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基金を作ってみた

 頼もしい従魔(ハク)たちの活躍で当初の予定の何倍もの収益が出た。お陰でお財布は温かくなったんだけど……。


「みんなが直接稼いだチップ以外の収益を、使ってもいいかなぁ……?」


 領主(ルクレツィオさん)にお願いした「各孤児院の運営の正常化」。これは不正を正すだけではなく、それぞれの孤児院への経済面でのテコ入れも必要だと思うんだ。


 それで思いついたのが<基金>の設立。


 私がこの街で登録したレシピの使用料などから発生する利益の1%を積み立てる形で基金を設立し、その運営を総支配人さんか領主(ルクレツィオさん)か商業ギルドマスター(ネストレさん)にお願いしようかと思って。


 でも、その前に基金を設立するにも先立つものが必要で……。ごはん屋で出た収益をそれに充てられないかと、保護者(ハク)たちに相談中なのです。今回のごはん屋の立役者たちだからね、彼らが反対するならこの案はお蔵入りなんだけど……。


「……いいにゃよ? なんなら僕たちのチップも使ってもいいにゃ。でも、その代わり! 基金を設立したら、すぐにこの街を出るのにゃ! アリスがこの街にこのままいたら、ちっともお金が貯まらない予感がするのにゃ!」


「ぼくもいいよ~」


「我は主とハク兄上が決められたことに従いますぞ」


「ニールに同じく、ですわ」


 なんだかとってもあっさりと了承を得られた。この街を出ることは最初からの予定だったから、何の問題もないしね。


 次は基金を運営してくれる人の選定なんだけど……。面倒事を押し付けることになるのでどうしようかと迷ったんだけど、ここはこの街の領主(せきにんしゃ)であるルクレツィオさんにお願いしてみることにした。これはハクからの助言だ。


 私は商業ギルドにお願いしようと思っていたんだけどね? 当然手数料を支払う形で。


 でも、


「アリス……。何を寝ぼけたことを考えているのにゃ? こんなのは領主の仕事なのにゃ。手数料なんて、当然いらないのにゃ!!」


 とお叱りを受けてしまい……。それから冷静に考えてみたら、ハクの言うことが最もに思えたのでルクレツィオさんにアポイントメントを取ったんだ。総支配人さん経由で。そうしたら、


「こんにちは、アリスさま! 商業ギルドにもお手伝いをさせてください。無理なく、長く続けられるようなプランを考えましょう!」


「もちろん、わたくしたちにもお手伝いをさせてくださいますでしょうな? アリスさまのお考えは素晴らしい!」


 領主邸の応接室には、商業ギルド(ネストレさん)と総支配人夫妻も集まってくれてた。なんとも頼もしいメンバーだ!


 そこで相談をした結果。


 基金の名前は<ミネルヴァ基金>(なぜだか<アリス基金>って言われてたので全力で却下した。私財を投げ打って長年子供たちの面倒を見てきたミネルヴァさんの名前の方がふさわしいと思うから、ミネルヴァには事後承諾になっちゃうけど……。お名前をお借りします!)。


 拠出金は私の登録するレシピから発生する利益の1%の予定だったんだけど、これを0.5%に変更。


 運営は領主(ルクレツィオさん)が責任を持って行ってくれるけど、お目付け役として商業ギルド長のネストレさん、相談役として元家庭教師の総支配人さん、その妻のカッサンドラさんが基金の拠出者に加わってくれることになった。拠出金は商会の純利益の0.1%。


 ちなみに、商業ギルドと領主家からも拠出金が出るらしい。これはそれぞれの側近たちと相談が必要とのことなので、金額はわからないけど、気持ちが嬉しいよね!


 それから、なぜか、年に2回、会計報告書をモレーノお父さまに提出することに。……どうしてだろうね? 違う領の領主なのにね……?


 まあ、モレーノお父さまが絡んでくれたなら、どんな状況になっても不正は発生しないだろうから、そういうことなのかな?と納得しておいた。


 このメンバーで不正なんて、端っから疑いようがないんだけどね^^


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― 新着の感想 ―
[一言] >なぜか、年に2回、会計報告書をモレーノお父さまに提出することに。……どうしてだろうね? 違う領の領主なのにね……?  そらまあ、お宅の娘さんがこんなことを始めましたよ、娘さんのやったこと…
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