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<運び屋さん> 3

 わざわざ私用に冷蔵庫や冷凍庫を作ってプレゼントしてくれたオースティンさんへのお礼はもちろん、マルゴさんの村長就任のお祝いやオスカーさんの<紹介状>が早速役に立ってくれたことのお礼。ルシアンさんと会えたことの報告や村を出てからのたくさんの出会いや出来事など、書きたいことがいっぱいで要点だけを書いたつもりの手紙は合計7枚の大作になってしまった。


 その間ず~っと待っていてくれたラウルさんには、ハクとライムが接待役として頑張ってくれていた。


 手紙を書くのに夢中な私のそばにやって来ては「お茶のおかわりにゃ。今度はフレーバーウォーターが良いと思うのにゃ」「オヤツがなくなったよ。すっごくおいしいってよろこんでたべてたの~」と細やかな気配りを見せてくれたり、<スレイプニル>に興味津々だったラウルさんにスレイを紹介してくれたり。


 憧れをいっぱいに詰め込んだ表情でラウルさんに褒め倒されて、ご機嫌に胸を張っていたスレイが可愛かったと後から報告を受けた。 …私も見たかったな!


 そのおかげでゆっくりと手紙を書くことができたんだから、今日の晩ごはんはみんなのリクエストを聞いてあげるつもり。好きなものをいっぱい食べてね~♪


 で、書き上がった手紙を預ける時に、ふと思いついたことがあったのでラウルさんに<運び屋>さんのことを聞いてみた。仕事の内容と依頼料のことを詳しく、ね。


 門の所で会ったのがラウルさん1人だったので彼だけで届け物をしているのかと思っていたら、実は彼以外にも4人の護衛が付いていると聞いてびっくりだ。


 考えてみれば、アイテムボックスの中とはいえ数千万メレの高額品を運んでいるのだから、それくらいの警戒は必要だよね。


 それでラウルさんが護衛の人たちの荷物も預かってそれぞれが騎馬でひたすら駆けるそうだ。魔物が出ても基本は進行方向に向かって逃げの姿勢。それが無理なら討伐するけど、死骸はそのままの大きさでラウルさんが持てそうなら持つ。持てないなら魔石以外はそっくり置いてくるのが基本なんだって。解体に費やす時間が惜しいから。


 そこまでして時間を短縮しても、距離によっては宿泊の必要があったり食事の調達が必要だったりと何かと経費がかかるので、彼(彼ら)に配達をお願いするのは結構高額になる模様。1件数十万メレから数百万メレが普通らしい。


 今回もそれなりに高額の依頼料を積まれたと(金額は教えてもらえなかった)聞くと、このまま貰いっぱなしにするのはなんだか申し訳ない気がする。


 ので! この件に関して❝お礼❞を返すことにした。


 ハクには、


(貰ったお礼にまたお礼を返すのにゃ? ……キリがないのにゃ~)


 と呆れられもしたけどね。でも、止めないってことは了承の印だ。


 ってことで、まずは依頼の為の資金を調達にいかないと!


 明日の朝、今度は宿を訪ねてもらう約束をしてラウルさんとは一旦お別れ。


 とりあえずは……。商業ギルド(ここ)で預かってもらっている、ミネルヴァ家産の野菜を引き取ってもらおうかな♪


ありがとうございました!

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