ミネルヴァ家 家族会議 6
もでさまから素敵なレビューをいただきました!
ありがとうございます!!
子供たちの見解はなかなかにシビアで、
「アリスさんは俺たち子供を信用し過ぎだよ! 目の前に美味しい餌をぶら下げられたガキは❝約束を守れない❞って覚えて置いた方が良い」
「そうよ。❝クッキーをあげるからお話聞かせて?❞とか言われたら、簡単に話しちゃうんだから!」
「そうだよな。今のアイツらは、美味いものに釣られたら簡単に口を割る。<沈黙の誓い>は絶対に必要だ。もちろん俺たちにも」
と言い切ってしまう。
まあ、確かに、今日のごはんに対して幼い子たちの不満は大きかったようだけど。というか、そもそもどうしてあんなに粗食になってしまったのかっていうのが疑問なんだけど。
「だったら食事の質を向上させればいいんじゃない? というか、どうして幼い子たちが不満に思うような食事にしているの? お金が足りない?」
とりあえずは、幼い子たちが文句を言わないようなごはんにすれば問題はないんじゃないかな? とかる~く、考えた私は、
「だめだよ! だって私たちは『村』に行くんでしょ? 村ではお肉を食べられないって聞いてるもん!」
「そうだよ! それに長期移動の間の飯は、噛み切れないくらいにかったい干し肉と歯が折れそうなくらいかっちかちのパンと水だって聞いてるぞ?」
子供たちの言葉を聞いてびっくりだ。
てっきり断られるんだと思っていた❝お引越し❞の提案が、子供たちの間ではすっかりと受け入れられていたのだから!
それに、ミネルヴァ家のごはんが寂しいものになっている理由が、❝引っ越し準備=粗食に戻ろう❞というものだったのだから驚かないほうが無理だよね? ミネルヴァさんの言ったことを信じるのなら、最近❝粗食❞にしているのは大きい子たちからの提案だっていう話なんだから、子供たちの計画性に感心させられる。
そこまでいろいろと考えて準備をしているミネルヴァさん&子供たちの忠告を、私は無視できない。
もう一度だけ、
「痛いの、平気? 小さい子たち、痛くて死んじゃわない?」
「平気だよ! 死なないよ!!」
しつこく確認して、子供たち&ミネルヴァさんの力強い頷きを見てから、
「裁判官さん。この家の子供たちに、<沈黙の誓い>をお願いします。職員さん、子供たちにもわかるように、簡単な言葉での誓いの文言を考えてください。部隊長さんは大きい子たちと一緒に、小さい子たちへの説得をお願いできますか?」
連れて来られた3人に小さくだけど頭を下げる。なるべく!子供たちの負担を減らす方向でお願いしたいから!
そんな気持ちがしっかり伝わったのか3人もしっかりと頷き返してくれたから、ここはまあ、お任せ。かな?
私の仕事は1人100万メレも掛かる費用を子供た全員分用意すること。
張り切って稼ぎに行かないと!と決意をしていると、
「実はマスターからアリスさまの口座の残高を記した物を預かってきています。必要でしょうか?」
商業ギルドの職員さんが、封蝋の押された封筒を手渡してくれた。
随分用意がいいんだな。と感心半分、警戒半分で封を割り、残高と共に一筆添えられた用紙を取り出して見ると、なぜだか記憶よりも大幅に増えている残高と❝各種レシピ等の使用料の支払いが始まりました❞とのメッセージが。ついでにモレーノお父さま経由で、とあるところからの振り込みも……。
とりあえず、今回の❝誓い❞に関する手数料を全額支払っても、私の口座にはまだお金が余る状態のようだ。
嬉しい反面、なんとなく戸惑いを感じてしまうのは……。私が根っからの小市民ってことの証明かな?
隣でにんまり笑顔の子猫と、無邪気に笑っているスライムがいるんだけど。私だけはこの感覚を大事にした方がいいんだよね? きっと……。
ハクとライムの順応性の高さが羨ましいなんて、ちっとも思っていないんだから!
ありがとうございました!
これからも頑張るぞーっ!
体力の続く限り……。
どこかの女神さま、大福に体力をください……。




