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隣の席の女の子と園芸部

「では、園芸部について説明していこうと思う。うちの部活では季節ごとに花を植えたり、毎日の水やりをしたりする。基本的に月曜日から水曜日は私が、残りは藤田が水やりを担当している。」


「土日もですか?」


みこちゃんが質問する。


「ああ。そうだ。」


確か僕が入部したての頃、ちゃっかり僕の仕事を増やされたんだったよなぁ、、みこちゃんはちょっと苦笑い。


「心琴はまず、藤田に仕事を教えてもらえ。明日から木曜日だしちょうどいいだろう。」


「了解です!」


「藤田。心琴に色々教えてやれ。」


そう言って先輩はニヤッと笑った。もしかして僕らの間に何かあるのかときっと勝手に想像しているのだろう。でもまぁ、特にとりあえず断る理由もないので返事をした。


「はーい。」


その日はそのまま家に帰り、みこちゃんとは明日早く待ち合わせをして眠りについた。


ーーー


翌朝


「おはよ〜朝は寒いね〜」


マフラーを口元まであげ、もこもこの手袋をしている。冬にしか見れないみこちゃん。SSRだ。


「おはよ。マフラー似合ってる。」


ちゃっかり褒めちゃう。このくらいだったらまぁ、許される範囲だろ。


「このマフラーね、中学二年生の頃かな。ホワイトデーで日向から貰ったんだ〜“いつもありがとう”って。」


そう言いつつみこちゃんの目線は地面の方に下がっていく。確か望月さんとは中学校は違かったもんな。中学生の頃は二人ともすごくいい感じだったんだろう。


「また自分の首しめてる、、」


「物理的にもね。」


あははーと笑いながら言う。目が笑ってない。


「捨てちゃえばいいのに。もう2年くらい使ったんでしょ?」


流石に自分でも心無い発言だったかと反省するがそこまで後悔はしてない。


「うーん。まだ捨てれないんだよね。てか捨てるって考えなかったかも。あって当たり前だったから。」


「そうだよね。ごめん。」


「ううん、全然気にしないで!多分私がこのマフラーを手放すのはきっと初めて恋人ができた時だね。私の日向なんかよりずーっといい初彼氏に可愛いマフラーをもらうの。」


そう言って僕に笑いかけるみこちゃん。朝早いせいか誰もいない二人きりの道。もしここにいるのが僕じゃなかったらきっと勘違いしちゃうだろう。みこちゃんが僕のことが好きだって。


「でも、多分現れないだろうね。日向よりも素敵な人。」


「そうだね。」


羨ましいな。こんなに秋山くんはみこちゃんに想われていたのか。


「ごめんね。朝から暗くなっちゃって。」


「大丈夫。お互い二人の時は素でいようって言ったじゃん。謝る必要なんてないよ。」


「優しいねゆーくん。」


毎日名前を呼んでくれる。毎日目を合わせてくれる。毎日思う。なんて素敵な人なんだろう。僕もみこちゃんに振られたら多分一生と言っても過言でないほど立ち直れないだろう。


「よし、学校着いたし水やりしようか。できるだけ葉っぱにかからないようにお願いします。」


「了解です。そういえばなんでゆーくんは園芸部入ったの?」


「あー実はね。家が花屋なんだ。」


少し考え込むみこちゃん。


「あ!そう言えばあったかも!植物園の先にお花屋さん!昔よく行ってたなぁ、、そこだよね?多分。」


「多分、そうだよ」


「もうすぐママの誕生日だから今度行くね。」


「そうなんだ。ありがとう。」


急にみこちゃんがハッとした表情をする。


「まって今日木曜日だよね!?うわ、吹部で朝音楽室来いって言われてたんだった。がちごめん。屋上はお昼休みするから行ってきてもいい?」


「もちろん。次のコンサートも楽しみにしてるよ。気をつけてね。」


「ほんとありがと!!いつかこの恩は絶対返す!!」


「そんな壮大じゃなくていいのに」


二人で笑う。


「じゃあまたあとでね〜!ありがと!」


みこちゃんは走りながら校舎へ向かっていく。いつのまにか周りを見ると数多くの生徒がいることに気がついた。


「もうこんな時間か、、」


小さくつぶやいて屋上へ向かおうとすると、急に誰かに声かけられた。


「おはよう。夕弦。少し時間ある?」



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