隣の席の女の子とお花屋さん
お昼休み。
「ゆーくんは今日、私とお昼を食べるんだからね!食べないと部活バックれる」
「わ、わかりました。お願いします。」
みこちゃんに脅迫(可愛い)じみた決定事項を伝えられ、廊下へ出る。
「今日は部室で食べたいんだけどいいかな?屋上強風で閉まってるし。」
「そうだね。大丈夫だと思うよ。でも多分、先輩いると思う。」
「じゃあ3人で食べよう!」
「だね。」
部室に向かいながら話す。
「昨日ゆーくんの言ってたお花屋さん行ったんだよ。綺麗なお姉さんがいた所。」
お姉さん、、、母さんのことか。若く見られがちだからな。うちの母。
「でもゆーくんいなかったんだ〜。」
「あら、残念。でも母さんからその話聞いたよ。すごく可愛い女の子が来たって言ってた。」
「残念って何よ。すごく可愛い女の子だなんてそんな嬉しいなぁ、、」
「世界一可愛いよ」
「世界一だなんてどうせ誰にもいうんでしょ!よくないぞ〜勘違いしちゃうんだから。」
勘違いしてくれてもいいのに。なんて言えないから飲み込む。
「あれ?部室の扉が開いてる。」
「ゆーくん今露骨に話逸らしたね!?」
そんなみこちゃんがわたわた言っているのをスルーして部室を覗き込む。
そこには、先輩と男の人と女の人がいた。
「あ!おう先輩とひなこ先輩じゃん!」
急にみこちゃんが声を上げた。部室にいた3人は一斉に振り向いた。
「優唯ちゃんの後輩さんたち?」
大和撫子という言葉が似合うような先輩が言った。声も透き通っていた。でもどこか芯がしっかりあって強さを感じた。
「あぁ、そうだ。自慢の後輩だ。心琴の方は二人とも知ってるんじゃないか?同じ部活だろう。」
東雲先輩がいつもの調子で言う。
「もちろん知ってるよ。」
幼い頃に絵本で読んだような王子様みたいな男の人が言った。超絶かっこいい。男の俺でも惚れる。
「二人も昼食か?一緒に食べよう。」
東雲先輩の誘いで5人で食べることになった。
「まず自己紹介しないとね。私は天野日奈子。吹奏楽部で部長とフルートをしています。」
「僕は五十嵐桜介。同じく吹奏楽部で副部長とトランペットをしてます。」
二人とも丁寧な人だなあと思いつつ、俺も自己紹介する。
「藤田夕弦です。よろしくお願いします。」
二人とも微笑んでくれた。まるで現代のプリンスとプリンセスだ。
みこちゃんが口を開いた。
「先輩たちって同じクラスなんですか?」
「いや、ちがうよ。でも、昔から仲良くてね。たまに3人で食事をとっているんだ。」
「幼稚園の頃からずっと仲良しなのよ。」
東雲先輩と天野先輩が言う。
そこから、楽しく談笑し、昼休みは終わり、授業も終わり、放課後になった。
時間の流れって早いなぁ、、なんて部室で思っていたら、先輩が勢いよくドアを開けて入ってくる。みこちゃんは吹奏楽へ行ってしまったので僕しかいなかった。先輩が入ってきて部室の空気が一瞬で変わる。普段だったら図書室によっているはずなのに、、、
「ふ〜じ〜た〜ぁ〜!!!!聞いてくれよぉ〜!!!」
先輩が教室に入った途端情けない大声を出す。
何事?




