隣の席の女の子と葛藤
先輩たちの慌ただしい三角関係が終わり、春休みに入った。
みこちゃんは吹奏楽で忙しいようで、最近園芸部に顔を出していない。正直言うと、寂しい。今まではこれが普通だったのに。もしかして今までの出来事が全て夢だったんじゃないのかと疑うほどの音沙汰のなさだ。忙しいみこちゃんに対して、一方俺は家の花屋を手伝ったり、園芸部の活動をしたり、特に変わり映えのない日々を送っている。どこか1時間だけでもいいからみこちゃんと話す時間が欲しい。春休みが始まってから、みこちゃんに連絡しようかなんて毎日1時間は考えている。これは全く盛ってるなんてことはない。だって母さんに、、
「夕弦、何やってるの?スマホと睨めっこ?もしかしてあのクラリネットの女の子とお話し〜!?夕弦にも春が来た!?あの子いつ家に来る!?お母さんも話したいわ〜!!」
とほとんど毎日言われているからだ。うちでは、何故かみんな躊躇なく人の部屋に入る。ノックもなしだ。父も母も俺もずかずかと部屋に入る。それが普通すぎて園芸部に入部した頃、東雲先輩に怒られたことがある。
そんなことは一旦どうでも良くて、今日は今日とてスマホと睨めっこ。みこちゃんに送るメッセージを書いては消して書いては消してまたもや書いては消してそしてそして書いては消して、、、はぁ。もう45分。一息つくか、、
画面の見過ぎも良くないので、休憩がてらキッチンへお茶を取りに行く。どうやら母も父も店の方に出ているみたいだ。
自室に戻り、スマホを開くと誰かからメッセージが来ていた。アプリを開くとみこちゃんからだった。先越されてしまった。5日も送る内容考えていないですぐに送ればよかった。“会える日ある?”って聞くだけなのに。
みこちゃんから送られてきた内容は
「今暇?時間ありそうだったら電話しない?無理っぽかったらまた別日に、、、どう?」
電話!?そんな、、嬉しすぎるよ!!僕の心の中は歓喜の流星群。“喜んで!!“なんていうとみこちゃんの事が好きなのがバレちゃうし、、、
「ちょうど時間めっちゃある!誘ってくれてありがとう。みこちゃんのタイミングでいつでもかけてきてね」
“ちょうど時間めっちゃある“だなんてなんと白々しい
「もしもし?久しぶりだね。あ、でも言うて5日ぶりか!」
みこちゃんから電話がかかってきた。嬉しい。
「久しぶり。学校にいたとき毎日話してたからすごく寂しい」
“寂しい“だなんてさ〜〜誰だよ俺!!
「“寂しい“だなんてゆーくん言ってくれちゃうね〜!あ〜!!みこちゃんすっっっごく嬉しいな〜!みこちゃんもすごく寂しかったよ〜」
えへへ〜笑うみこちゃん。ナイスちょっと前の俺!お前のおかげでみこちゃんが人生の中で笑顔でいる瞬間が増えたんだぞ!やるな〜俺!
「寂しいなら今度会う?」
調子に乗って攻めたことを言う。俺、ばか?




