の見解だった。


 そして、


「……あぁ、相変わらずのようだなこいつ」


 と、バツが悪そうに倒れ伏したアルフォンスを見て頭をかくのは、なにやら倒れ伏しているヘンタイと因縁があると思われる、フルーレ・ヴィ・ルファーロ・ニルオレイ。


 勇者を守るため死んでいった仲間の騎士たちから、いま貴族街を占拠している魔族の情報を得たということで話を聞いていたのだが、


「大体リリナ嬢が話してくれた情報だな。役立たずめ」


「くっ!?」


 まぁ、貴族の情報など期待していなかったが……。と、まったく取り繕う気のない悪態をつくサーシャに、フルーレは思わず歯噛みし、目を伏せる。


 それはそうだろう。つい数時間前まで、蔑むものと蔑まれるものの立場が逆だった相手に、こんな口のきき方をされれば誰だって腹を立てる。


 だがフルーレは、


「……………」


 それ以上の反応を見せず、ただ黙ってサーシャの悪態を聞いていた。


――へぇ、割と状況は読めているんだ。と、ヴァイルはそんな彼の姿に感心したようにと息を漏らす。


 騎士団を失った今、魔族に抵抗するための必要な兵力は城壁警備隊が出すしかない。


 ここで交戦の機会を失えば、本当の意味でスカイズ王国王都は落ちる。そうなれば、王都から攻めてくる四天王の進軍と、魔族領から攻めてくる魔族たちの侵攻。同時に二方向からの攻撃に、四方騎士団は晒されることとなる。そんなことになれば、四方騎士団が敗北するのに一か月もかからない。いくら以前の侵攻は鎧袖一触といった様子で払いのけたとはいえ、流石に四天王自らが率いる大軍を二方向同時に相手ができるほど四方騎士団も余裕があるわけではないはずだ。


 そうなれば、この国は本当の意味で終わる。


 再起などありえない。


 もしもまだ、この国を残しながら得たいなら今戦力を集め、四天王を撃つしか選択肢がないのだ。


――そのためなら、今まで蔑んできた平民たちにどれほど罵られようとも、泥をすすろうとも、長年守り続けた貴族の誇りを捨てようとも、俺達にすがる覚悟を決めたんだろう。


 ヴァイルはそんな覚悟を秘めたフルーレの横顔を見て、少しはましな貴族なんだな……。と、小さく笑みを浮かべながらサーシャの方を向き視線を交わした。


――もう、この騎士を虐めるのはこのくらいにしておきましょう? と。


 そんなヴァイルの視線に、サーシャはやや不満げな顔をしつつも小さく頷く。


「……ふん。では、無駄話はここまでにして、作戦を決めようか?」


 サーシャがそう言った途端、場の空気が一気に変貌した。


 気持ち悪い笑みを浮かべてハァハァ言っていたアルフォンスは、ダルそうな表情の裏に苛烈な闘志を燃え上がらせ、ロベルトは各部隊から上がってきた報告をまとめながら氷のような冷徹な表情で、サーシャを見る。


 そんな二人の変貌に驚いたような声を上げたのは、依然訪れたときは緩い雰囲気の城壁警備隊しか見ていなかった勇者・結城未来だった。


「っ……すごい」


 これが、本職の軍人さんなんですね。と、二人の変貌しきった気配を感じ取ったのか、その二人が放つ強烈な闘志によって腕に立った鳥肌をさすりながら、未来はそんなことをつぶやく。だが、その顔にはわずかながらに不安が現れているのも事実だった。


相手は魔王軍の中でもかなりの実力を持つであろう魔性だ。事実この国の中枢である王宮は一夜にして落とされ、その周囲の防備も完璧。町中を埋め尽くす、虫たちが作り出した人を食い殺すさざ波が、無防備に攻めてくる愚かな人間たちを食らい尽くそうと待ち構えている。


