護衛旅 野営2 2
晩ごはんの後は、ちょっとのんびりティータイム。
寝る前だから、カモミールティーを楽しみながらのおしゃべりタイムだ。
どうしていきなり<米料理>だったのかと聞いてみると、2人の泊まっていた宿でお馬さん達の餌にお米が入っているのを見たかららしい。
今までなら気にも留めなかっただろうその光景を見て、2人が感じたのは❝もったいない!❞という気持ちだった。
旅の間に私の出していたごはんでお米のおいしさを理解している2人はこれを❝商機だ!❞と感じ、今夜のごはんのリクエストに繋がった、と。
「やっぱりとっかかりは❝白いお米とおかず❞よりも、米を使った料理の方が受け入れられやすいと思ったの」
オデッタに言われて思い出したのが、日本でたまに食べていた雑穀米のこと。
職場の先輩に「栄養価が高くておいしいの!」とお勧めされて買ってみたんだけど、普通にご飯として出すと流威の反応があまり良くなくて……。
それでも流威は文句も言わずにきちんと残さずに食べてくれていたんだけど、可愛い弟にはおいしくごはんを食べてもらいたくて白米に戻したんだ。流威の分だけ。それを見た流威が「2種類も炊くの面倒だろ? 俺も雑穀米で良いから、一緒の食べよ」と言ってくれて嬉しかったな……。
だから流威もおいしく雑穀米を食べられるようにと考えて、炒飯にしたりカレーにしたり中華丼にしたりロコモコ丼にしているうちに少しずつ雑穀米に馴染んだようで、普通にご飯として出してもおかわりまでしてくれるようになったんだ!
そのことを思い出してオデッタの言うことに頷きを返していると、我が意を得たり!と満面の笑みを浮かべた彼女に、
「他にもあるんでしょ? あるわよね!?」
期待に満ちた眼差しで聞かれ、❝色々あるよ! 例えばオムライスとか❞と答えようとしてハクに止められた。
「うん、色々とあるよ。でもまだ商業ギルドに申請を出していないから、ごめんね……?」
「あ……、そうなの? わかった。ギルドに申請出すの待ってる!」
「ふむ。定住先が決まったら、アリスさんの名で登録が出されたらすぐに連絡をしてもらえるように手配しなければ! それと米の仕入れルートの確立だな!」
依頼人として一緒に旅をし、友人のような立ち位置になって来たとはいえ、2人は商人さん。商人さんを相手に、権利を得ていない新作料理を軽々しく出そうとしたことを反省しながらごめんなさいを伝えると、夫妻はそれ以上を聞き出そうとすることなくあっさりと納得してくれる。
うん! やっぱり2人はとても良い依頼人で信頼できる人たちだ。
とても嬉しかったから、旅の間、2人が過ごしやすいように、少しでも商売の手助けができるように頑張ろうと気合を入れ直した。
2人が寝るためにテントに入ったのを見届けて、私はかまどの前に陣取る。
さて、調理途中になっている<熊肉料理>の仕上げをするぞ! ハクとライムの催促が凄いからね!
ありがとうございました!
とっても短いお話ですみません。
執筆中にパソコンの前で寝てしまい、時間切れに……。




