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夢に臥す姫と、八つの徳を探す僕ら

作者:乾為天女
 春、新学期の教室で始まったのは、少し浮かれた高校生活――になるはずだった。

 西原創(にしはら・はじめ)は、誰かと手を取り合って何かを始めるのが好きなタイプだ。だが、心のどこかで「人を頼るのが苦手」な自分に気づいていた。そんな彼と同じクラスで出会ったのは、感情に流されやすい沢村聡美、静けさを好む飯島朋春、丁寧すぎる松岡田ゆり菜、真っすぐで不器用な庄司紳太郎、自由すぎる橋詰可那子、金銭感覚が壊滅的な堀越祐士、人間関係が苦手な石原田輝江──ちぐはぐで不思議な8人だった。

 彼らは、ある晩を境に「同じ夢」を見るようになる。
 そこには、床に臥せる美しい女性と、異形の存在。
「八徳をもって姫を救え」
 そう告げられた翌朝、誰もが奇妙な疲労感を覚え、学校生活に支障が出始める。

 八徳──仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌。
 聞き慣れない言葉、意味のわからない使命。けれど、このままでは日常に戻れない。
 西原たちは半ば遊び心で「それぞれの徳を担当して試してみる」ことにするが、まるでうまくいかない。自分の性格に合わない徳を無理に実践しようとして、かえって人間関係がこじれたり、自信を失ったりする。

 そんな試行錯誤の中で、8人は気づいていく。
「徳とは、誰かに見せるための行動ではなく、自分の心の在り方そのものなのだ」と。

 夢の中の姫のもとへ向かう旅は、現実での自分自身と向き合う旅だった。
 他者とぶつかり、悩み、少しずつ変わっていく彼らの心の風景。
“正しさ”に縛られず、心のままに生きようとする中で、8人は一つの答えにたどり着く。
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