軽食
ジェイルに案内された宿泊先のホテルは、超一流の高級ホテルだった。
若干気圧されながら、私は宛てがわれた部屋へ向かう。
フロントに預けた荷物が既に運び込まれていた。
中に入り、私はそうそうに風呂に入ることにした。
カンジャスは乾燥していて、海からの風で砂埃が舞うことが多い。
明日は頭に、何か布でも巻いておいた方がいいだろう。
そんなことを思いながら、旅の汚れと砂埃を洗い流した。
カンジャスに到着したのは昼頃。
模擬戦だなんだとやっていたので、時刻は既に十五時を回っている。
お昼を食べ逃したので、お腹が小さく音を立てた。
魔導具で髪を乾かしていると、小さく扉がノックされた。
身なりを整えてから出てみると、ラフな服装に着替えたジェイルとオリバーが立っていた。
「休んでいるところすまない。軽食を食べないか?それと、明日の相談をしようと思ったんだが」
「わかりました私の部屋でやりますか?」
「そうしてもいいだろうか」
「はい、大丈夫です」
部屋には応接セットがあり、二人はそこに持っていたトレイを置いた。
私はお茶の準備をする。
白いホイップの乗ったシフォンケーキに、苺が添えられている。
「お待たせしました」
紅茶をテーブルに置き、私はエヴァンとオリバーの正面のソファに腰を下ろした。
「ヘンドリクス卿とも話をしたんだが、明日、遺跡まで行ってみようと思う。魔物は騎士団が掃討し、今は新しく湧いた小型のものが少しばかりいるらしいが、問題はないだろう」
「はい、わかりました」
「いま、ヘンドリクス卿が遺跡まで戻ってナルサス老師に話をしてくれている。すまないが、クロードの論文の事をざっくりと二人にも話させてもらった」
「ジェイル先輩は私の目的の事を知っています。…オリバー卿にも、最初から説明させて貰いますね」
「いいんですか?なにか、深い事情があるようですけれど…」
「ええ。大丈夫です」
夕食の時間まで、時間はまだある。
まずは聖霊の病の事から、話すことにしよう。




