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密会


静かな廊下に、私と、案内役の足音が響く。


数歩先に視線を落とし、窓から差し込む西日が織り成す、光と影の縞を見つめた。


「どうぞ」


案内役が足を止め、恭しく扉を開く。


私はひとつ頷くと、静かに部屋に入室した。


中には初老の男が一人、静かにお茶を飲んでいる。


厳しい真面目な顔に、鋭い眼光。


「お久しぶりです」


「…息災か」


「はい」


男は私の顔を見つめ、目を細めた。


「それで、何用かな」


「はい。魔法薬第一研究室室長のエヴァン・アシュフォード様より、とある論文の保護結界解除の申請と飛竜の貸出希望が出されましたら、是非許可を頂きたいのです」


「ふむ。アシュフォード公爵家の者か。論文の件はともかく、飛竜の使用許可は彼の申請ならば大抵は許可されると思うが?」


「どちらも、あまり重要視される要素がありませんので…」


「なるほどな…これにはお主も関わっているのだな?」


「はい」


「…例の薬の、ことなのだな」


「…はい」


「わかった。手を回しておく」


私は緊張して強ばっていた肩から力を抜いた。


「ありがとうございます」


深々と、頭を下げる。


男は微笑み、立ち上がって私の肩をポンと叩いてからゆっくりと部屋を出ていった。


振り返り、その広い背中を見送る。


案内役に促され、私も別の扉から部屋を出た。


静かに、来た道を戻る。


私はしっかりと顔を上げ、足を踏み出した。


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