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護衛旅 野営 8 戦利品披露2

 食事の後は、今日の戦利品の仕分け作業だ。


 おいしい蜂蜜を使った料理は大好評!だったので、キラービーの蜂蜜は売らずに私たちの食料とすることに決定した。


 当然【複製】スキルを使ってたくさん増やすけど、依頼人夫妻に私の【複製スキル】がバレるといけないので、複製分は2人と別れるまでこっそりと大切に保管することになったんだ。


 毒針は半分を冒険者ギルドに納品、そのまた半分を夫妻に売ること。


 そして<ローヤルゼリー>は、


「凄いわ! これが噂で聞く、献上品のローヤルゼリーなのね?」


 オデッタの一言で、今回は売らずに置いておくことになった。


 この世界でもローヤルゼリーは疲労回復や滋養強壮に効果があることが知られているが、採取量に限りがあるので権力者たちが独占状態にあるらしい。だったらここで売ってしまうのは勿体ないって話になったんだ。


 ちなみに私たちの食料にはしない。最初に味見をしたハクが、


(にゃ!? なんかピリッとするのにゃ……。おいしくないのにゃ~…)


 って言うものだから、その後は誰も食べたがらなかったんだ。オデッタたちも高価で貴重な品だからと味見を遠慮しちゃったし。


 で、熊。オウルベアはの毛皮は夫妻に売るけど、肉の方は食べてから決めることにした。調理に時間がかかりそうなので、とりあえずは保留だね。


 ってことで、全てが終わっても寝るまでには時間の余裕があった。


 料理の仕込みでもしようかと思ったんだけど、今日は夫妻も採取を頑張ってくれたことだし疲れているだろうし……。


 ハク達と相談の結果、少し早いけど夫妻にはもう休んでもらうことにした。


 テントに入っていく夫妻を見送って、まだ眠たくない私たちはもう少し起きていることに。ただなんとなく何かをしよう!という気にもなれなくて、帆布に転がってスレイのお腹を枕にのんびりと星を眺めていると、


(ハンモックをだしてほしいの!)


 ライムからリクエストが入る。ハンモックに揺られながら星を眺めるのも悪くないね!


 早速近くの木にハンモックを設置してまずは私が横になる。それからライムを私のお腹に乗せると、ライムの上にハクが伸びて……。なんだか親亀・子亀・孫亀のような体制(お腹だけど)になったけど、そんなに重たくないから気にしない。


 2匹の温もりを心地よく感じながらゆったりと星を眺めていると、


「何それ! 楽しそうね!?」


 トイレの為にテントから出てきたオデッタが、目をキラキラさせながら近づいて来た。


 初めて見るハンモックに興奮して眠気が飛んでしまったらしいく、トイレから出て来ても、テントではなく私たちの所へ走ってくる。


 ハクとライムが顔を合わせて苦笑しているので、ここはオデッタに譲ることにした。


 初めてのハンモック体験でハンモックから転げ落ちかけたオデッタだったけど、とっさに支えてくれたニールのお陰で怪我もない。ご機嫌で笑っているオデッタの声に釣られたのか、アルフォンソさんまでテントから出て来て、目をキラキラさせながらオデッタとハンモックを見つめている。


 アルフォンソさんは寝心地よりもハンモックの作り方が気になるようで、じっと編み目を見つめているので、


(今夜はここまでだね)


 ハンモックは夫妻に明け渡すことにした。












 今日もハクの結界のお陰で夜番の必要はなし。依頼人を外に置いたままテントに入るのは護衛としておかしな姿だろうけど、まあ、いいだろう。


 夫妻に夜更かししないようにだけ声を掛けてテントに向かっても、2人とも何の不安もないようにハンモックにはしゃいでいる。


 これが信頼ってヤツ? でも、もう少し警戒したほうが良いんじゃないかな~? 


ありがとうございました!

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