隣の席の女の子と三角関係
今日は少し早く学校に行こうかな。
なんて春が近づいてきて暖かくなってきたからこんなことも思ってみちゃう。
俺は有言実行するタイプだからちゃんといつもより早く家を出る。
校門を通った先の花壇の花々は優雅に日向ぼっこをしているのに今の園芸部はまるでドロドロ恋愛漫画。
そんなことをふわふわ考えながら靴を履き替え、教室へ向かう。
あれ?誰かいる。朝早いなぁ。あ!みこちゃんだ。
「おはよう。みこちゃん。」
「あ!!おはよー!ゆーくん。」
「早いね。」
「なんか朝早く目覚めちゃって。」
「最近色々あったもんね。」
桜のように僕に笑いかける。
「昨日さ。帰りがたまたま優唯先輩と一緒になったの。」
「そうだったんだ。」
何か話したのだろうか。
「優唯先輩、ひなこ先輩のことが好きだったみたい。」
思いつきもしなかった。東雲先輩、好きな女の子の好きな人に告白されたんだ。これはふにゃふにゃ溶けてしまうなぁ。確かに思い返してみれば先輩がよく読んでいる本も百合のものが多かった気がする。思いを馳せて読んでいたんだ。先輩。俺も恋愛小説読むけど思い馳せちゃうもん。
「一旦整理するね。」
みこちゃんがノートを出してペンを取る。
「えーっと、、まず、桜介先輩が優唯先輩のことが好き。」
「うん。そうだね。それで告白したんだ。」
「次に、優唯先輩が日奈子先輩のことが好き。」
「昨日わかったことだね。」
「そして、日奈子先輩が桜介先輩のことが好き。」
ノートには3人の名前とハートマークが書かれている。
「これ、三角関係じゃん!!」
みこちゃんが少し悲しそうな表情をして言う。
「しかも誰かが必ず傷つくやつ。」
しょぼんとなるみこちゃん。
「ゔぅ〜、、先輩のこと大好きだからみんな幸せになってほしいよ〜!」
「わかる。本当にわかる。東雲先輩どうするんだろう、、」
二人で話していたらぞろぞろとクラスのみんなが教室に入ってくる。バスや電車が一気に着いたタイミングだ。
「あ、みんな来ちゃったね。またお昼話そう。」
「うん!また後で!」
隣の席なのにこの距離感。隣の席なりのこの距離感。二人だけのこの距離感。キモイこと言うけど、みこちゃんの特別になれた気がしてたまらなく美味しい。
ふと時計を見ると、何故か秋山くんと目が合った。気まずくてすぐ目を逸らした。気のせいか。うん。気のせいだ!!!!!!
そして、お昼。部室にて。
「優唯先輩!!お返事決まりましたか?」
「あぁ。断ろうと思う。」
東雲先輩の目の下には酷いクマ。きっと夜遅くまで考えていたんだろう。
「どうやって振るんですか?」
「他にもっと桜介に見合うような素敵な人がいるだろうから、申し訳ないが付き合うことはできない。と。」
きっと東雲先輩の言う“もっと桜介に見合うような素敵な人”は天野先輩のことだろう。
「本当のこと言ったらどうですか?他に好きな人がいるからとか。」
みこちゃんも幼馴染は恋愛対象として見れないと言われて振られたが、本当は他に好きな人がいるという理由でショックを受けたし。
「確かに本当のことを言うのは大切ですよ!」
みこちゃんもフォローを入れる。
「そう、、だよな。よし。放課後、桜介に言ってこようと思う。」
みこちゃんと二人で応援の言葉をかける。先輩は覚悟を決めていた。応援してます。




