辛口なうちの従魔たち
本日、大変短いです。
ごめんなさい><
ラウルさんを見送ってから中庭に戻ると、出していた料理の皿はほとんどが空になっていた。主役のイザックとニールも満足そうな表情をしているし、これから仕事に戻る総支配人さんや料理長の都合を考えたらそろそろ頃合いかな?
中庭を貸してくれた総支配人さんに改めてお礼を言って、食事会をお開きにする。
テーブルなどの片づけは、警備員役を務めてくれていた従業員さん達がしてくれるということなので遠慮なく甘えて、お礼に栗の甘露煮を総支配人さんに預けておいた。距離は少し離れていたとはいえ、彼らの目の前で自分たちだけが食べていたのが心苦しかったから、少し多めにしておいた。
別れ際にイザックが、
「昨日の服もだが、今日の服も似合うな!」
照れくさそうに新しい服を褒めてくれるのを聞いて、
(遅いのにゃ~)
(きがついていたんだね~?)
(こんなに美しい主に対し、なぜ、会った瞬間に褒めんのだ? わからぬ……)
うちの従魔たちが厳しいコメントをしていたことは内緒だ。
女性の服や髪型の変化に気がついていち早く褒めるのが紳士の嗜みらしいけど……、冒険者のイザックにそこまで求めるのは酷だよね?
裁判所へ向かうと、クリスピーノ君が手を振って迎えてくれた。
今日もモレーノお父さまとお話をしたくて順番を取ってもらっていたんだ。一応昼くらいからと伝えていたんだけど、朝からずっと待っていてくれたことを職員さんが教えてくれた。随分と待たせたことを謝ると、
「アリスさんが来るのがお昼くらいでも、朝から立て込むことを考えて早めに順番を取っておくのは当たり前です。依頼人に不都合が起きないようにするのが俺たちの仕事なので」
朗らかに笑って首を横に振る。……これは、加点に値するよね?
ディアーナから聞いていた相場の依頼料に少し色を色を付けて、ついでに栗の炊き込みご飯のおむすびも一緒に渡して依頼完了とした。
嬉しそうに受け取ってくれたクリスピーノ君はその場で葉欄を開いておむすびを見た後「すっげぇ、美味そう!!」と目を輝かせ、すぐさまおむすびを包み直した。 葉欄に包んでいた理由を察し「またのご指名をお待ちしてます!」と挨拶をしてくれたらすぐさま出口に向かう。
以前みたいに「売ってくれ」なんて言い出す人が出たら面倒だもんね? 静かな場所でゆっくりと食べてね!
今日は部屋の準備ができるのをのんびり待っていると、目が合った職員さんがいたずらっぽい表情で「残念です」と言って笑った。「そんな風に言ってくれるなら、また、無理をお願いしちゃうかも!」と冗談で返すと、凄くイイ微笑みが返って来る。ハクが、
(賄賂が効いているのにゃ!)
したり顔で何度も頷いているけど……、そんなことないよね?
親切で気さくな職員さんに、あらぬ疑いをかけてはいけません!
ありがとうございました!
短くなってしまってすみません。
次回にご期待くださると……^^;




