表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/763

従魔の昇進?

ぷにぷにボディのライムのおかげで横になってぐっすりと眠れたからか、今朝は身体だけでなく、気分的にもすっきりと目覚められた。


 ハクも首元でふわふわな襟巻きになってくれている。小さいせいか重さはほとんど感じず、ただただ暖かく気持ちが良い。


「起きたのにゃ?」


「うん、おはよ! 今日もありがとうね!」


「おはようにゃ!」

「ぷっきゅ~!」


 私の従魔たちは今日も抜群にかわいい♪


「今朝も獲物があるね。お疲れさま!」


 ハクの今朝の獲物は、


 ハウンドドッグ ×3

 スライム    ×2


 合計5匹だ。 


 毎晩、魔物の襲撃があるのに、気が付かずに朝まで寝ている私はどれだけ鈍いのか…。


「ここで顔を洗うと地面が濡れてごはんを食べるのに困るから、少し向こうに行こう」


 2匹を誘うと、


「ライムが飲むにゃよ?」


 とハクに言われた。でも…、


「私が汚した水を飲ませるのはちょっと…」


 魔物の解体で、血や内臓などの不要な物の処理はお願いするのに、おかしいかもしれないけど。


「ぷきゅ~?」

「ライムは気にしないにゃよ?」


 私が気にするんだ…。


「少し向こうに行くだけだから。マップでも赤ポイント付いてないから安心だよ? ね?」


 2匹を無理やり連れ出した。


 インベントリを開き、ちょろちょろ流れる水でハクと私は顔を洗い、ライムも全身に水を浴びた。


 ついでに水を飲んでみたけど、品質にも変化なし。 ビジューは本当に良いものをくれました♪


 ハクとライムもそのまま器用に水を飲んでいる。


「今日は何を食べる?」


 代わり映えしないメニューだけど、一応聞いてみる。 気分的なモノだね^^


「肉と魚とキノコをたべるにゃ♪」

「ぷっきゃ~♪」


「何本ずつ?」


「1本ずつでいいにゃ!」

「ぷっきゅ!」


 ライムも同じらしい。 本当に仲良しだな^^







 焚き火まで戻り、昨夜作った椎茸串で火の周りを囲った。


 椎茸が焼けるまでは肉と魚を食べててもらおう。


 2匹に1本ずつ出して、私は椎茸を焼くのに集中したが……、2匹の心配してくれる様子に負けて、魚を食べた。


 美味しくないけど、頑張って食べた……。 


 焼けた椎茸はハクとライムにだけ食べてもらって、他は全部インベントリに入れる。


 2匹の物言いたげな気配を感じてはいたけど、もう許してください。食べるのが辛いんです……。


 口直しにみんなで木苺を食べて、ハクはもう一度顔を洗うことになった^^












 街道の見通しが良いので、ライムも一緒に移動する。 ライムの上にハクが乗って移動している姿は実に微笑ましい♪


 魔物に遭遇することもほとんどなく、人とすれ違うことも無い。 おしゃべりしている2匹を眺めながらのんびりと街道を歩く。


(やっぱり、会話が成り立ってるよ…)


 ライムは出会った日から私たちの話す言葉を理解していたけど、会話は出来なかった。ライムの震え方や鳴き声で推測していたのに、昨夜はハクが通訳をしてくれたので、「アレ?」とは思っていたのだ。


「ライム~、鑑定してもいい?」


「ぷっきゅ♪」

「いいよ♪って言ってるにゃ~」


 名前 :ライム

 年齢 :0歳 (分裂後138日)

 種族 :リッチスライム

 職業 :アリスの従魔

 レベル:3

 HP  :35

 MP  :10

 攻撃力:20

 防御力:15

 スキル:温存

 備考 :テイムなしで従魔になった変り種。



 やっぱり…。すでに“従魔”になってるよ。


「ねえ、ライムはいつ、“従魔(仮)”から“従魔”になったの?」


「昨日にゃ♪」

「ぷっきゅ♪」


「聞いてないんだけど…?」


 従魔同士だけで分かり合ってるなんて、ずるくない?


「アリスが昨日、きちんと鑑定をしていたらすぐにわかったことにゃ!」


 !! あっ、そう……。 本当に、私の保護者さんはそういう所は甘やかしてくれないよねっ!


「じゃあ、どうしてハクはライムの言葉がわかるのに、私にはわからないの?」


「ライムがまだ幼くて、言語の発声ができないからにゃ」


「ハクはどうしてわかるの?」


「僕は“神獣”にゃ。わかって当然にゃ!」


 ……そっか。当然なのか。  早く私にも、ライムの言葉がわかるといいな。


「ライムがレベルアップした理由もわかる? 狩りには参加していないよね?」


「ごはんを食べたからにゃ♪」


「ごはんを食べただけでレベルアップするの? 経験値とかは?」


「リッチスライムは、食べることでも少しだけ経験値が上がるにゃ。だから遠慮をせずに、解体の手伝いを頼むにゃ!」


 良いことを聞いた。 お互いが得をするなら、お手伝いも頼みやすい♪


「ハクはもう知ってるだろうけど、ライムは思っていた以上に弱かったね。

 危険があるような場所では、すぐにハウスに入ってね? あと、他人がいる場所では、安全が保障できるまではハウスにいてね?」


「ぷきゅ~~」

「それはライムもわかってるにゃ。大丈夫にゃ~」


 2匹には是非とも安全第一で動いて欲しい。 危害を加えられたら、報復に何をするかわからないからね、私。


「夜の間、外で私のクッションになってくれてるけど、大丈夫なの?」


「僕がちゃんと周りを警戒をしているから、大丈夫にゃ!!」


 ハク、ありがとうね! 毎晩護ってもらってるんだもんね! そりゃあ、ライムも懐くよ。




 道すがら出遭う魔物はスライムかゴブリンくらいのもので、途中で何度か休憩を挟んでも、夕方には村に着くことができた。


ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