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異世界への狭間にてステータスを省みる

エロゲ、Angels☆Bellの叢リリーちゃんルートを攻略し寝落ちてしまった俺は起きた時に奇妙な空間にいた。

今は天使の姿をしている謎の暗黒物質もとい天使さんに異世界転生の権利を得たという話と邪神を倒せという話をされ、キャラクリを行い送り出された。天使さんに弱すぎっていわれたのが気がかりだが・・・

この話は最終的に決定したキャラクターのステータス、主にスキル周り、の情報を整理したものです。

目の前が眩(まばゆ)い白に包まれると――

そこは異世界、という訳ではなさそうだ。

いや異世界には違いないか、むしろこの世ではなさそう。

周囲を見渡すと青なのか赤なのか黒なのか色が判別できないがそういった雰囲気の空間に蛍光虫のようなおそらく魂だろうものが大量に飛び交っていた。それらの魂たちは散らばっている一部を除くと一塊(ひとかたまり)に天の川みたいになっていた。

三途の川、時空の狭間、なんというか形容が難しいがそのような場所であろう。

その空間に逆さまに放り出されていた。浮遊感こそあれど落下しているような感覚は無い。

うーん、転生までは少しの時間の猶予があるみたいだ。

ならば今の内にステータスを改めて確認しておこう。

とりあえず、＜コンソール＞に「> open status」と入力した時に出てくる情報を下に記す。

ちなみにHPやMPなどの表記があるが私には見えいない、どこの数値がどのパラメータに該当するかを記憶しているから補助的に表示しておく。

称号：救世主　人種：天使　性別：女　Lv:1/100

HP:220　MP:300　STR：5　VIT：3　INT：127　ARG：16

DEX：32　POW：22　PHS：1　APP：127　LCK：10

ユニークスキル：天衣無縫、聖女、成長強化、不老不死、天恵

スキル：レベルアップ、ステータス獲得5倍、獲得経験値10倍、衛生観念

　　　　世界の言語、絶対記憶、魔法技能、武器技能、格闘技能、合気

　　　　現世の知識、クロック1000000、並列思考128、魔法の知識、魔法開発

　　　　不老、不死、神聖無効耐性、暗黒耐性、状態異常無効耐性

　　　　呪術無効耐性、結界無効耐性、神の贈り物、邪神の知識

ここに表示されていないスキルも記載しておこう。

　　　　コンソール、ユニークスキルの知識、スキルの心得

　　　　世界の知識、世界の歴史、世界の地理、世界の常識、世界の法律

　　　　プログラミング、力学の心得、流体力学の知識、構成力学の知識

　　　　工学の知識、半導体の心得、元の世界の知識、思い出の記憶

こちらは＜ステータスメニュー＞で表示される情報である。

　　┏――――――――――――――――――┓

　　　　　　　　　ステータス

　　　　--------------------------------

　　　　　　　　　＜救世主＞

　　　　Lv 1/100

　　　　HP　 220

　　　　MP　 300

　　　　STR　5

　　　　VIT　3

　　　　INT　127

　　　　ARG　16

　　　　DEX　32

　　　　POW　22

　　　　PHS　1

　　　　APP　127

　　　　LCK　10

　　　　--------------------------------

　　　　＜天衣無縫＞＜聖女＞＜成長強化＞

　　　　＜不老不死＞＜天恵＞

　　　　--------------------------------

　　　　＜絶対記憶＞＜魔法開発＞＜不老＞

　　　　＜不死＞＜神聖無効耐性＞＜暗黒耐性＞

　　　　＜状態異常無効耐性＞＜呪術無効耐性＞

　　　　＜結界無効耐性＞＜神の贈り物＞

　　┗――――――――――――――――――┛

見た目情報も載せておこう。

　　┏――――――――――――――――――┓

　　　　　　　　キャラクター選択

　　　　--------------------------------

　　　　　　　　種族　　天使

　　　　　　　　性別　　女

　　　　　　　　体型　　高身長

　　　　　　　　髪色　　瑠璃

　　　　　　　　肌色　　白色

　　　　　　　　瞳色　　金

　　　　　　　ほくろ　　仏、涙

　　┗――――――――――――――――――┛

見た目はかなり重要だ、元の世界では中の下くらいのどこにでもいるおっさんな雰囲気だったが性別でさえ変えられるとなれば拘りたくもなってこよう。

まぁ種族が天使になってしまっているのは衝動的で考えなしではあったが後悔が無いので良しとする。

せっかくなので、エロゲのヒロインの中でも一推しだった『春風ルリア』に寄せてみた。

実際のルリアは高身長という訳ではないが天使という種族の平均身長が低い事やアレのサイズ感が身長と比例しているらしいとの事で高身長にしてみた。

ひとまず見た目に関してはこのくらいにしておこう。

スキルビルドについて、ざっくり整理してみる。

まずは戦闘面で重視したスキルである。

　クロック1000000

　　　思考速度だけ1000000倍まで早くできる

　　　思考速度を速めた時間ｘ倍率分の寿命を消費する

　並列思考128

　　　思考を128まで並列化できる

　　　INTが不足していると混乱（レジスト不可）に陥る

これらは邪神のカンストARGの百万倍の早さに対応するために取ったものである。

とにかく思考速度を早くすることに特化している。原理はコンピュータの計算速度を上げるためにする事と同じだ。

並列思考側のデメリットはレベルが上がって行けば解決するはずだ。しかし、クロックの寿命消費はかなり重い。使い続けたら邪神が復活する30年後を待たずに寿命を迎えてしまうだろう。

