プロローグ
祖父が亡くなったらしい。
享年60歳。人生100年時代と呼ばれる今日では、少ないように感じるだろうが、私の家系、「乙茂内家」では、長生きである。祖父は、皆から慕われていた。
我が一族は、先祖代々、祓い屋をしており、祖父が、当代随一の霊力を持っていた。私は、祖父の血を濃く受け継いでおり、小さい頃から色々変なものを見ていた。
そして、祖父が亡くなった今、私が何故か、次期当主に抜擢された。
「ひかる、じいじが遺してくれたもの、見つかったよー!」
母の声だ。祖父の遺書に、次世代の当主に、自分の持ち物は、全て渡して欲しいと書かれていたらしく、母が探してくれていたのだ。がたっ。母が箱を置く。
「ここに置いとくからね」そう言い、母は立ち去っていく。
(……る、……かる、ひかる……ひかる)
なんか、声が聞こえた気がする。
(かる……ひかる……ひかる!!)さっきより大きく呼ぶ声がした。
すると、ボンッという音と同時に煙が出てきて、煙が消えたに。そこには、1人(1匹?)の猫耳が生えた男の子が出てきた。
『お主は、ひかるか?』
「そうだけど、、」
『それじゃあ、今から、お主は、わしの主様なのだ。』
「え、どういうことなの?」
『お主、聞いておらぬのか?乙茂内家の、当主は、代々わしの主様となる。わしは、天下五剣は、1振り、三日月宗近、ミチカと呼んでくれ。これからよろしくな。主様。』
そうして、私は、乙茂内家の当主として、日々の依頼をこなしながら、普通ではない、高校生活が幕を開ける。