 こんな相手に勝てるのだろうか? 勇者の瞳に確かにそんな疑問がよぎったのを、ヴァイルは読み取っていた。


 だが、だからこそ、度肝を抜く提案をサーシャがすることを、ヴァイルは長年の経験からあっさりと予想していたりするのだが。


「小細工などいらない。町ごと叩き潰すぞ」


――やっぱりな……。と、吐き捨てるようにサーシャが告げた、作戦どころか戦術にすらなっていないただの単純な命令に、フルーレと未来は目を見開き、


「りょうか~い」

「承知しました」


 それとは対照的に落ち着いた様子で、アルフォンスとロベルトはさも当然と言わんばかりの笑みで、その命令を受け入れ、実行可能だと返事を返した。




…†…†…………†…†…




 深夜。明日の計画に向けて仮設テントで睡眠をとっていたヴァイルは、自分のテントを横切る人の気配を感じて、思わず目を覚ました。


「ん~? だれだ?」


 と言った後に、


――非常事態だからって、気配に敏感になりすぎだろ俺。と、どうやら自分が思っている以上に、自分は緊張しているのだとその反応から悟ったヴァイルは、舌打ちを漏らしながらも、緊張をほぐすために何か飲み物でも貰ってこようとテントから顔をだし、


「ありゃ?」


「あ……」


 魔力で作られた光の日本刀を片手に、素振りを始めようとしていた勇者――未来の姿を確認し、少しだけ目を見開いた。


「こんな時間に訓練っすか?」


 というか、四天王にもうすでに攻め込まれているのに、いまさら訓練ですか? と、ヴァイルは言いかけたがさすがにその言いぐさはひどいと自覚しているので、とりあえず自重しておく。


 だが、彼女の故郷である日本人の特性からか《言葉の裏を読む》というスキルに長けた未来は、ヴァイルがあえて伏せた言葉を敏感に感じ取ったのか、小さく苦笑をうかべながら光の剣を霧散させた。


「すいません。無駄なことしちゃって……起こしてしまいましたね」


「あぁ、いや。こっちこそなんかスイマセン」


 とてつもなく申し訳なさそうな顔をする未来に、自分の方が悪いことをしている気になってしまい、思わず頭を下げるヴァイル。だが、


「無駄なことじゃないと思いますけど……。勇者様はこれから(・・・・)結構強力な魔族たちと戦っていくことになるわけですし、鍛錬時間を一分一秒でも伸ばすのは何も間違ったことじゃ……」


「でも、明日の王都攻略には参戦させてもらえないんですよね?」


「……」


 その沈黙が勇者の質問に対する答えだった。


 そう。彼女は明日行われる王都攻略作戦には、フルーレと共に外されてしまっていた。


 フルーレは最後まで抵抗をし、勇者様はともかく自分は参戦させてくれ。仲間の仇をとらせてくれと食い下がっていたが、


『仇? 笑わせるな。四天王どころか配下の虫一匹倒せぬような輩がいまさら何をいっている? お前たちが明日の作戦に参加したところで、ただの自殺旅行になるのは目に見えている。わざわざこんなところで無駄な死人を出していられるほど、私たちの国には余裕がない。たとえ貴様のような、役立たずであってもな』


 という、サーシャの強烈すぎる罵声交じりの戒めの言葉により、彼らの参戦は禁止された。


 そして、発した言葉の痛烈さはともかく、サーシャの発言は間違ってはいないのだ。


 まだまだ弱い勇者と、四天王が生み出したと思われる配下の昆虫にすら一蹴された弱小騎士団の生き残り。そんな二人が多少勇気を出して参戦したところで、大した戦力にならないどころか、自分たちの知らないところで、あるいは目の前で、虫に食われて死んでいく未来しか作れないだろう。


 だからこそ、彼らを作戦から外すのはむしろ指揮官としては正しすぎる選択。勇者もフルーレもそのことは理解していたのか、体を震わせながら黙り込みサーシャの罵声に反論することはなかった。


 だが、理性で納得したとしても、やはり心の奥底では納得できなかったらしい。だからこそ彼女は、こうして何もできないと理解していながら、剣をふるいにやってきた。


「……安心してください、勇者様。王宮や貴族街は俺たちがきっと取り返します」


 きっとそういう言葉を求めているのではないと、きっとそういう気休めを言ってほしいわけではないと、ヴァイルはそのことを理解していても、彼女にそう告げることしかできなかった。


 そんな不器用なヴァイルの言葉に、未来は小さく笑みを浮かべ、


「ヴァイルさん……私、どうしてこんなに弱いんですか?」


「……」


「もっと早くにあなたに魔法を習っていればよかったんですか? もっと早くに、城壁警備隊の皆さんに頼っていればよかったんですか? アリサみたいに、王宮の人たちに頼らず、もっと別の人にすがるべきだったんですか?」


 そうすれば私は、デュークさんやジルドレールさんの仇も取れずに、こんなところで戦いを、誰かに任せて泣き寝入りするなんてマネをしなくて済んだんですか? 


