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異世界メイド喫茶にいこう  作者: 仲良むら
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第7話 お散歩は大変だよ

 ブクマが3になってました。さらに文章とストーリーの評価もしてもらいました。過去の作品には、文章とストーリーの評価はなかったので、本当に嬉しいです。ありがとうございます。

 今回はお散歩、ご主人様を連れてくるために頑張る話になります。

 俺はシルリーたん家族の家に泊めてもらった。


 それからみんなで可愛い台詞を考えたり、内装を可愛くしたり、メニューを考えたりした。


 ジルクさんに頼んでオムライスは二種類作ってもらった。メイド喫茶といえばオムライスだよね。


 一つめはシンプルなケチャップライスのオムライス。二つめはクマさんオムライス。ソースで炒めたご飯でクマさんの顔を作り、オムライスを布団に見立てて寝ているようにしたものだ。


 オムライスはご主人様の前で、ケチャップでお絵かきををする。文字を書く場合は「萌え」「大好き」などを基本にして、リクエストがあればそれを書く。


 ハンバーグもクマの顔風のもの作ってもらった。


 お店の名前は「メイド喫茶萌えきゅん」に決まった。


「じゃあお散歩に行ってくるね」

 最初は待っててもご主人様は来ない。ある程度の期間やっていても、平日のお昼は人気店じゃないとご主人様は少ないものだ。


 逆にいうと平日の昼に行けるなら、空いててメイドさんと話しやすい。


 とにかくただ待つんじゃなくて、ご主人様を連れてこなきゃいけない。ご主人様に声をかけて、お店に連れてくるのをお散歩と呼んでいる。


「メリーちゃん行こう」

 連れていくのはメリーちゃん。最初は正統派の娘でいかなきゃね。見た目はみんな可愛いけど、来てもらうために話したときに、変な感じになるのを防がなきゃね。


「ご主人様を連れてくるね」

 メリーちゃんがシルリーたん達に手を振ってお店を出た。


 さすがに女の子だけでいかせるのは危険だし、この国ではメイド喫茶なんてないから、俺が行って説明をしなきゃと思う。


 秋葉原ではメイドさん一人でお散歩してるけど、やっぱりそういうものって認識がないと辛いと思う。


 前に聞いた話しだと、中々来てくれるご主人様がいない、夏で暑い、外国人が英語じゃない言葉で話しかけてきて困った。なんて話しを聞いたことがある。ここは日本語が通じて良かった。


 萌えきゅんから出ると通行人はいなかった。まだこの街には詳しくはないけど、お店の場所が悪いと思う。


 中心部から離れた上に、裏道に入ったところだからだ。常連さんが出来ればそんなのは関係なくなるけどね。


「人通りの多いところはどこかな?」

 メリーちゃんに尋ねると、即答してくれた。


「ここから少し離れてるんですけど、冒険者なら、冒険者管理センターを中心にいると思います」


「じゃあそこに連れてって」

 俺達はしばらく歩き、冒険者管理センターの近くまでくると、人が増えてきた。明らかに街の人ではなく、鎧を身につけた人達や、ローブを身につけた人達だ。


 最初だしちょっとオタクっぽい人に声をかけたい。


 親近感がわくし、オラオラ系の人がルールを守らないとも限らない。


 もちろんいざとなれば俺は変身すればたぶん勝てるけど、メイド喫茶の人間がご主人様をコテンパンにしたなんて噂が広まったら、今までの苦労が水の泡になる。


「あの人に声をかけよう」

 周りにいる人達を見て、明らかに強そうな人は避けた。見た目が全てとはいわないけど、ある程度性格と見た目は一致すると思う。


 オタクがチャラ男のファッションをしてなかったし、この世界でも強そうな人の中には、すれ違うだけで威圧感を感じる人がいた。


 それともう一つ。その人は少し日本のオタクっぽさに似てる部分があったことにプラスして、飲食店の前をうろうろしていた。


 お昼ご飯を何にしようか決めてる最中なんだろうな。だけどどこのお店も行列が出来てて、しばらく待たなきゃいけない。


「すいません」

「はい」


 俺が話しかけると、二十代前半くらいの男性は振り向いた。背は男性にしてはやや低めで、体格もそんなに良くはない。鎧ではなく普通の服を着ている。腰に剣を差してるから冒険者だとわかったけど、それがいなかったら冒険者だとはわからなかった。


