隣の席の女の子とお昼ご飯
昼休みが始まった頃、早速あのカップルたちは周りの人たちに冷やかされている。
それを遠目に見る隣の席の夜山さん。机に出されたお弁当はまだお弁当バックからすら出されていない。頬杖をついている夜山さんも相変わらず可愛い。しかし、今すぐにでも涙がこぼれ落ちそうだ。そうだよな。好きだった人が自分が告白した日に自分の大親友と付き合い始めたんだもんな。そして今みんなの前でいちゃついてるんだもんな。
よし、覚悟を決めた。夜山さんをお昼に誘おう。
「ねぇ、夜山さん、お昼ご飯一緒に食べない?この前いい場所を見つけたんだ。」
慌てて目を擦り、笑顔を作る夜山さん。
「なーにー急に、夕弦くん。もちろんいいよ。てか、“夜山さん”って辞めてよー中学生からの仲じゃん?クラスはまぁ、違ったけど。それじゃあ、行こっか。」
そう、俺らは中学一年生の頃同じクラスだった。特に話すことはなかったけれどセーラー服も似合ってたなぁって思いながら席を立つ。
「じゃあ、心琴ちゃんで。」
「よかろう。」
ジト目にしながらグッドマークを作る夜山さ、、心琴ちゃんは世界一。いや、宇宙一。
心琴ちゃんが立った時、望月さんが走ってきた。
「みこちゃーん!!!お昼、もしかして食べに行っちゃう、、?いつもみたいに3人で食べない、、?」
“いつもの3人”とは秋山くんと望月さんと心琴ちゃんののことだ。失礼だけど、おいおいこいつ、人の心とかないのか!?とか思ってしまう。
「あ!藤田くんも一緒に食べる?お昼!」
え”俺まで誘われた。心琴ちゃんが息を吐いて言う。
「いいよいいよー。せっかく2人付き合ったんだし、2人で食べな!紅葉も恋人できたら2人でお昼ご飯食べるの夢なんだーって言ってたじゃん。」
「でも、みこちゃんいないと寂しいし、、」
そう言って口を尖らせる望月さん。。これ俺が泣けてくるよ。2人の間に口を出すのは悪いけど、無意識に言葉がこぼれ落ちてしまった。
「ごめん望月さん。俺、心琴ちゃんと”2人で”ご飯食べたいんだ。」
「そーゆーことか!そっかそっか!!!ごめんお邪魔しちゃって!じゃあまた今度ねみこちゃん!あ、あと藤田くんも!」
手を輝かせて手を振る望月さん。勘違いじゃないけど俺が心琴ちゃんのことが好きなの察されたなぁ、、、別にいいんだけど。
「それじゃあ行こっか」
むふふんと笑いながら歩く心琴ちゃん。可愛い。
「おすすめの場所、屋上なんだ。」
俺がそう言うと、きょとんとした顔でこっちをみてくる。
「屋上ってみんないるじゃん。おすすめもなにもみんなわかりきった感じじゃない?」
「わかってないな、、。あえてみんながいない花壇がない方を選ぶんだよ。あと今は冬だし寒いから人少ないんだよ。」
「そーなんだ。本当最近寒いよね。」
人気が少ない階段だからか少し心琴ちゃんの顔が少し暗くなったようにみえる。
「心琴ちゃん、別に無理する必要はないよ。」
「え?」
心の声が出てしまった。嫌われるか、、、
「無理に笑わなくてもいいんだよ。」
「もしかして、バレてた?作り笑いとか」
「俺だけ」
「二人だけの秘密ね。」
こんな話をしていたら屋上についた。
「ご飯、食べよっか。」
声色を明るくして言う心琴ちゃん。何故か俺が少し苦しくなる。
「あれ?お菓子入ってる!夕弦くん一つ食べる?」
「いいの?ありがとう。」
「全然!じゃあいただきます!」
「いただきます。」
元気よく手を合わせる姿は側から見れば眩しいくらいに輝いているように見えるだろう。
「お弁当って心琴ちゃん自分で作ってるの?めっちゃ美味しそう。」
「違う違う!お母さんが毎日作ってくれてるの!料理ずっと苦手でさ。そういえばもうすぐバレンタインだよね!私作るの苦手だからいつもお母さんに手伝ってもらってるの。あ、、、」
自分で話題を振ったくせに自分が最近フラれたことを思い出して少し落ち込んでいる。
「話なら何時間でも聞くよ。」
「うーん。。。じゃあ放課後暇、、?」
「暇だよ。部活もないし。」
「じゃあ一緒に帰ろ」
「もちろん。」
「2人でだからね!」
早速2人で過ごす時間が増えた。嬉しい。
「ってかもう後10分しか昼休みないじゃん!話しすぎた〜、、」
「急いで食べよっか。」
結局授業には間に合った。帰り、楽しみだなぁ、、、




