護衛旅 野営 4 朝の恒例(になるかもしれない)
すっごく短いです。ごめんなさい!
通常旅の間は朝の暗い内に起き出して支度を済ませ、明るくなると同時に出立をするらしいけど、
「ああ……。私の体はこれを欲していたんですね。何と優しい味なのか」
「起きた時は、朝ごはんを食べなきゃいけないんだ……って思ってたけど……。私、これならいくらでも食べたいわ!」
私たちは日の出とともに朝ごはんを食べ始めた。
疲れが出てしまったオデッタが、どうしても起きられなかったからだ。
本人は何とか起きようと頑張っていたんだけどね? トイレに行こうとしては躓いて転び、テントを畳もうとしては機材に頭をぶつけたり足を引っかけている姿を見て、もう少し寝かせることにしたんだ。
オデッタは、
「移動中の馬車で寝られるから予定通りに!」
と頑張っていたけど、ガタガタ揺れる馬車の中ではゆっくり休めないことは私たちも体験済みだ。
長旅では体調を崩さないことが一番大事! 休める時には遠慮なく休む! と旅の先輩っぽく偉そうに言うと、安心した様なふにゃりとした笑顔を浮かべ、その場で座り込むとすぐに寝息を立て始めた。
夫妻のテントは片付け始めていたから中では寝られないと判断したんだろうが、座ったままでは疲れが取れないだろう。
私たちのテントを提供すると、お姫さま抱っこでオデッタをテントに運んだアルフォンソさんは、外からでも寝ている彼女の様子を見られるテントに改めて感心してした。
で、今。疲れている体に優しいごはんということで、これまた定番のほんのり塩味<芋粥>と椎茸と野菜くずで出汁を取り、柔らかく煮込んだハーピー肉だけを入れた<茶碗蒸し>を出してみたんだけど。
うん! しっかりと食欲があるようで良かったね!
嬉しそうに自分たちでお代わりをよそっている様子は元気そのもので、今日の旅も安心して進められそうだ。
うちの仔たちも今朝は2人に遠慮することなくしっかりもりもりいっぱい食べていて、リクエストのおかず(主に野菜炒め。カットしていた野菜を従魔たちの好みで組み合わせて炒めるだけ)を用意する私も楽しい気分になった。
「えっと…。アレの処理したらいいですか?」
食事の終わったアルフォンソさんが指差した木の向こう側の一角には、夜の間に私たちを襲って来た魔物が積んである。
頭を潰されたゴブリンやら、首を掻き切られたコボルトだから、始末してくれたのはハクとスレイとニールだね。素材としては旨味のある魔物ではない。
これに気が付きながら食欲を落とさなかったアルフォンソさんに密かに感心しながら、魔石と討伐部位を取ってくれたら後は好きにしていいと伝えると、2人はいそいそと剥ぎ取りの準備に掛かった。
魔石と討伐部位を取ったゴブリンは処理するしかないけど、コボルトの肉と毛皮と牙は売り物になる。
安いんだけどね?
それでもしっかりと丁寧に剥ぎ取りをする2人の姿に、満足そうに笑うハクの笑顔が印象に残った。
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