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護衛旅 ハクの異変 2

 不安だったと語り、小さくなってしまったライムを心から心配してくれる依頼人夫妻に嘘を吐くのは気まずいけど、本当のことを全て話すわけにもいかない。


 仕方がないので予定通り、嘘を交えた説明をすることにした。


 夫妻がある地点から進めなかったことについては、ほぼ正直に。


(ハクが)夫妻を守る為に張った結界は外側から魔物の侵入を阻むだけでなく、夫妻が間違って結界の外に出て危険に晒されることがないように、内側からも出られない仕様にしている。


 睡眠中に魔物の咆哮などで起こされることのないように、また、私たちの声に気付いた魔物が近寄ってこないように、音も遮断するタイプの結界を張っているのだと。


 ライムの変貌については、真実に嘘を交えながら。


 ライムの身の安全の為に口外していないのだけどライムはスライムの変異種で、体の中に蓄えた栄養をリッチスライムのように肥料にすることができるのだと。


 今まで吸収していた魔物の廃棄部分などを全て栄養たっぷりの肥料に変換し私にプレゼントしてくれたので、ライムの体はほぼ核の大きさにまで縮んでしまっているけど、ごはんをたっぷり食べ続けていれば、すぐに元の大きさに戻るから心配はいらないと。


 私たちが揃って結界の外に出ていたのは、ライム出してくれる肥料の総量の確認と受け渡しの為に広い場所が欲しかったことと、最近は強い魔物との戦闘をしていなかったから、体が鈍るのを嫌がった従魔たちの要望で戦闘訓練をしていたからだと。


「……オウルベアはCランクでも上位の魔物だったかと?」

「うちの仔たちには物足りなかったみたい」

「……そう、ですね」


 結界の性能に感心し、ライムの特技に声を出して驚きながらも大人しく説明を聞いてくれていた夫妻だけど、主従揃っての戦闘訓練の理由には引っかかりを覚えたらしい。


 私たちが最近狩ったオウルベアのランクを口にしながら従魔(ハク)たちを見回すので、うちの従魔たちの方が断然強いことを自慢する。あっさりと納得してくれたのは、道中での皆の狩りの様子を見ていたからだね。


 説明を終える頃には空が明るくなり始めていたので仮眠は諦めて朝ごはんの支度を始める。


 とてもちっちゃくなってしまったライムの健やかな成長の為にも、おいしい物をいっぱい作らないとね!










 今日の朝ごはんは何がいいかなぁ?


 ジューシーなハーピーのから揚げ? それともガッツリとオークカツ丼? やっぱりキラービーの蜂蜜を使ったジンジャーオークステーキ?


 なんて考えていたのに、


(アリス~。ぼく、アイス(アリス)がたべたいの!)

(我らは以前に作っていただいた野菜とキノコと卵のスープが残っていれば……)


 ライムを始め、従魔たちから別の料理をリクエストされてしまった。


 お肉大好き!なハクはどうかと聞いてみたら、ちっちゃな口を大きく大きく開けて欠伸をすると、近くの木に登って目を閉じ、うつらうつらと仮眠を取り始め……。


 え? ハク!? もしかして朝ごはんを食べないつもりなの?


 呼びかけても目を閉じたまま降りてこないハク。


 ライムを進化させる為に、頑張り過ぎて疲れちゃったのかな?


 なんて暢気に思っていたんだけど……。


 ハクがごはんに興味を示さないなんて、ものすっごく! ものすっごく、おかしいことだよね?


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