ただ、こちらについても種族を天使にした時に獲得した＜不老不死＞により解決している。

　不老

　　　成人までの成長の後、老化に伴う姿の変化やステータスの低下が起こ

　　　らなくなる。

　　　寿命が無制限になる。回復の影響が100分の1になる。

　不死

　　　HPが0になる。（呪い、不死が無効になると死亡する）

　　　死亡しなくなる。

　　　ダメージによる欠損や状態異常の影響が強くなる。

＜不老＞も＜不死＞も強力だが回復面で大きなデメリットを抱える事になる。

ダメージ面や回復面は不死で実質的に解決出来てはいるが、初手で状態異常を受けてしまえば例えどんな強力なスキルがあっても何もできなくなってしまうだろう。

そう考えてユニークスキルでそこを解決できるものを選択した。

　天衣無縫

　　　＜状態異常無効耐性＞を獲得する

　　　自動回復効果を得る

　　　※＜ユニークスキルの知識＞では参照できない能力があります

　聖女

　　　回復効果を10倍にする

　　　＜呪い無効耐性＞

　　　※＜ユニークスキルの知識＞では参照できない能力があります

聖女の方は無償で取れるようになったからおまけだけど、呪いの耐性が不死のデメリットの一部を解決してくれている。

『参照できない能力』って部分が気になるけどデメリット以外なら大丈夫かな。

ひとまずクロックを取る事で発生している見えるデメリットは対策できていると信じたい。

次は魔法、ファンタジー世界にあると言われればどうしても使ってみたいものである。

　魔法技能

　　　『魔法』と定義される技能の獲得に最低限必要な

　　　魔力を認知する感覚を獲得する

　魔法の知識

　　　『魔法』の効果から魔法名を検索できる

　魔法開発

　　　知識と＜魔力操作＞のみで魔法を発動できる

　　　また、新しい種類の魔法として伝授可能になる

やはり、ただ用意された魔法だけを行使するのでは面白くない。

元の世界でゲーム開発者をしていた身としては魔力に関わる法則を解析および検証をしてみたいと思う事は自然だろう。

それに魔法というものに開けた可能性を求めているからこそ＜魔法開発＞は必須だったとも言える。

他にも魔法に頼り切らないで何とかできるように＜武器技能＞と＜格闘技能＞は残しておいた。

元の世界で習った護身術くらいのものだが無いよりは良いだろう。むしろ残しておかないと一生習得できないらしいと＜スキルの心得＞さんが教えてくれた。

次に成長関連のスキルに関してだが、もちろんここも妥協していない。

まずはステータス関連から。

　成長強化

　　　ステータスが成長する時、その数値が20倍になる

　　　※＜ユニークスキルの知識＞では参照できない能力があります

　ステータス獲得5倍

　　　ステータスが成長する時、その数値が5倍になる

　　　必要経験値が20倍になる

また参照できない能力とやらがあるが、どうせ経験値が増加するっていうような内容であろう。

とかく、ステータスの成長が20倍と5倍とで合わせて100倍になる、という事だ。

例え1しか増えなくても100すなわち100レベル上がる頃には10000に到達する。

カンストがおそらく2047相当だろうから＜ステータス手動振り＞を切ったとしてもカンストが約束されているため影響はないだろう。

そして度々出てくる＜スキルの心得＞さん。

　スキルの心得

　　　スキルの効果からスキル名を検索できる

　　　スキル名からスキルの効果と習得条件の情報を得られる

　　　※神級のスキルに対しては無効

非常に便利である。

欲しいと思うスキルを思い浮かべるだけで習得条件まで知ることができるため、今後の成長の効率にまで大きな影響力を持つと言っても過言ではない。

最初の＜クロック1000000＞と併用して大量のスキルを獲得する狙いがある。これでユニークスキルの1000倍とやらに対抗する腹積もりだ。

とまぁここまでがゲームっぽい要素だが、もちろん生きるために必要な物もある程度取るようにしている。

＜世界の知識＞さんにはまだ知らない異世界の知識を教えてもらえるので今でさえ役に立っている。

＜世界の歴史＞＜世界の地理＞＜世界の常識＞＜世界の法律＞、この辺りも生きて行く上では無くてはどんなトラブルに巻き込まれるか分かった物ではない。

そして＜世界の言語＞である。スキルポイントがやたら重いから向こうで自然習得すれば他にも有用なスキルが取れるとも思ったが＜世界の知識＞さんによると、これから行く世界には28の言語があるらしい。

