隣の席の女の子と二人の時間
「もしかして、ずっと私のこと見ててくれてた?」
「キモいよねごめん。」
「いやそう言うことじゃなくて。私の小さな心遣いとか気づいてくれてくれる人いたんだって思って。なんか嬉しくて。ありがとう。」
はじめて俺に向けられた屈託のない夜山心琴の笑顔。
俺が恋に落ちたきっかけ。
宝石のように輝くのは、彼女の涙。
それすら美しいと思ってしまう僕はなんて悪い人なんだろうか。
「てか、ゆーくん。私のこと“みこちゃん”って呼んだ!嬉しい。これからもずっとそのままね。よろしく。」
「恥ずかしいよ、、」
「しかもゆーくんの一人称、俺から僕に変わってた!可愛い〜!ゆーくんも私の前では素でいてね!“僕”でいいよ〜」
「え、嘘!?無意識だった。そんなことより!!心琴ちゃ、みこちゃん泣いてるけど僕なんか悪いこと言っちゃったかな!?」
「まって私泣いてる!?」
「気づいてなかった!?」
「うん。まってゆーくんの前で泣くの2回目じゃん嫌なんだけど。」
「嫌ってなんだよ。」
「なんか弱いところだけ見られてるから弱み握られてる気分。」
「それはお互い様だよ。」
「なんで泣いてるんだろうね。失恋の傷がまだ癒えてないのかな。」
「失恋はそうそう治らないよ。」
「そうだね。恋の病ってやつ?あーなんで好きになっちゃったんだろう。」
「みこちゃんがいいところ見つけ上手だからだよ。」
「もうゆーくんなんでも褒めてくれるじゃん。ありがとう。てか、先輩来ないね。」
「あの人本選び出すと長いからね」
「そうなんだ。」
俺の視線の先はずっとみこちゃん。
そんなこと言ったら流石にまだ引かれちゃうから、今は言えないけど、もっと仲良くなって、みこちゃんの失恋の傷が少しでも回復して新しい恋を見つけようって思える時が来たらちゃんと全部伝えよう。
「どーしたの?急に黙って。」
「考え事。大したことは無きにしも非ず」
「なにそれ。」
二人で笑う。
こんな時間がずっと続けばいいのに。
二人だけの。
ガラガラガラ
「ただいま〜」
「あ、先輩」
「おいおい、藤田何女の子泣かしてるの?」
「いやこれは俺が泣かしたわけじゃくていや泣かしたか?」
「あ、もしかしてお邪魔しちゃった系?」
「そんなことないです!!」
「うるさいうるさい」
「藤田くん、この方が先輩?」
「うん。そう。」
「はじめまして!藤田くんと同じクラスの夜山心琴です!園芸部に入部したいと思ってお邪魔させていただいております。」
「おー入部か!来てくれてありがとう。確か君、吹部の子だったよね?兼部も大歓迎よろしくね。」
「えっと先輩のことはなんと呼べば、、」
「あー自己紹介忘れてた。私の名前は東雲優唯だ。園芸部の部長をしている。」
「優唯先輩ですね!よろしくお願いします!私のことも気軽に名前で呼んでください。」
みこちゃん、、なんというコミュ力っっ
「では、新入部員も入ったことだし改めて園芸部の活動について説明しようと思う。」




