【番外編】園芸部の女の子と吹奏楽部の女の子[後]
私は桜介くんに対してそんな特別な気持ちを持っていないのかもしれない。
そう思ったのは今朝、朝食をとっているとき。
でももしそうだったら、私が桜介くんが優唯ちゃんに告白した時あんなに泣いた理由に説明がつかない。
この3人の関係が崩れることが嫌だったのかなぁ。
そうだよね。そう。
帰り道に一緒にクレープ食べて帰ったり、3人で中学卒業した時に遊園地行ったり、すごく楽しかったもん。
ずっと3人が良かったなぁ。
でも、桜介くんが告白しちゃったから
もう無理かなぁ。
桜介くんのこと、好きだったなぁ。
変にだばだばと色々な感情が込み上げてくる。
あー!!なんか今日の私おかしいよ、、、
こんな感じで1日過ごして帰り道、優唯ちゃんと帰った。
優唯ちゃんと話してると安心するなぁ。桜介くん以上に優唯ちゃんは私のことちゃんと見てくれてる。
特に深い理由はなく、ただの興味本位で優唯ちゃんに聞いた。
「優唯ちゃんは桜介くんの告白、なんで断っちゃったの?」
優唯ちゃん想像以上にあっさり答えてくれた。
「実は、他に好きな人がいるんだ。だから、振った。」
好きな人いたんだ。意外。
そんなこんなで話していたら家に着いてしまった。
“また明日”と軽く手を振り、玄関を開ける。
私たち3人の中では色々あったのに、何事もなかったように進む食卓。まぁ、恋愛事情は隠してるからね。
あとはお布団に入るだけだとなったとき、電話が来た。スマホを見ると桜介からだった。
『日奈子〜今時間ある?』
声ががびがび。なんとも聞き苦しい。
「あと寝るだけ。」
『じゃあ話聞いてよ〜』
「少しなら」
『今日、優唯に振られたんだ。』
「で、泣いたの?」
『なんでわかるのそんなこと。』
「声」
『流石吹部の部長。』
「そんなの関係ないわよ。何年の付き合いだと思ってるの。」
『それもそうだね。で、明日からどうしよう。どんな顔して優唯に会えばいいんだろう。』
“学校のプリンス”となんとも言い難い二つ名で呼ばれる男もこんなことで悩んでるとは、、、
「別で好きな人がいるから友達のままでいたいって言われたの?」
『うん。お見通しだな。日奈子は』
“好きだったからね”とか言えないけど、言った後のことを想像してみる。
〜〜
「好きだったからね。」
『え?』
「ずっと前から。」
『じゃあ、付き合わない?俺も実は好きだったんだ。』
〜〜
んなわけあるかぁ!心の中で私のキャラに合わない鋭いツッコミをかます。そして、真面目に答える。
「まぁ、2人のこと大好きだし。」
『日奈子、俺、なんで優唯に告っちゃったんだろうな。』
今更何を。
『その場のノリとか気持ちの高鳴りとか、そんな理由で告白しても上手くいかないんだな。』
「、、そりゃそうでしょう。」
『本当にいつも話聞いてくれてありがとう。』
「別に。」
好きな人に優しくできない。というのはあるあるでないだろうか。私は全員に平等に優しくするよう心がけているのだが、好きな人に対しては少しそっけなくなってしまう。いや、今は好きな人ではなく、大切な人かな。
優唯ちゃんも、桜介くんも2人とも大好き。2人とも大切。2人ともおんなじ気持ちだったら嬉しいな。