元の世界でせいぜい3か国で根を上げていた俺としてはたぶん無理だと思って外すことはしなかった。

あとは＜衛生観念＞のスキルだな、何でデフォルトで外れていたかは解らないがあって困る事もないだろうと取っておいた。

ちなみに＜神の贈り物＞は＜スキルの心得＞では参照できないらしい。

後はステータスの初期値かな。

　　┏――――――――――――――――――┓

　　　　　　　　　ステータス

　　　　--------------------------------

　　　　　　　　　＜救世主＞

　　　　Lv 1/100

　　　　HP　 220

　　　　MP　 300

　　　　STR　5

　　　　VIT　3

　　　　INT　127

　　　　ARG　16

　　　　DEX　32

　　　　POW　22

　　　　PHS　1

　　　　APP　127

　　　　LCK　10

　　　　--------------------------------

　　　　＜天衣無縫＞＜聖女＞＜成長強化＞

　　　　＜不老不死＞＜天恵＞

　　　　--------------------------------

　　　　＜絶対記憶＞＜魔法開発＞＜不老＞

　　　　＜不死＞＜神聖無効耐性＞＜暗黒耐性＞

　　　　＜状態異常無効耐性＞＜呪術無効耐性＞

　　　　＜結界無効耐性＞＜神の贈り物＞

　　┗――――――――――――――――――┛

HPとMPはこれが高いかどうかは判断できないかな。

邪神の奴が20億近い数字でカンストしているのはアレがボスだからであり単独との比較が難しいためである。

STRとVITとPHS、近接面で生きてきそうなステータスが軒並み低い。

格闘によるダメージは期待できず前に出ると即死しそうな防御力に何に当たっても跳ね返されそうなフィジカル、とても前線に出れるような雰囲気ではない。

この辺りのステータスが低いのは、もし単独での活動となった場合には足を引っ張りそうだ。

ARGとDEX、この辺りがそこまで低くなさそうなのは救いか、耐久の低さだったりフィジカルの弱さはここで補われるためだ。

POWは……どんな影響があるかは知らないけどなんとかなってくれるだろう。

ただ思うのは。

「INTとAPP高すぎやしないか？」

さすがに他と比べても突出しているように見える。127という数値のキリの良さが少し不安にさせる。

「いや、さすがに思い違いかな……まさか127がカンストなんて……」

口に出したことで余計に不安になってしまった。

ひとまず邪神のステータスを改めて覗いてみるか。

　　┏――――――――――――――――――┓

　　　　　　　　邪神ステータス

　　　　--------------------------------

　　　　　　＜世界の終焉を齎(もたら)す者＞

　　　　HP　 2147483647

　　　　MP　 -1

　　　　STR　1023

　　　　VIT　1023

　　　　INT　0

　　　　ARG　1023

　　　　DEX　1023

　　　　POW　1023

　　　　PHS　-1

　　　　APP　-1

　　　　LCK　0

　　　　--------------------------------

　　　　　＜邪神＞＜神速＞＜厄災魔法＞

