表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

52/763

マルゴさんの解体講座 3

一息ついたマルゴさんと、解体室に移動する。


「さて、今日は何から始める?」


「とりあえず、昨日のハウンドドッグをお返しましょうか?」


「そうだねぇ。それはルベンが来てからにしておこうか」


「では、ホーンラビットから」


 解体テーブルにホーンラビットを積むと、解体講座の始まりだ。


「ホーンラビットも魔石は心臓。討伐証明はこの丸い尻尾。素材は(ホーン)と毛皮と肉だ。

 まずは、頭を落として血抜きする。角は太く長い方が高値で売れるからね、途中で折らずに頭の骨ごと取っておきな。 尻尾はこのトレイに置いておく」


 今日もライムはバケツの中で待機して、廃棄部位を精力的に処理・吸収してくれている。


「それから腹を裂き魔石を確保したら、内臓を捨てる。 ライムちゃん、頼んだよ? 毛皮を剥ぐのはこの小さめのナイフが使いやすいね。4本の足からも丁寧に剥ぐんだ」


「足の毛皮は歪ですけど、使えますか?」


「尻尾を切ったところや、毛皮を剥ぐときに開いた穴を塞ぐのに使うのさ」


 なるほど。 丁寧に剥ぎ取る。


「やっぱり上手だね。 そうして骨から肉をはずして、一丁あがりさ」


「小さい分、楽な気がしますね」


「そうだね。さあ、サクサク進めるよ」


 そこから、私が2匹、マルゴさんが5匹解体するのに大した時間は掛からなかった。


「ホーンラビットは料理に使ってみたいので、譲れるのは3匹でいいですか?」


「ああ、だが、あと2匹残っているが?」


「あの2匹は少し状態が落ちるので、別枠かな、と」


 そう伝えると、マルゴさんは少しだけ考えて、


「【鑑定】。 あまり落ちてはいないようだ。 村にはその2匹をもらえるかい?」


 と言った。


「いいんですか…?」


「ああ、これで十分だ。安くしてくれるかい?」


「もちろんです!」


(マルゴはアリスを良くわかってるにゃ~)


 …? 品質が落ちていたら、値下げするのは当たり前だよね?


「ちなみに、相場はいくら位ですか?」


「ギルドの買値で1匹1000メレ。店舗持込で1200メレって所だ」


「値段からすると、なかなか美味しい肉みたいですね? 食べるのが楽しみです。  じゃあ、1匹分700メレで、合計1400メレでどうです?」


「…ありがとうよ」


(値引き過ぎにゃ。マルゴが呆れてるにゃー)


(え、マルゴさん、何も言ってないよ?)


(マルゴはアリスに慣れてきたから、何も言わないだけにゃ……)


 ハクと話している間に、ホーンラビット2匹の解体が終わっていた。


「毎度ありです♪  次は…、猪、ワイルドボア、オーク、バンパイアバットのどれにしましょう」


「そうだねぇ。小さいつながりで、バンパイアバットをやっつけちまおうか」


 バンパイアバットを全部テーブルの上に出すと、小さくても結構かさばる…。


「血は全部抜いているんだね?」


「増血薬に使いますから」


「ああ。アレか。 薬品になる材料は知っているんだね。 【薬師】としても有望だねぇ」


マルゴさんが感心したように笑った。 頑張ってレベルを上げて期待に応えよう♪


「じゃあ、始めよう。 ナイフは1番小さいのか、その次のを使うといい。

 バンパイアバットの魔石も心臓。かなり小さいから見落とさないように。 討伐証明部位は羽が2枚セットで1匹分だ。これは本来の1匹分でなくても構わない。2枚で1匹分になるよ。 素材は血液。鮮度で値段が大きく変わるが、アリスさんのアイテムボックスなら、問題ないね。

 あとは全てライムちゃん行きだ。 先に血抜きが済んでいるから、楽なもんだね」


「こんなに小さい魔石でも使い道があるんですね~?」


 本当に小さいのに、マルゴさんの手は迷い無く魔石を探り当てる。


「魔石技師の手にかかると、この小さい魔石が固まって大きくなるのさ。限度はあるがね」


「じゃあ、面倒がらずに、きちんと採取しておきます」


「小さい魔石を採るのが面倒なら、実力をつけて大物狙いをすればいいのさ」


「なるほど!」


 増血薬用の血液は複製すればいいし、そうしようかな^^


「でも、今は1個も無駄にするんじゃないよ」


「もちろんです!」


 あとは2人で黙々とバンパイアバットの解体をした。


 倒すときにバラバラにしてしまったせいで、魔石が58個、羽が55対と1枚しかなかった。残念だ。


「じゃあ次は今夜の食材のオークを♪」


「オークも食っちまうのかい? 良い値で売れるよ?」


「数頭分ありますし、ボアばかりでは飽きますから…」


 色々な調理法で美味しくいただいているけど、さすがに飽きてきた。


(今夜はオークにゃ? 楽しみにゃ!)


 ハクも楽しみにしてくれてるし、


「今夜はオークとホーンラビットにしましょう!」


 決定事項として伝えると、

 

「楽しみだねぇ!」


 マルゴさんも嬉しそうに笑った♪


ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