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Episode13.52 unlimited_error_void

久々のn+0.5(←最早0.5かどうか怪しい)です。どうぞ!

―――あの日から、ずっと歩き続けていた。先生が殺害された、あの日から……いや、私が初めて()()()()()()から、ずっと。ただひたすらに、過去を振り返らぬよう、必死にまっすぐと進み続ける。どんな日でも、歩き続けた。

 ある日は雑踏に紛れ、またある日は人の居ない集落の道を歩き、またある日はゴーストタウンを練り歩く。そんな日々を送っていた。実際、苦しかった。先生という頼れる人を失った悲しみと、人を殺めたという事実が自分にずっと付きまとっている感じがした。

 そんな日々の中のある日のことである。私が、いつも通り、何をするでもなくただ歩いていたとき、私は、この人生で一度だけ振り返った。それは、あどけない少女の歌声であった。音の出どころを探してみると、今では見なくなった該当に設置されているテレビから流れているものらしかった。

 そして、その音の正体を見ようと、テレビに近づくと、一瞬、別世界に入ったような気がした。星が嫉妬する―――いや、それだけに留まらず、星をも食らいつくさんとするほどの輝きを放つ彼女ら―――キュート・アンド・グレート・デビルズは、私の目を、耳を、心さえも欲のままに奪っていた。そう、私は、彼女らの虜となっていたのだ。

 その頃からだろうか。私が「おっかけ」などと呼ばれる人と同じような行動を取り始めたのは。まぁ、別にそれでも良いのだが。

 ライブがあればライブに行き、グッズ販売があれば、グッズ販売を行っている販売所へもう“想像力”を使って本当に一瞬で向かった(しかし、それよりも速く着いている人が居たのだが、それはもう、異常というしかないだろう)。

 そうして、私は、ずっとこの生活が続けばいいと思っていた。もう二度と、このような生活を失いたくないと思っていた。……そう、思っていたのに。それは、突然起こった。

 ―――「アイドルグループ『キュート・アンド・グレート・デビルズ』連続怪死事件―――及び“想像力”を使用した連続殺人事件」。二十一世紀で一番凄惨な“想像力”を使用した殺人事件として後の世でも語り継がれるはずだった事件である。しかし、その可能性はすでに絶えた。それはなぜか。私がその可能性を潰したからである。

 私は、その事件を受けて、前の歩き続ける生活に戻ってしまった。その生活は、感覚的に前よりも苦しかった。私の心にポッカリと大きな―――否、大きなでは済まされないほどに巨大な虚空が空いてしまった。もう一度会いたい、もう一度やり直せたら、もう一度もう一度もう一度もう一度もう一度もう一度もう一度もう一度…………。

 そんな事を考えていたからだろうか。ある吉兆か凶兆かわからない現象が発生した。それは―――私の“想像力”『邪神・祖無限(ウボ=サスラ)』の能力の一つ―――無限三式鏡式数式『無限級数・発散』が暴走し、無限三式歪曲数式『無限級数・拡散』となり、歴史が、私の捨てられた頃に巻き戻ったのである。

 そして、調べていくと、この能力には二つの効果があることが確認された。一つは「私の生まれた頃に歴史を巻き戻す」という能力。そして二つは「並行世界を確認する」という能力であった。また、この能力では「並行世界を()()()()」だけであるため、干渉はできない。

 そうして、この能力を持った私は、ある決意をした。

「絶対に、キュグデ(あの子達)を救い出す」

 と。

ここで0.5は終わりだと思います。多分終わりです。……絶対?

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