　　　　　＜無詠唱＞＜理不尽＞＜終焉＞

　　┗――――――――――――――――――┛

やはりステータスぶっ壊れているよな……

とはいえHP以外のステータスに関しては並ぶことができるだろう。

だとすると課題となるのはユニークスキルの方か、あまり見てなかったな。

＜ユニークスキルの知識＞で知れる範囲でも見ておこうか。

　邪神

　　　＜ユニークスキルの知識＞では参照できません。

　神速

　　　ARGを1000倍する、速度上昇に伴って思考速度も速くなる

　厄災魔法

　　　災害級、神話級の魔法の威力を10000倍する

　無詠唱

　　　言霊無し、魔法陣なし、で発動した魔法の威力が減衰しない

　理不尽

　　　すべてのステータスが1000倍になる

　終焉

　　　＜ユニークスキルの知識＞では参照できません。

いくつか参照できないものがあるな……

神速で早さがえぐいのは把握してたけど威力も凄そうだな。

10000倍っていう、0が1個多いのは脅威になるのか。

邪神の圧倒的な威力の魔法に対しての対策も考えて行かなくてはな。

「ようやくか」

邪神のステータスを見て考えを整理していると待ちに待った瞬間が訪れた。

うーん、何かを見落としているような気がするけども、まぁここまで色々考えておいたんだ、大丈夫だろう。きっと。

再び視界が白で覆われると共に身体を浮遊感、というよりも喪失感というべきか、が増していく。

　　　　　次に目を覚ます時が異世界ライフの始まりだ。

声に出せている確信はないがそう高らかに宣言し、自身が消えて行く感覚に身を任せた。

Tips：ステータスの知識

HP：ヘルスポイント、命の数値や生命力とも言われる

MP：マジカルパワー、魔法コストや魔力とも言われる

STR：ストレングス、筋力の事、物理攻撃面の火力に関わる

VIT：バイタリティ、体力の事、ダメージ減衰や痛みの低減などへ影響する

INT:インテリジェンス、知力の事、魔法の威力を上げるらしい？

ARG：アジリティ、素早さや敏捷性の事、身体運動の早さや思考速度へ影響する

DEX：デクステリティ、器用さ、運動神経や技術適正へ影響する

POW：パワー、精神力、魔法や状態異常の影響を低減する

PHS：フィジカル、吹っ飛びやのけぞりを低減する

APP：アピアランス、外見・第一印象、見た目の良さ美しさ

LCK：ラック、運の良さ

Tips：知識関連のスキルのグレード

知識→心得→叡智

基本的には参照できる情報が増えるなどする。

Tips：耐性のグレード

耐性：対象の属性を割合で低減する

無効：対象の属性が一定を超えない場合は無効化する

無効耐性：対象の属性を完全に無効化する

Tips：不死について

不死の基本的な効果はHPが0になっても死亡しないというもの。

それに加えて、この能力を獲得した時点で『HPが0になる呪い』を受ける。

この呪いを受けたまま＜不死＞を無効化されると死亡する。

他にも状態異常の影響を受けやすくなるというデメリットもある。

特に欠損状態は回復すらできない。

生命活動を維持する器官をすべて欠損すると死亡する。

この能力だけで無敵になれるわけではないという事だ。

あと、ダメージを受けたらちゃんと痛い、HPこれ以上減らないのに。