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護衛旅 ライムの進化? 4

<リッチスライム>から進化したライムはどんな種族になったのか?


 ワクワクしながら聞いてみたら、答えは、<リッチスライム>のままとのこと。


 てっきり別の種族(少し硬くなった気がするからメタルとか?)に生まれ変わったのかと思っていた私はちょっとだけ拍子抜けした気がしたんだけど、


「ぼく、ポーションをつくれるようになったよ! あとね、カラダのケガと、カクのケガもすこしくらいならすぐになおりそう! ためしてみる?」


 嬉しそうなライムの自己申告に衝撃を受けた。


 ポーションを作れるのも凄いけど、自然治癒力が上がったのは本当に素晴らしい! 


 怪我をする可能性のあるところにライムを連れて行く気はないけど、それでも何が起きるかわからないからね。


 普通のスライムは核に傷がついたら死んでしまう。もちろん体の損傷が激しくても死んでしまう。なのにスライム種はとても弱いから、大人が木の棒で力いっぱいに殴っただけでも死んでしまうことがある。


 だから、もしも私が気が付かない所で、私のいない所で怪我でもしたら……、と思ってついつい過保護になっていた自覚はあるんだ。


 でも、治癒力が高ければ、少しの怪我が致命傷になることを防げるかもしれない。今までよりも少しだけ、ライムを自由に遊ばせてあげることができるかもしれない。


 実はなかなかに活発なライムののびのびと遊ぶ姿を想像し、頬が緩んでしまった。


 でもね? どこまでなら大丈夫かなんて❝お試し❞はしなくていいから! そんなに楽しそうに、自分から痛い思いをしようとするのはやめて!?












<リッチスライム>の特性は、体に蓄えた栄養を使って肥料を生み出せること。


 ・ポーションを作り出す

 ・核に多少の傷がついても(多分)大丈夫。自分で治せる


 こんな個体を<リッチスライム>と呼ぶのはいかがなものか?


 という疑問はあるけど、特別な種族(ただでさえリッチスライムは特殊個体)としてこれ以上の付加価値を宣伝する気はない。ライムが攫われる可能性は少ない方が良いからね。


 だから今まで通り、ライムには普通のスライムのフリをしてもらうことになったんだけど……。


「ライム、随分と可愛らしくなっちゃったよねぇ。もともと可愛かったけど……」


 今のライムの大きさは、私の親指の爪とほぼ同じ大きさ。核とほぼ皮の状態だ。核を守る為のジェルがほとんどない。


 こんな状態で依頼人夫妻と顔を合わせたら、すぐに何かがあったのだと気が付かれてしまうだろう。

 これをどうやってごまかすか、なんだけど……。


「あの夫妻には、ライム兄さまが<リッチスライム>であることを告げ、肥料を大量に出した後だから縮んでいるのだと説明してはいかがでしょうか?」


 今回はスレイの提案に乗ることにした。


 ライムのことを可愛がっている、というより解体仲間だと思っているあの2人なら、きちんと説明をして口止めすれば黙っていてくれると思うから。


 本来は肥料を大量に出したからといって体が縮んでしまうことはないんだけど……、ライムはそういう特殊個体だということで押し通そう。


 もしも、万が一、夫妻が誰かにしゃべったとしても、私たちには従魔部屋(ハウス)があるしハクの【結界】魔法だってある。ライムと出会ったばかりの頃とは違って、今なら誘拐犯からライムを守ることは難しくはないだろう。


 もちろん、余計なトラブルの種は撒かない方がいいんだけどね? ポーションまで作れる特殊な個体に進化したとバレるよりは、危険は格段に少ないと思うんだ。


 そうと決まれば早速みんなで打ち合わせ。その結果、


 ・ライムの体の色は、普通のスライムに擬態したままの水色にしておく。体色を自在に変えられる<リッチスライム>よりも、<突然変異でなぜか肥料を生み出せるようになったスライム>の方が希少性が低いと思うから。

 ・今は体が小さくなってしまっているけど、ごはんをいっぱい食べてご機嫌に過ごしていれば、すぐに元の大きさに戻るから心配ない。と説明する。


 この2点が決まった。


 ライムがポーションを作れることは当然内緒だ。


 ちなみに、ライムと実験した結果、ポーションを作る為には<薬草>を食べておく必要があることがわかった。品質は食べる薬草の品質次第。良い状態の薬草に【クリーン】を掛けたものを食べると、私の作る下級ポーションと同等の品質のポーションを作ることができた。頼もしい♪


 当面は薬草を大量にストックしておくことが課題になった。もちろん私も【複製】するけど、薬草の群生地を見かけたら、ひたすら採取(当然、根こそぎ採ったりはしないよ!)する予定だ。


 ここまで話が決まったら、あとはオデッタたち(いらいにんふさい)が目を覚ます前に野営地に戻らないと! もうすぐ夜が明けてしまうからね。


 夫妻が起きた時に私たちが誰もいないと2人が不安になってしまうかもしれないから、大急ぎ!


 ハクとライムをそれぞれ私の肩に乗せ、ニールとスレイに先導されながら野営地に向かって歩き出す。


 ああ、野営地に着いてしまう前に、ハクに聞きたいことがあったんだ。




「ねえ、ハク? どうしてさっきから、何も話さないの?」


ありがとうございました!


投稿が予定時間より遅くなってしまってすみません><

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