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護衛旅 集落 13 でも野営 ……はトラブルを招くらしい 3

 熱したフライパンに溶いた玉子を絡めたご飯を投入! 塩胡椒で味を付けているからこのまま炒めてもそれなりにおいしくなるとは思うけど、今回はフライパンに広くご飯を広げてお玉でペタペタと平らに均し両面をこんがり焼いたら、マヨネーズを塗って、


(てりやりハーピーが良いのにゃ♪)

(ぼくはたまねぎ~!)

(わたくしはセロリかしら)

(我はにんじんが良いですな)


 従魔たちに食べたい食材の希望を聞く。


 今回はた~っぷりの照り焼きハーピーをごろごろ乗せて薄~くスライスした玉ねぎを敷き、細かく切ったセロリを散らしてから薄くお花のように切った人参を飾って、上から細かく摩り下ろしたた~っぷりのチーズを乗せて焼くと、


「は~い、ライスピザが焼けたよ~!」


 今日の晩ごはん、みんなの好みを反映させた<ライスピザ>の出来上がり♪


 均等にカットして、自分の分だけお皿に取ってインベントリに収納してから、


「熱いから火傷をしないように気を付けて召し上がれ♪」


 残ったライスピザを取りやすいように少しずつ離してお皿に置いたら、後はみんなの良いように!


(おいしいのにゃ~! 次はオークが良いのにゃ。 ピリッと焼いたオークにゃ!)

(おいしいね~! ぼくはつぎもたまねぎがいいの~)

(わたくしは次はきのこが良いですわ! 主さまのごはんはおいしくて、いくらでも食べられるので困ってしまいますわ!)

(我は芋が良いですなぁ。主の作られるものはどれもこれも美味なので焼き上がりが楽しみです!)


 今度はソースをケチャップに変えて、オーク肉の塩胡椒焼きと玉ねぎ、ポルチーニ茸と千切りにしたジャガイモを乗せてあとは同じ手順でまた焼くだけ。


 これも自分の分を一切れだけキープしたら、次、次、次、と従魔たちのリクエストを聞きながら、延々とひたすらライスピザを焼き続けた。


 結果的にすっごく待たせてしまったからね。満足するまで、いくらでも食べておくれ♪










 私のインベントリの中のライスピザが軽く10種類を超えた頃、やっとみんなの食欲が落ち着いたらしい。


 ずっと焼き続けていた私もやっと晩ごはんを食べられると、喜んで自分のピザをテーブルの上に並べると、突き刺さるような強い視線を感じて思わず振り返ると、


(ハク……、香りをあっちに流したね?)


 結界にへばり付く勢いでこちらを覗き込んでいる男女の姿があった。


 ニヤリとワルイ表情で笑うハクの顔が私の質問への答えだ。


(お仕置きなのにゃ~♪ よだれを垂らしたまま朝を迎えたらいいのにゃ!)


 どうやらさっきのことを根に持っていたらしいハクの、ささやかな報復らしいんだけど……。


 うん。すっごく食べ辛い。


 従魔たちみんなが食べ終わっているせいで、今から食べ始める私へ集まっている視線の強さが半端じゃなく、後ろを向いていても視線が突き刺さってくるんだ。


 幸いに声は聞こえてこないから、背中を向けたまま我慢して食べ始めたんだけど、


 おバカさんが1人、私の側面に回って来て結界にへばり付いて来たので、ライスピザを持つ手が止まってしまう。速攻でパーティーの仲間たちが回収に来てくれたんだけどね? 彼らの視線も一度はお皿の上のピザと私が持っているピザに止まるので、もう、食べ辛いのなんのって……。


(ハク? 責任を取って、くれるよね?)


 仕方がないから、この状況を作ったハクに責任を取ってもらうことにする。


 私としては、結界に色を付けてもらって、向こうからもこちらからも見えなくするとかを期待していたんだけど、


(ハ、ハク!? どうして結界を解除しちゃうの!?)


 ハクの行動は私の期待とは真逆のモノだった。


 こんなに強い視線の中、どうやって私はごはんを食べればいいのーっ!?


本日も、ありがとうございました!

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