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刀霊奇譚  作者: まみ
悪霊左府編
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悪霊左府編 第1話

こんにちは! 初めての方も、いつも読んで頂いている方も、開いてくださり、ありがとうございます!!


私は、高校生なので、更新頻度が不定期ですが、よろしくお願いします。


感想、コメントを書いて頂けると、とても執筆の励みになります!!

よろしくお願いしますm(*_ _)m


永遠、というものは、無く。

長いように思える人生。

永遠と思えるほど長い時は、光の速さのように、一瞬にすぎてしまう。

「ただいまー」ガラガラガラ。家の扉を開けて中に入る。

「ひかる。おかえり」母が迎えてくれる。

何気ない日常、それはとても大切なものだ。

私たちの何気ない日常は、突如として、奪われる。

それは、5年前に私の目の前にに濁流のように押し寄せた……。

✄------キリトリ------✄

「ひかる。ひかるはどこにいる?」父の声だ。

「お父様が、お呼びですよ。」京子さんが、呼びに来て、私は、京子さんと共に、父の自室へ急いで向かい、

「参りました。父様」父に私は、呼びかける。

「ひかる。」そう言い、父は、枯れ木のようにやせ細った、腕を私に伸ばし、私の頬に触れた。

「もう俺は、長くは生きられない。乙茂内家を頼むぞ。呪いを、たちきってほしい、、。」

呪いが進んでるのだろう。嗄れた声で、父は、私にそう話。

「分かりました。父様」これが、私と父との最期の会話であった……。

✄------キリトリ------✄

それは、ある夏の日差しが強く照りつけ、私がアイスクリームのように溶けそうになるほどの暑さの日のことだった。その日は、祖父の元で、剣術を練習していた。

突然、京子さんが息を切らしながら、走ってきて、こう言った。「ひかる様、父様が……」

その言葉で私は何が起きたか悟り、矢のように父の元へ向かう。

しかし、既に父は変わり果てた姿になっていた。

その時から、数ヶ月間、私は、土砂降りの雨の中にいた。

✄------キリトリ------✄

空は天高く澄み渡り、綿菓子のような雲が流れていく。

こんな大きな綿菓子があればいいのに。そう夢想する。すると、

ピンポーン。

「はーい」

「依頼に来た者です。ひかる様は、いらっしゃいますか?」

「ひかるなら、自室にいますので、今呼んで参ります。そこの部屋に座っていてください。」


廊下を忙しく歩く音がする。母は、鼠が、入るくらいの隙間を開けて

「ひかる。お客様だよー」母がそう告げる。

母の足音が、遠のいていく。

「ミチカ、行くよ!」

「おう!主様!」

私は、巫女服に着替えて、お客様の所に向かいながら、ふと思う。

(なんで、お客様の前に出る時は巫女服じゃなければ、いけないんだろう。前、父様が言っていた気がするんだけど)


「お待たせしてしまいすみません」

私は、後ろ手に襖をしめながら、そう言い、1人の老人の前に座った。

「ひかる様。覚えてらっしゃるでしょうか?わしは、老耄ですが、十二神将の朱雀の名を賜っている。印鑰有馬です。ひかる様が、幼い頃によくお会いしてたのですよ。」

「有馬さん、お久しぶりです。今回はどのようなご要件です?」

「実は……」

有馬が重々しい口を開き、語り始める。

「わしの、傘下の家に不可解な出来事が起きているのです。」

「我が一族は、代々占術が得意としてる故、戦闘が得意な人はわが、孫息子の葵のみ。ですが。。」

有馬は口ごもった。

(!?葵くんがどうしたんだろう?)

『葵は、霊力が強すぎて暴走するかもしれなかったから、今は、霊力が封印されてるんだよ。』

ミチカが教えてくれた。

『わしのことは、膨大な霊力を持つ者しか見ることが出来ない。霊力持たない者には、気配も感じることが出来ないだろうよ。そこの有馬は、前は、膨大な霊力があったから見えていたが、年齢を重ねるうちに霊力が弱まったため、今は、気配を感じることしか出来ないだろうな。』

ミチカがそう言った。


「ひかる様。近くに何かおられるのでしょうか?ふと、気配を感じたものでして。」

「近くに、ミチカがいますよ。」

「ミチカ殿がおられるのですか!?今は、ミチカ殿の姿を見ることも出来なくなってしまった。。」

有馬は、目が虚ろとなりそう言った。

「では、依頼のことについて、もう少し、詳しく教えてくれませんか?」

「はい。」

「わしの印鑰家は、古くからひかる様、、乙茂内家から、十二神将・朱雀の位を頂いており、ひかる様、、乙茂内家には及ばずとも、傘下の方々が、古くから、大勢仕えてくれていました。」

「そして、今から1300年前の、蘆屋道満との、争いの際にも、仕えてくださっていた、一族の方々も、少なからず、いるのです。」

「わしら、印鑰家は、古くから、占術を得意とする者が多く、わしら、印鑰家に、よく相談事をしてくれる方達がいました。その人たちは、印鑰家の傘下として仕えてくださっています。ある日、突然、傘下の方にとある、相談をされたことが、全ての事の発端でした。」

「どのような、話だったのですか?」

「それは、ある夏の、今日のように蒸し暑く、アイスのように溶けそうになるほど暑い日のことでした」

✄------キリトリ------✄

ヒューー、ストン。式盤を見、占術を行っていた、印鑰有馬の元へ、軽く音を立てながら、1枚の紙が落ちてきた。

いや、紙ではない。常人には、気色の悪い、人の形に切られた、1枚の紙のように見えるだろう。

だが、霊力が強い者、あるいは、祓い屋の者には、1目見ただけで分かるだろう。

それは、人型をした紙のような物に見えるが、実際は、祓い屋が同業者に対して、連絡手段として扱う、式神である。

式神には、術者の思いが込められてあることが多く、霊力が多い者は、触れるだけ、あるいは、手をかざすだけで、思いを読み取ることが出来る。

有馬は、占術の手をとめ、人型をした紙のような物に向き合い、手をかざした。

有馬の脳内を走馬灯のように、駆け抜けていく。






有馬は、膝から崩れ落ちた。

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