偽装
「待てよ?」
「なぁ魔法使い」
「どうしたの?」
「生成された生物は魔法を使えないのか?」
「そうだけど、それが何?」
「偽店主が水魔法で生成されたとしたらダミー勇者の事を魔法を使ってダミー勇者を燃やしたんだよな?」
「魔法じゃなくて魔法陣ね」
「魔法陣を使えば生成された生物でも魔法の才能が無い人でも使えるわ」
「まぁ使うには結局魔法使いが生成しないとダメなんだけどね」
「......なぁ」
「何?」
「水魔法で生成した生物と自分の居場所を入れ替えるのは出来るか?」
「だからそもそも水魔法特化の魔法使いなんで居るわけないのよ!」
「何かを消失、または無くす魔法はあるか?」
「そりゃあるわよ、魔法っていうのは色々あって凄いんだから!」
「その消失させる能力で会得した魔法を消失させることは?」
「え?....分からないけど修行しまくれば可能性はあるんじゃない?」
「まぁやった事のある魔法使いはいないと思うわよ」
「一つの魔法を極めるのは魔法が成長するに連れて成長しにくくなるし」
「まぁそれも魔法使いの中でも物凄く才能のある人やればいい感じに成長するんじゃない?」
「.........しくじっちまった...」
「急にどうしたのよ?」
「ダミーの勇者を燃やしたのは多分勇者をさらった奴だ」
「えっ!?」
「ダミーの勇者を燃やした後でわざと捕まってその後水魔法で偽店主に似た生物を生成して入れ替わった後にその生物に元の水に戻るように命令する」
「自分は逃げつつ生成した生物は水に戻るって事だ」
「残る証拠は大量の水だけだ」
「確かに辻褄が合うわね」
「これで打つ手無し......なーんてね」
「えっ?」
「お前だろ...犯人」
「はぁ...何を言うかと思えばなんなのよ急に」
「フッ......」
「.........なんで分かった?」
「いいや......展開的にアニメとかである身近の人が犯人だった的な奴かもしれないからカマ掛けてみたのさ」
「何を言ってるのか分からんが取り敢えず答え合わせぐらいしてやる」
「いや、いいよ」
「どーせ拘束魔法で縛ってる時に魔法使いが拷問しようとして来た時に入れ替わったんだろ?」
「一応ミスはしてないがこの騙されやすい性格は直してた方が良かったな」
「確かに俺はレヴェルじゃなくて盗賊だったのがわかって無いみたいだからその性格は直した方がいいぜ」
「なっ!?」
「アイツかなり頭がキレるな」
「ならレヴェルとやらは今どこだ!」
「レヴェルの事より俺の事をどうにかしたらどうだ?」
「貴様如き相手にならんわ」
「へーぇ」
「魔法も使えないのに?」
「何を言って......」
「.............」
「貴様何をした?」
「俺は盗賊だぜ?」
「盗む事が出来ないなんて盗賊失格だぜ」
「まさか!!」
「魔法を盗んだと言うのか!!」
「やっと分かったのか、要領悪いな全く」
「そんなっ!魔法を盗むなんで聞いたことないぞ!!」
「魔法には色々あるって魔法があるって言ってたよな?」
「だけど結局奪われるならどれだけ会得しようが意味ないだろ?」