「お昼ご飯のお店を探してるんですか?」

「ええ」


 俺を見た後、隣にいるメリーちゃんをチラッと見てから、もう一度俺に顔を戻した。


「待たせないんで、もし良かったらうちのお店に来ませんか?」


「何のお店ですか?」

「メイド喫茶です」

「えっ?」


 驚きメリーちゃんをもう一度見る。

 この世界じゃメイド服を着た女性が外を歩くのは珍しくはない。転移してまだ五日ほどしかたってないけど、一日に数回はメイドさんを見かける。


「メイドさんと楽しくお話をしながら、食事やドリンクを飲んでいただくお店になります」


「遊びに来てくれると嬉しいな」

 打ち合わせ通り、メリーちゃんは男性の前に立って、ニッコリ微笑んだ。


「えっ?」

 途端に顔を赤くする男性。


 わかるよ。美少女にこんなことされたら緊張するよね。一目惚れもあるかもしれないね。


「す、すいませーん」

 男性は逃げるように走り去った。


「今の話し方まずかったですか?」

「今のでいいよ。初めてのお店だからどんなのかわからなくて怖かったんだと思うよ」


 それも一理あるけど、俺の本当の予想は、美少女に顔を近づけられて、ビックリしたからだと思う。


 美少女に好かれたいって願望は、男なら誰にでもあると思う。だけど不意打ちに来られたら心の準備が出来てなくて、思わず逃げちゃうってタイプかもしれない。


「こういうのは数をこなさなきゃね」

「はい。頑張ります」


 可愛らしい声を響かせるメリーちゃん。

 俺もそうだけど、彼女のメンタルがもつうちに、早くご主人様を連れていかなきゃ。


 しばらく歩きながら、次に声をかける人を探す。俺は一人の人に決めた。青い鎧を身につけ、中肉中背。キョロキョロとお店を探しているようだ。


「すいません」

「はい」


 予想通り見た目は二十代中盤だった。雰囲気からして冒険者初心者ではなさそう。


 俺を見て隣のメリーちゃんを見る。俺が次の言葉を紡ぐと、俺の方に顔を戻した。


「お昼ご飯のお店を探してるんですか?」

「そうですね。この街に初めてきて、お昼の時間はどこも混んでて」


 苦笑いを浮かべながら、状況を話してくれた。


「少し歩くんですが、うちのお店ならお待たせさせませんよ」


「何のお店ですか?」

「メイド喫茶です」

「えっ?」


 聞き慣れない言葉だけど、隣にメイド服を着た女の子がいるので、納得した表情を浮かべる。


「可愛いメイドさんと楽しくお話をしながら、お食事が出来ますよ」


「正直女の子は好きだよ」

 ニヤニヤと口元を緩める。さっきまではイケメン戦士に見えたけど、今はチャラそうな雰囲気が出てきた。


「だけど装備を調えたばかりで、お金がないんだ」


 財布を出した戦士は、ひっくり返した。日本円で五百円くらいの小銭が一枚落下した。安めのお店なら食事が出来るだろうけど、正直うちのお店では、ドリンクしか飲めない金額だった。


「うわー、可愛いメイドさんと話しながらご飯食べたい!」

「す、すいません。この金額じゃ無理です」


「じゃあ場所教えて。モンスターいっぱい倒した日はいけるからさ」


 俺は道を案内してチラシを渡した。こんなこともあろうかと思って、チラシを作っておいて良かった。


「今度は来てくださいねー」

「うん。会いに行くねー」

 メリーちゃんは明るく手を振った。


 オタクっぽいタイプは女の子に免疫がなくて逃げられ、少し強そうなタイプは装備を調えお金がなかった。つまり女の子を好きそうで、お金も持ってそうな人を見た目から探さなきゃ。見た目でそれを見抜くなんて無理だよ。


「まだまだこれからですよ」

「そうだね」


 メリーちゃんが俺を励ましてくれた。俺がメイドさんの支えにならなきゃって思ってるのに、メリーちゃんに心配されてた。


 もっと頑張らなくちゃ。

 俺達は再び歩き出した。

 くまさんのオムライスは、めいどりーみんを参考にしました。

 お散歩の大変さを聞いたので、それを参考に書きました。

 秋葉原じゃ直接話しかけちゃダメみたいだけど、異世界ならそんな条例はないから、直接話しかけていく作戦にしました。

 次はお昼に更新します。

 ご主人様が来て、メイド喫茶としてついにスタートします。お楽しみに。

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