作戦までの準備
「…人が居るな。」
「何、当たり前のことを言っているんですか?」
俺は、町の広場に来ていた。
まるで、いつものように人々はただどこかへと歩いていた。
他の世界から来た、俺のことなど関心がないかのようにただうつろ気な目をして、下を向きながら歩いていた。
ただ服装が違うだけの人々だった。
「見慣れた光景だな。」
「そうですね…でも、珍しいんですよ。こんな光景は、なんせこの世界全体での人口は魔族も含め37億弱くらいしかいないので。」
「俺の世界の半分くらいの人口なんだ。…ところで、これからどうするの?」
正直なところ、どうでもいい…。
早いところラグナロクを起こして、家族を取り戻さなくてはいけない。
だから、観光している暇はない。
とはいえ、少しは気になっているのも事実だ。
そして、もう一つ。
自分の服装がずれていることだ。
居心地が悪い…そんな気分だ。
けれど、そんなことお構いなしな神様は俺のことなど気にしてはなさそうだった。
1999年まで、よほど時間があるのだろう。
そもそも、現在何年なのかわからないのだが…。
中世くらい?それとも、ローマくらい?
何か明確な物があればそれでよいのだが…他の人(異世界人)が着ている服が人口繊維っぽくも見える。
手縫いではなく、明らかに何かしらの機器を使っているのは確かだ。
それと、自動車や自転車の類も無いから日本だと文明開化より前だと思う。
とはいえ、街灯が作られていることに妙な違和感があった。
「これからですか…そうですね。まずは仲間を集めてフラグを建てて行きましょう。」
「フラグ?」
「はい、イベントのフラグです!」
「…恋愛関係の?」
「それを立てるかどうかは陽斗様の自由です!ですが…大変言いにくいのですが…その…男女の仲になってしまい…その…パートナーが…ごっ…ご懐妊になりますと…帰り辛くなりますよ?」
「…いや、そこまで考えてなかった。」
「まあ、女遊びは火傷するのが落ちですよ。なんせ、藤原様は女の子をたぶらかしてそのままどこかへ行ってしまわれましたからね。…もう、彼は帰ってきません。そんな彼のことを彼女達はいつまでも待つのでしょうね。」
「…藤原は、そんな女性を弄ぶようなことをしていたのか?」
「それは、もちろんですとも。酒によったり、薬で逆に誘われたり、ここ最近は娼館へ…そんな感じでした。けれども、魔王を討伐しようとフラグは建てていましたよ。」
「そうなんだ…。」
女遊びは…健全なそう男子であれば誰もが夢見ることだ。
…けれど、俺はまだ18じゃないし。
行くとしたら娼館がいいのかもしれない…いや…待てって。
「はあ…。」