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【完結】大罪の歌唱偶像  作者: セカイノ/ネコノカンリノン
デビュー&ティンダロスの猟犬編
1/76

プロローグ

どうも、初めての方は初めまして。

ハーメルンで僕を見たことがある人も初めまして。

ネコノカンリニンです。

オリ小説初です。

No.1 プロローグ

作.セカイノ/ネコノカンリニン


 ―ある日を境に人類は『想像上の力』を手に入れた。

 正確に言えば、『意図していないのに持たされた』のほうが正しいだろう。

 その力は人類が生み出してきた数々の概念や物語、事実とは大きく異なる記述を一人につきランダムで一つ操れる、というもの。簡単に言うとファンタジー小説の「スキル」の概念に近いかもしれない。

 その力の名は、

 “想像力”。

 “想像力”を手に入れた人類はまずは混乱した。当然の反応だった。皆「訳が分からない。」と叫んでいた。

 次に、混乱から脱却した、あるいは元から混乱していなかった者達が『“想像力”』を使い始めた。ある者は皆を鎮め、食べ物をやり、平和を願った。ある者は力を悪用し、財産を奪い、混沌を作り出そうとした。

 次に、平和を願う者が皆をまとめ混乱から脱却し、平凡な生活を取り戻した。

 これが『“想像力”』を手に入れたばかりの人類がたどった歴史である。

 今では『“想像力”』を手に入れる前の生活に戻っている。

 しかし、人気な職業は手に入れる前と少し違う。それは

 『アイドル』


 ―私には遠い夢がある。

 そう厨二っぽく言って、友達に引かれ気味に応援されたのはいつの頃だっただろう。

 結局その後挫折して諦めたのはどこのどいつだっただろうか。

 それは私。

 しかし、そんな私でも夢を追いかけるチャンスは誰にでも廻ってくると分かったのはつい最近だった。

「母さんこれって...」

「そう。アイドル事務所『ル・リエー』のオーディション参加招待状。母さんが貰ってきたの。元トップアイドルの母さんを舐めるんじゃないわよ♪」

 母は、そう言ってドヤってきた。これが微妙にウザイ。

 いやそれよりもだ。

 このオーディション参加招待状は講習会という名の一次試験を通った人じゃないと貰えないもの。いくら母―元トップアイドルで現モデルの「ヴァレンタイン・ばれんたいん」だとしてもそう簡単に貰えるようなものじゃないことは目に見えている。

「これどうやって貰ってきたの?」

 私の質問に母は

「まぁまぁ細かいことは良いじゃない。それよりもほら、早く記入欄に色々書かなきゃいけない所があるからチャッチャと書いちゃいなさい♪」

 と、見え見えのごまかしをした。

 しかし、記入しなければいけないことは事実なので母の言うとおり記入することにした。

「えーと、ここか。」

<名前:横山 慧宙

 フリガナ:ヨコヤマ エソラ

 “想像力”:化身・暴食

 生年月日:2032/4/22

 年齢:15歳

 住所:東京都XXX区XXX町X-X>

「...っと、よし!こんなものかな」

 そう言うと私はもう薄暗い黄昏時の坂を下りポストに招待状を出した。


 帰る際、私は考えた諦めたあの夢に向かっていける、憧れの母の後を追いかけることがもう一度できる。しかし、私の夢はこれだけだっただろうか?何か大切なことを忘れている。

 この夢は確か小3の頃の夢だったから忘れているのは仕方がないといえば仕方がないのだが、何か引っかかる。

 しかし、考えるだけめんどくさいので、私は考えるのをやめた。


 どこか、洋風な家が見えてきた。あれが、私の家だ。

 前までは―と言っても13年は前だが―、青森のほうに家があり、親戚も遊びに来ていたらしい。

 しかし、父の仕事が忙しくなるにつれ、東京での仕事が増え、飛行機代が面倒になってきたので

「もう、引っ越しちゃうか。」

ということで、東京に引っ越したらしい。

 余談だが、前の家は屋敷のようなものだったらしい。


 家に帰ると、姉の靴があった。きっと帰ってきたのだろう。

 確か、今日は運動部は一斉に大会に出ていたはず。ということは終わったのだろう。私は文化部だし、生徒会議会はこの前終わったし、今日はオフの日なのだ。やったぜ。

「母さーん。姉さん帰ってきてるよ。」

 そして母さんはいつも通りの腑抜けた声で、

「あら~、そうなの~。全然気づかなかったわ~。」

 と答えた。あんたほんとに親か。

 そもそも母さんは危機管理能力が足りないのだ。この調子ではいつ家に泥棒が入ってきても気づかないだろう。

 そういえば今日は珍しく父さんが帰ってきている。いつもは

「事務所の管理が忙しい。」

 とか言って帰るのが夜中の3時ぐらいになるのに。珍しいこともあるものだ。明日は雪が降るかもしれない。今はまだ9月なのに。

 等々考えていると、リビングから、

「いつまでそこで考え事してるつもりだい?早く上がってきなよ。」

 と声が聞こえた。このひょろっひょろの透明感のある声は父さんだ。

「あーはいはい。今行くよ。父さん。」

「はい、は一回でいい。」

 まぁ、これがいつもの夜の光景だ。アイドルになったらどうなるかはわからないけれども。一応はそういうことだ。



プロフィールNo.01[横山慧宙]

名前[横山 慧宙(フリガナ:ヨコヤマ エソラ)]

誕生日[4/22]

身長[153cm]

体重[48kg]

想像力[化身・暴食(ベルゼビュート)]

想像力概要[モノを喰らい、異空間に封じ込める能力。]

詳細[西暦2032年4月22日、作詞家である父とアイドルである―現在は引退し、モデルとなっている―母夫妻の子供、双子の妹として生まれる。

 小学生の頃にアイドルの曲の作詞を担当した父に連れられライブに行った時に初めてアイドルというものを見て、それに憧れるようになった。

 元アイドルである母に指導を依頼し、そこら辺の事務所のオーディションには受かる程になっていたが当の本人はそれに気付いていなかった。

 双子の姉もアイドルを目指していたが、アイドルへの道がどれほど険しいかを知り、その時の呟きで、

「自分よりも優れている姉さんが挫折するということは私には到底不可能。」

と、解釈してしまい一度はアイドルへの夢を諦めた。

 現在在学中の中高一貫校は双子の姉が受けたから自分も受けただけであり(しかも日本トップクラス)、下位で合格し滑り込んだ。ちなみに姉は首席だった。]


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