 そう言った勇者の表情は誰がどう見ても、完璧な笑顔だった。だがしかし、そこに込められた感情の痛ましさを、ヴァイルは感じ取っていた。


 たとえどれほどの屑だったとしても、たとえ自分を利用しようとしていたとしても、彼女が今日まで世話になり、恩を受けてきていたのは間違いなく貴族たちだった。


 その中でも剣術を教えてくれていた二人の騎士は、彼女にとってはもうかけがえのない友人となっていたのだろう。


 その友人たちが、むざむざと目の前で殺され散って行った。そんな彼らの最後を見て、清廉潔白とうたわれる勇者であっても、何も感じないなどということは断じてない。


 できれば自分の手で戦いたかったのだろう。


 できれば、四天王に一矢報いたかったのだろう。


 その成果を亡くなった人たちに持っていき、墓前に捧げたかったのだろう。


 だが、それはかなわない。四天王に一矢報いるどころか、それが作り出した配下すら打倒できないという事実が、彼女の願いを打ち捨てる。


 自分は……弱い。


 自分を助けてくれた人たちのために、自分が生き続ける覚悟はもう決めた未来だったが、それでも勇者なのに何もできないという事実に、自責の念が消えるわけでもなく、ただ彼女は悲しげに笑うことしかできない。


 そんな未来の姿を見て、ヴァイルは困ったようにガリガリと頭をかき、


「あぁ、もう!」


 苛立たしげに、小さく声を漏らした。


――女って卑怯だ。ほんと卑怯だ。いまなら隊の男連中がそう愚痴る理由がわかる。そんな弱りきった顔をされたら、助けないわけにはいかないじゃないか。


 結局のところ、ヴァイルはお人よしだったのだろう。トラブルメーカーとわかっていてもアリサを切り捨てられなかったように。自分を殺しに来たであろう四天王の殺害を、最後まで決意できなかったように。


 決してこれが正しい行為ではないと分かっていても、


 今まで平和に暮らしていた少女を、たとえ本人が望んだとしても、戦場に連れて行くような真似は、兵士として落第だと理解してはいても、


――女ってのは、いつでも綺麗な笑顔でいるべきだ。今の勇者みたいな顔は、するべきじゃないんだ。


 サーシャに自信にあふれた笑みを思い出し、アリサの底抜けな明るい笑顔を思い出し、幼いころのリリナの純粋な笑顔を思い出したヴァイルは、内心でそう悪態をつきながら、


「勇者……俺のポリシーに反するが、いまからお前を強くしてやる」


「え?」


 ほんのちょっとしたきっかけで泣き出しそうな笑顔を浮かべていた未来に、さも嫌々と言わんばかりの雰囲気を出しながら、切り出す。


「これは天使の国の魔術の、初歩の初歩にあたる技術だ。だが、これを覚えることができれば、恐らくお前は四天王に一矢報いることができる。だから……この技術を、今晩中に戦闘で使えるくらいの領域まで高めて見せろ」


「……それは」


 つまり! と、目を見開き唖然としながらつぶやきを漏らす未来に、ヴァイルはため息をつきながら、


「そうすれば、お前に戦術的価値ありって……作戦に参加させてくれないかって、俺がサーシャ隊長に掛け合ってやる」


「っ!! あ、ありがとうございます!!」


 そして、今度こそ涙を流して頭を下げてくる未来の姿に、内心でどこかで旅をしているであろうアリサに『ワリィ、お前の友達結局こっちの事情に巻き込むことになりそうだわ……』と、謝罪を告げながら、


「礼はいい。今晩中にものにできないのなら、この話はなかったことになるし……俺は十中八九できないと思っている。初歩の初歩とはいっても、今まで何の予備知識も持たなかったやつが一夜でできる代物じゃないしな。あくまでこれを教えるのは、いつまでもしみったれた顔をされるのが嫌だったからだ」


――もしこれで失敗しても、あんたは仇をとるための努力怠らなかった。そういう事実があるだけでも、勇者の心は少しではあるが軽くなるはずだ。


 内心で必死に言い訳しながらも、ヴァイルは何となく悟っていた。


「大丈夫……。そんな心配はしなくていいです!」


 この少女はどうしようもなく、


「私は、この世界を救うために呼ばれた……」


――勇者なんだ。


 もうそろそろストックが危険域……。執筆速度を速めないといけないのにPSO2はじめちゃった!!


 どどど、どうしよう!?


P.S:あ、感想募集してます

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