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護衛旅 ハクの異変 3

 ライムにアイスボールと野菜(薬草入り)の炒め物。


 ニールとスレイにはハーピー出汁の野菜とキノコと卵のスープ。


 依頼人夫妻はお粥をリクエストしてくれたので、出汁巻き卵とオークのしぐれ煮を添えて出す。


 みんなにあわせた朝ごはんはそれぞれに大好評だったけど、我が家の一番の食いしん坊、ハクだけは何も食べてくれない。


 ライムの進化の時、ライムの抜け殻を見た私がハクの声も届かないほどの恐慌状態になってしまったことを拗ねているのかな?とも思ったけど、どうやら違うらしい。


 だって、食事が終わって後片付けをしようとすると、木の上から降りてきて私の肩に乗ってくれ、可愛らしい頭を私の頬にすり寄せてくれたから。


 ……でも、何も話してはくれないんだよね。


 出発した馬車の中でハクをなでなで・もふもふしても嫌がるそぶりもないし、反対に気持ちよさそうに目を細めているから、お昼は食べてくれるかな? と期待をしたけど……、やっぱり食べてくれない。


 ライムやニールやスレイに理由を知っているかと聞いても、みんなは知らないと首を横に振る。でも、質問に答える時にみんなの視線が微妙に泳いでいることから、何かを知っていて隠していることは明白だ。何よりも、みんなもハクの異変に気が付いているのにいつも通りにきちんとごはんを食べているんだから、理由を知らない訳がないよね?


 夫妻もハクの体調を心配してくれたので大丈夫だと伝えはしたけど、大丈夫だなんて欠片も思えない。


 だって、その日は1日中、ハクは何も食べないし可愛らしい声を一言も聞かせてくれなかったのだから。












 夜番をニールとスレイにお願いし、私は馬車の中で眠ることにした。


 帆布を枕の形に折りたたんで、上から大きな毛皮をかぶせて枕カバー&敷布団に。横を向いて腕の中に小さなハクとライムを抱き込んだら、インベントリからビジュー像を取り出す。


 普段は枕元なんだけど、今日は目を開けたら私とビジュー像の視線が合う位置に。


 これで今夜の就寝準備は完了。後は眠りにつくだけだ。


 いざ!!












 目を開くと、そこは一面の花畑。白くて小さなかわいい花が風もないのにゆらゆらと揺れている。そして視線の先には、優しく微笑む美しい女性。


「おはよう、ビジュー」


「ええ。おはよう、アリス」


 いつ見ても麗しい、この世界の女神ビジューだ。


 ハクの生みの親。


 ハクの異変の理由、ビジューなら知っているに違いない! と縋るように見つめると、ビジューは少しだけ困ったように微笑んで、


「ちょっとおしおきしているだけだから、アリスは何の心配もいらないのよ?」


 今回の大事件、犯人は自分だとあっさり自供した。



ありがとうございました!


短くてすみません!!

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