異世界の神様
この世界を犠牲に…彼女は確かにそう言った。
「…どういうことだ?」
「…そうですね、驚かれますよね…でも、なんというかその…はい…。」
「だから、一体どういうことなんだよ!…いきなりこんなところに連れて来られて!」
俺は、彼女…フレイアに激しくて言い寄った。
すると、彼女は顔を曇らせた。
俺はその表情を見るや…少しつらくなった。
しかし、俺はまだひどく動揺していた。
「…聞いてください。」
彼女は、そんな俺を直接見ないようにしながら話し始めた。
「この世界は、とある方により作成されました。私は、そのお方からの命により…いいえ…藤原颯真様の魔法によってこの世界そのものは作られ、私は、世界が作られた時に産まれ…この世界を管理する言わば神様として藤原様を世界へと誘う役目…と言いますかイントロダクションの為にだけ生産されました。しかし、藤原様は元居た世界に引き戻されてしまいこの世界だけがただ…残されました。現在も藤原様がこの世界の最高権限者もといプレイヤーとなっていますが…おそらく彼が戻ってくることはないでしょう…。藤原様は魔法が使えるお方でした。…それは、藤原様が元居た世界でも同じでした。私は、彼にいくつか質問をしその後も彼の動向をモニタリングし続けました…彼の意志ではなく私個人の意志でした。なぜ…藤原様がこの世界から引き戻された理由は、藤原様が居た元の世界で魔法が消失したからです。」
「…ええっと…つまりどういうことなんだ?」
「この世界は人の手により作成されました…ということです。」
「…世界を作ったって。」
「藤原様と同じような人はたくさんいましたので…珍しいことではありません。」
世界を作った…魔法?
そんなことできるわけない…。
「いや…だけど…それじゃあ、なんでそんな世界に俺が…。」
疑問に残るのはそこだった…そもそも藤原という奴が何者なのかも彼の世界がどういうものなのかも知らないが今、気になるのはそこだった。
「先ほど言ったように藤原様の世界では魔法が消失しました。その影響で自分が作り出した世界で生活をしていた言わば魔法使いの方々は魔法が消失した際に自分達が暮らしていた世界…元の世界に引き込まれました。…そもそも、世界を作るのには大規模なエネルギーが必要でした…そのエネルギーを確保するには他の世界…時空間のエネルギーを利用することで世界を確立させたようです。そのため、時空間自体にひずみが生じてしまい…結果としていくつかの世界が干渉を起こしてしまい。今回の陽斗様の街のような出来事が発生しまいました。…この世界の神…いいえ、藤原様…主の世界の代理として申し訳なく思います。…ごめんなさい。」
俺は、フレイアの話を聞き終わるとため息をついた。
どうやら俺は、その身勝手な神様達のせいでこうなってしまったようだ。