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お嬢様はもっと強い  作者: ビーデシオン
後編

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14/20

第14話 騎士学校潜入


「おい、誰だあの人? 見たことあるか?」

「ないけど……剣持ってるし、なんだか怖いわ」

「まあ、堂々としてるし、これから実習なんだろ」


 周囲の会話に耳を澄ましながら、ただひたすらに道を歩く。

 できるだけ背筋を伸ばして、胸を張って、大股の早歩きで堂々と歩く。

 時折、対面から歩いてくる人が、自分から道を空けてくれる。

 やっぱり、この服を着てきて正解だった。


 当初は、ネリーのドレスを借りる予定だったけど、誤算があった。

 私とネリーでは、身長が違い過ぎて、寸法が合わなかったのだ。


 それで仕方なく、書斎で情報処理をしていたセブラさんに頼み込んで、セブラさんのドレスを借りることになった。

 断られるか、止められるかでもするかと思ったけどれど、セブラさんはむしろノリノリで、頼んでもいない指輪やネックレス、その他アクセサリーまで身にまとわせてくれた。


 セブラさんの協力を得られたことで、潜入もうまくいった。

 騎士学校の入り口にまでセブラさんが付いてきてくれて、私をネリーに仕立てあげてくれたのだ。

 当主夫人の証言と、そもそもネリーが入学しなおしてから日が浅かったおかげで、すんなり私は、騎士学校の敷地に侵入できた。


 あとは、目的地を目指すだけだ。聞き込みをしてもいいけど、まずはそこに行って……仮説を確かめてからにしよう。


 そうして私はひたすら歩いて、騎士学校の女子寮にたどり着いた。

 目指すはネリーの私室……ではない。

 寮長室に向かって、質問する。


「すいません、レネシア・クラックネイト様にお会いしたいのですが……」


 寮長のおばさんにその名前を出したところ、件の人物の部屋を教えてくれただけでなく、二日前から部屋に籠りっきりだという情報も得られた。

 二日前……ネリーお嬢様が失踪した日と一致する。

 もしかしてとは思っていたけれど、大当たりだったようだ。


 寮長のおばさんには、随分落ち込んでいるから、友達なら元気づけてあげてほしいと言われたけど……そんなこと、するわけがない。

 でも、私はレネシアに会わなければいけない。


 部屋の前に立ち、扉をノックする。

 扉の向こうから、うめき声みたいな返事が聞こえる。

 おそらく、入って良いという意味ではないだろう。

 でも私はこの剣で扉を突き破ってでも、レネシアに会わなければいけない。


「……はい、なにか御用でしょうか」


 微かに扉が開いたので隙間に指を引っ掛ける。

 一瞬、レネシアらしき人物から「ひっ」という声が上がるが、慌てない。

 あくまで部屋の中に閉じこもれないようにするだけだ。


「失礼、私はネリー・ブレイズチップ……様に仕えているものです」

「えっ、あっ」


 最後の方はできるだけ小声で、隣の部屋に聞こえないように自己紹介する。

 聞いた話が正しければ、この人相手にネリーの名前を騙っても意味はない。

 なぜならこの人は、ネリーと面識があるどころか……騎士学校に通っていたネリーにつきまとい、嫌みを言い、追い詰めていった張本人だからだ。


 場合によっては、主人に代わって復讐に来たと思われても仕方がない。

 実際、この人が何かしでかしているなら、それも辞さないつもりではある。

 だからこそ、逃がすわけにはいかない。


 どんな手を使ってでもネリーの情報を吐かせて……


「来てくれてありがとう……! 歓迎するわ。中に入って」

「……は?」


 強く拒絶されることも覚悟していたけど、返答は意外なものだった。

 半開きだったドアは開け放たれて、部屋の中に手を引かれる。


「ごめんなさい、早速だけど……お願いがあるの。でも、このことは決して口外しないと誓って」

「は、はあ」


 レネシアが私の前に座って、背筋を伸ばしてこちらを見てくる。

 咄嗟に受け入れてしまったけれど、一体どういうことだろう?


「お願い。私の友達を……ネリーを、暴漢どもから救い出して……!」

「……はい?」



 ネリーと友達? 何を言っているんだ?

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